7話:新たな旅路に
俺は一体何を忘れてるんだろうか....
学園ハーレム!!!!
すごく大事な事を忘れていた。
この街復興に夢中になってすっかり忘れていた。
いや、先ずは故郷に帰る事だ。学園ハーレムは二の次、二の次なのだ!!!!
器が魔法についてからっきしだったので魔法について学びたいと思ったがこの2ヶ月の間復興作業していたおかげで魔法を色々学べた。
教会の人、冒険者、街の人、思いの外魔法が生活に馴染んでいるのか本当に色々教わった。
才能のおかげで習得も早く今では魔法で自給自足の生活も夢ではない。水も火も困らない。土魔法に至っては土壌から鉱物関連まであらゆる事に精通出来る。だから土で家も作れて畑も困らない!!!金に困ることも無いんじゃないか!?土魔法すげー!!!(小並感)
こういった状況でなければ俺自身も興味がなかったというより知らずにいる可能性が高い。
生活に馴染みのある魔法は教会が独占研究しているのだ。まぁ人の助けになればそれだけ権威も上がるといういかにもな考えなのだが。
それでもやはりこういった実用的な魔法というのは花がないというか人の手で出来るし、魔物や戦争があるような世界じゃ敵を倒してなんぼという事もあり魔法使いの多くは戦術的に使える魔法の術者の方が圧倒的に多いのは当然だろう。
それはさて置き、俺はエルルを探しにとりあえず鍛冶場へ行く。
「エルル居ますか?」
「おーエルルの相方じゃないか。エルルはついさっき帰ったぞ」
「相方って、まぁ一緒に冒険者始めたのは確かですけど!」
「他にパーティメンバーも居ないしいいじゃねぇか。それに街の連中に噂になってるぞ?」
と鍛冶職人のハンマさん。ハンマっていかにも鍛冶師って名前なのはスルーしとく。
「ふぁ!?エルルとはそういう関係じゃ!」
「またまた。まぁ鍛冶師のいる冒険者パーティは安泰だからな、手放すんじゃねぇぞ?」
「そうよぉ女鍛冶師なんて滅多に居ないし、エルルは健気でいい子だしかわいいもんねぇ?」
今度はカンナさん。エルル以外この二人がこの街で鍛治をしている。
「俺、そろそろこの街を出ようと思って」
「急にまたどうして?まぁ普通の冒険者なら2ヶ月もいるってのが長いか」
「そうね。エルルちゃんはどうするの?」
「どうするって...一緒に来て欲しいのは確かですけど、そこは本人次第ですから」
「なぁ弱気になってんのよぉ。それでも男ですか!この軟弱者!」
なんか聞いたことある...
「そうだぜ?そこは男ならガツンとな!」
「そうですね...頑張りますってなんでそっちの方向に行くんですか!だから俺とエルルは別にそんなんじゃ...」
「エルルちゃんはどうかしらねぇ?」
「そういや坊主のことは余り話さないな。ベオの事はよく話してるけど...まぁ頑張れや」
「それ本人の前で言います!?それじゃ俺は行きます。明日改めて来ますんで!」
「わざわざ面倒だろ?お前さんは色々顔出さなならん。エルルだけ顔だしてくれりゃそれで構わんよ」
「さいですか?なんかムカつくけど、お世話になりました!」
「多分エルルならぁテントに戻っただろうからぁ早く行ってやんな!」
カンナさんは相変わらず緩急が激しい喋り方だな....
辺りも暗くなり一番星が燦然と輝いている。
エルルはテントの前で焚き火を囲んで居た。子犬モードになったベオを膝に乗せて。ベオを膝に乗せて。
「エルル、今日もお疲れ」
「わん!」
「お前じゃねぇよ」
「ふふふベオも頑張ってたわよ?今日はもういいの?」
「そうだな。かかりっきりで面倒見る人も少なくなって教会の人だけで大丈夫だってさ」
「そう、それは良かったわ。本当最初の頃はひどかったから...」
ちなみにエルルはあの時ゲロってないのでゲロインにはならずに済んだのは別の話。ゲロインなんて俺のハーレムには要らないしな!
「そうだなーもう2ヶ月だもんな。話変わるけどさ、そろそろ故郷へ行こうと思う」
「そうね、すっかり忘れてたわ!」
「え、それ酷くない!?」
「へへ、この街のために必死になってたらつい」
そんな笑顔されたら許すに決まってるじゃないですかやだなぁ!
「エルルはどうするんだ?」
「ついていくわよ?今回復興に携わって思ったの。他にも苦しんでる人がいるなら助けたい、出来るならこの苦しみを終わらせたいって」
エルルがかっこいい事言ってる。なんか俺より主人公っぽいんですけど!
「そうか、そうか。でも本当にいいのか?ここに残ってもいいんだぜ?俺と2人旅なんて嫌じゃないのか?」
「今更それ聞くの?もう2ヶ月も一緒じゃない。最初の頃はなんかすごい人と冒険者になるんだって気負ってたけど、不思議と昔からシンタの事知ってるような気がして...嫌なんて全く思ってないわ」
多分この昔からってのはそれだけ仲良くなったという事だろう...流石にエルルは転生者だったりしないと思いたい。
「ならば覚悟は良いな?これより我ら修羅に入る!反乱軍と会えば反乱軍を斬り、黒龍と会えば黒龍を斬る!」
「ふふふ何かっこつけてるのよ。目標でかすぎない?そしたら私も頑張って腕を磨かなきゃね!」
「わん!!!」
ベオもやる気満々だ。子犬姿だから迫力ないけど。
「急だけど明日出発でいいか?」
「元々冒険者の依頼でやってるから大丈夫じゃないかしら?」
やけに現実的というか何というか
「そうか。そしたら明日出発で、エルルの家行って改めて準備して故郷へ向かうって事でいいか?」
「そうしましょ。でもこの街を離れるのも寂しいわね」
「来ようと思えばいつでも来れるさ」
「そう言えば、シンタの故郷ってどこなの?」
「言ってなかったな。俺の故郷は ペルセポネ だ」
「うわー都会っこだったんだ。私の村不便だったでしょ?」
「そうでもないぞ?良いとこじゃん」
「お世辞でもありがとね」
田舎に住むと都会に対して卑屈になるよね。
ペルセポネはこのベルセウス自治領の中央に位置しており、反乱が始まって以来唯一中立を維持している城塞都市である。
軍事的にもかなり重要であり、両軍がこぞって手に入れようと度々侵攻しているが強固な守りにより阻止されている。
俺たちは夕食を食べ、荷物を纏めてテントに入る。
何故未だにテントで寝ているのかと言うと、エルルの希望である。
仮設ではあるが家や宿も出来ているが、折角冒険者になったのだから野営がいいと言って聞かないのだ。
冒険者でも2ヶ月も野営するような事はないと思うが...
季節は冬の終わりに差し掛かり、時折雪も降る。某少年少女団体で雪中キャンプした事を思い出す。雪の中でのキャンプも悪くない。ただ水道が凍ったり、鹿に食べ物漁られたりするくらいだ。
テントの中は魔法で暖かい為、結露対策しておけば大した問題はないので快適ではある。
翌朝、俺たちは仮設ギルドへ向かう。
冒険者の数もここ2ヶ月で大分増えた気がする。反乱によって職を失ったり、怪我をおって復職出来ないような人達が明日の為にとこぞって来ているのだ。
冒険者は基本的に人数の制限はしない。いくら復興中の街とは言えど魔物の脅威からは逃れられないと言うのもある。
「仮ギルマスさんおはようございます」
「いくら仮設でもよ、その呼び方はどうかと思うぞ?」
「細かい事は気にしない気にしない」
「お前さんがそれ言うか?」
仮設の為、ギルマスが受付をするくらい人が居ない。
「しかし三週間ぶりか、なんかあったのか?」
「この街を出ようと思って。クエスト終了するわ」
「そうか。お前さんたちには本当に世話になったな。何処へ行くかは聞かんでおくが気をつけろよ。最近高ランクの招集がかかったから近々また反乱軍が動くのかもしれん」
「ありがとな、気をつけるよ」
「報酬だが、ギルドカード貸してみろ。ここらの田舎じゃあまり出回ってないがカードに記録出来てギルド提携の店じゃ何処でも使えるようになるぞ。まだ資金的に苦しいからカードだと助かる。現金支給がいいなら達成票を他のギルドに提出してもらうことになるがどっちがいいかの?」
「旅路に銀貨沢山ってのも不便だしカード記入でいいや」
しかしそれなんて言う電子マネーと言うかクレジットカードですかね!でもこれ便利だな。そしてさらっと田舎ディスり。エルルの笑顔が怖いです。
「魔法で処理するから改竄出来んし、使うときは本人の魔力を使うから他人に悪用されんから安心せい。エルルはどうするんだ?」
魔力には個々人で波長があるらしい。指紋みたいなもんだろうか?
「私は半分半分でお願いします」
「はいよ。お二人さん、末長くお幸せにな」
物凄い笑顔で言われた。
エルルは顔を赤くして ち、違いますよ!って否定してなんとなく悲しくなった。
そしてエルルは鍛冶屋、俺は教会に顔を出して別れの挨拶を済ませた。
次はいつ来れるだろうか。
この先、ペルセポリスは今いる人々によって復興は進むだろう。これからの発展が楽しみだ。
再び戦火に巻き込まれぬよう祈るしかない。
そして宿命の旅が再び始まるのだ。
連休無し、残業続きで更新遅れました_(:3 」∠)_
お待たせして申し訳ありません。




