やっと、開かれる、
そんな感じで鬼に会いました。
デカかったわー、3メートルくらいはあったんじゃね。
あ、そーいや、
「話、今からしてくれんの?」
まだ聞いてなかったんだった。
忘れるところだった。
「そうですね。すぐに理解は追いつくでしょう、見た後ですし。」
「でもとりあえず家帰ろう」
「そうですね。ここからは多少長くなるかもしれませんので。」
そして帰宅
「まず、こちらの氷華さんですが、氷華というのはまぁ、源氏名のような物で真名を天照大神。そして私は素戔嗚尊でこちらが月詠。いわゆる神様です。」
いきなり理解が置いていかれた
「人間じゃないのか。」
「そうですね、この体自体は人間のものですが、中身が違うので、人とは言えないかもしれないですね。」
でもなんかしっくりくるわ。
人間業じゃないよね、この可愛さ
、、、そーゆー話じゃなかったけど、まあいいや。
「ごめん続けて。」
「では続けますね。日本には八百万の神がいます。日本では古来より神が産まれやすく消えやすい環境がありましたので。その中でも私たち3人を始めとする国内に名の知れた神々を軸として高天ヶ原に住んでいるわけです。とまあ、それはいいんですが、最近になって高天ヶ原を震え上がらせたニュースが2つあります。1つが先ほどの鬼です。神々と鬼は900年程前まで戦争をしておりました。もちろん人には影響のない場所でです。そしてその戦争はあまりに悲惨なものでした。肉片が飛び交い、首は空を舞い、血は池を作る。そんな戦争に終止符を打ったのは、神でも鬼でもない人間でした。それが源頼光一行、かの有名な鬼退治伝説です。伝説の通りに鬼を退治した一行のチカラによって、神と鬼の間には和平が成立したのです。神や鬼は普通人の目にはうつりません。たとえ見えたとしても、殺すことはおろか、傷をつけることすらかなわないのです。神には神格、鬼には鬼格と呼ばれるものがあります。それぞれの身体を守っているバリアのような物で、それらの強さには個体差がありますが、どんなに弱くても人に傷をつけられることはあひえません。しかし、源頼光一行は見事に殺してみせた。理由は簡単でした。彼ら、と言うよりかは、源頼光という男が凄まじい神格を有してしたのです。それに触発されたかなんなのかは定かではありませんが彼の配下にも神格が在った。神格や鬼格を有してさえいればそれらを持つ者を殺すことは可能です。ただ、神格や鬼格が強すぎると殺さないのです。源頼光が討ち取った酒呑童子ですが、彼の鬼格は別格でしたので、
源頼光の神格をもってしても殺しきることができませんでしたが、復活にはおよそ1,000年を要するだろうと言われていました。そして、酒呑童子の次に強い茨木童子を相手にすることになったのですが、向こうに勝ち目はたありませんでした。その為、我々は茨木童子と和平を結んだのです。長くなるのでここで一旦切りますが、なにか質問などありますか?」
「茨木童子も強かったんだよな?ならなんで、向こう勝ち目がないんだ?」
「それについては、神格と鬼格の問題です。茨木童子はたしかに戦闘の天才で、一度暴れ始めれば我々でも手を焼きますし、鬼側でも酒呑童子以外では止められません。しかし、彼の鬼格は宮様はおろか、我々神側の上位にすら届きません。ですので、茨木童子では私たちには傷すらつけられないのです。」
神格やら鬼格やらってのは、なんかすごいんだな。
ただのバリアってわけでもないんだね。
「他に質問は?」
「あ、続けてください。」
「では、続けますね。ここで結ばれた和平というのは、所謂不干渉条約。互いに手を取り合って平和を築くためのものではありませんでした。ですので、鬼達の行動を完全に把握することができていませんでした。千年は酒呑童子の復活はないと仮定していたので、心配はしていませんでした。しかし、鬼達には目論見があったのです。我々の虚をついて攻め込む方法を。それが、、、酒呑童子の早期復活。
これにより我々は一時多大に攻め込まれたのです。ですが、なんとか戦線の維持は出来ていて、今は緊張状態というわけです。」
拭いきれない疑問がありますよね。
え?ありますよね?
「で、ここになにしに来たの?」
「あぁそれは、貴方に一緒に戦ってもらう為です。」
いや無理でしょ。