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堪らないわね、この異世界  作者: 佐藤釉璃
冬海 雪音
6/32

5.勝ち確

※15話から、本格的にユキネが覚醒します。

「うっそ、でしょ…。なにこれ。

 ミーア、これ、どうなってるの…。」


 驚きで言葉にうまく力が入らない。

 あらためて、ここがい世界だということを実感させられた。


「12正都市であるアクアリスは、水の魔法師によって統治されています。

 宙に浮いていられるのも魔法師様の魔法のおかげなんですよ?です。 」

 ミーアちゃんは嬉しそうに説明してくれる。


 やはり異世界、魔法があるらしい。

 例え魔法だとしても

 こんなに大きな岩をずっと宙に浮かすことができるなんて、

 恐ろしいわね、魔法。


「そういえば、ユキネさんは入港証とか持っていませんよね…? 」


「入港証?」


「はい、です。

 入港証がないとアクアリスには入れないのです…。 」


 まじか。


 あの爆乳ゴミ天使、そんなもの渡さなかったわよ。


 といいつつも制服のポケットを探ってみる、


「え?」


 ポケットには透明に輝くダイヤモンドの様な石のネックレスが入っていた。

「なにこれ…?」

制服のポケットは転生してきた時に何も入っていないことを確認したはず…。


「そ、それはっ!

 ユキネさんっ!それ、すごいですっっっ!!ですっ!! 」


 取り出したネックレスを横から見ていたミーアが驚いて声を上げる。


「ユキネさん!!これ、神威カムイですよっっ!!ですっ!!

 すごいです!こんなに綺麗な神威はじめて見ました!です! 」


 ミーアは大興奮だ。

 たしかに、このトップのダイヤモンドの様な何かはとても綺麗だけれど。


「ミーア、神威ってなんなの?」


 神威、現世での意味は

  神の力とか、高位の霊体とかを指す曖昧な言葉だったような気がする。


「神威はこの世の全てです!

 魔法師は神威を元に魔法を使います。騎士は神威を元に剣を生成します。

 もっとも、

 神威を使えるのはごく一部の高位職の方たちだけで

 神威自体も、数多くは存在していません。です 」


 なるほどなるほど。


「また、神威には決まった形がなく

 ユキネさんのようにネックレスのような物から剣や杖、

 時には身体の一部に神威を受けた者、

 血液に神威を宿す者と様々な形で存在している…です。


 形は異なっても、どんな神威でも力を使うときに色が現れるのです。

 ユキネさんの神威は白色ですが、

 普通は12色環のうちいずれかに近い色が現れます…です。」


 なるほど、このネックレスはこの世界では貴重な力の源。

 そして、その中でも貴重な色の神威を私が持っていると。

 これはきっと、あれよね。具現化する力に関係しているとしか思えないわ。


「なるほど…難しいわね。

  それで、その神威のちからを使うにはどうすればいいの?」


「それはわからないのです…。ごめんなさい…です。

 神威を使える人が限られていて、

 神威についての研究も全く進んでいないので、

 神威とは何か、どうやって使うのか、誰が持っているのか、

 全く謎なんです…。 」


 どうやらこの力を使うのは簡単ではないようね。

 まったく、これなら別の物を持ってくればよかったわ。


 そう思いつつも、ネックレスなのだからと首にかけてみる。

 そうてミーアに入港証について話をしようとした時、

 視界に違和感を覚える。


「なにこれ…?」


 いままで何もなかった場所に

 緑の直線と青の直線、そしてその近くに1という数字。

  それからミーアちゃんの頭の上には18と、数字が浮いている。


 そして気づく。

 この表示は私の大好きでやりこんでいた

 RPGゲーム「OMR」の戦闘画面だということに。

 

 緑の直線は私のHPヒット ポイントを表し、

 青の直線はMPマジック ポイントを表す。

 まだ転生してきたばかりの私はレベルが1。ミーアのレベルが18。

 胸の鼓動が早くなる。顔がニヤける。


 私は確信した。


「勝ち確ね」


「ユキネさん…?どうしました…です?」



 ミーア、私はこの世界を謳歌できそうだわ。



「なんでもないわ、大丈夫!

 それより入港証を見せてもらってもいいかしら? 」


 きっと上手くいく。今度こそ、力が使える。そんな気がした。


 ミーアから入港証を受け取り見つめる。


 ぼろい木の板に

 ギリシャ文字のような字の羅列が並んでいる。

 読んだこともない文字、でも今の私なら…


「鑑定っ」


(入港証 アクアリスーーーカプリーン 商人:ミーア 〜〜〜)


 読める!読めるわっ!!

 入港証の文字が日本語に書き換わっていく。

 ミーアに入港証を返し、今度は別の言葉を唱えてみる。



「リプロダクションッ」



 バシュッ!!


 眩しい光と小さな爆発音がした後、膝の上に重さを感じる。


「にゃあっ!!ユキネさん!なにするんですかっ!!です!」

 光と音に驚いたミーアが怒ってしまった。

 怒ったミーアちゃんも可愛らしい。


「ミーア、入港証ってこれでいいのかな?」

 そう言って私は入港証を手渡す。


「ふぇっ??なんで、、です?

 ちゃんと名前も書いてあって…入館証…です。 」


「そう、よかったわ。これで私もアクアアリスに入れるのよね? 」


「えっと、、、はい…です?」


 やっぱり私は

 成績優秀スポーツ万能クールな美女ね。

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