深く入り込む一歩
氷華をつれてソフトクリームを買うために近くのコンビニへ、、、と思ったが近くのスーパーのソフトクリーム販売店に行くことにした。
「ソフトクリーム2つください。」
「かしこまりました。」
るんるんしてるの可愛い。
がんばって台の上を覗こうとしてるの可愛い。
・・・可愛い。
「お待たせしました。ソフトクリーム2つです。ありがとうございました。」
「おぉー!」
ちょっと鼻息荒くなっちゃってるじゃん。
「そこ、座って食べるよ。」
「はぁーい!」
さ、俺も座って食べようか。
「ちゃんと座ってたべろよー、、ってもう終わってるし。」
目がキラキラしてる。
キラキラした目で見てるよ、俺のソフトクリーム。
「食べるか?」
まぁ、案の定というか、なんというか、
「たべるー」
ってなわけで、結局全部氷華が食べた。
帰り道、
ソフトクリームという目的を達成した氷華はとても自由に歩き回った。
「ちょ、そっちじゃないって。」
真反対だよそっち。
自由だなぁ。
「あそこ、行く。」
あそこは確か、誰も行かないような神社か。
いわゆる陸の孤島。
「あそこは山道だからやめとこう。」
「行く。」
頑なに主張する氷華に根負けし
結局行くことになった。
神社までの山道は人が通る事が出来るようにはなっていた。
神社の頂上に着くと、
四足歩行の獣がいた。
ゴツゴツとして硬そうなこげ茶の表皮。
ちょうど今、人を襲っていたところだった。
すると、突然衝撃が空を駆けた。
粉微塵になったそれの中に小さな影。
それは人だった。
目を凝らさなくてもわかった、
飲み込まれそうになる程の黒。
小さい時にみた殺人犯でもこんなに色ではなかった。
本能は警告している、
ここから逃げろと。
これは恐怖なのか、引き込まれているのか、
動けなかった。
「よう、俺は又内朝日。、元気か、新入り。」