9.マタドールの皆さん
※15話から、本格的にユキネが覚醒します。
人とは思えないほどきれいな声がしたと言ったわね。
やはり私は正しかったみたいね。
顔を上げるとそこにいたのは
一人目、
長い艶のある金髪に尖った耳、
鼻の高い美人なお姉さんエルフ
二人目、
金髪のショートヘアの
綺麗な顔をした人間の男の子
三人目、
褐色の肌に長い白い髪、
赤い瞳のこれまた美人のお姉さんダークエルフ
なにこれ、なんてハーレムですか…。
「僕はこんな奴しらないぞっ!!」
そういうのは男の子。
見た目は現代の中学生くらいに見える。
ラノベでよく見る、ボンボンのお坊ちゃまみたいな服装をしている。
「あらあら、リンったら。照れてるのかしら?」
これは金髪エルフのお姉さん。天然っぽいがどこかあざとい…?
よく見れば香澄と同じくらいに豊かじゃない…異世界は不平等ね‥。
「はぁっ!?だ、だれがっ…。
ただ、道に、倒れてたから…たす、け、た…悪いかよっっっ!!」
なにこの子、可愛い。ツンデレの男の子…萌えるわね。
「へぇ、リン。お前私達と別れてる間に浮気してなのかぁ…ふぅん?」
これはダークエルフお姉さん。見るからに不機嫌そう…。
どうやらツンデレ君はリン、というらしい。
「あ、あの。リン君、助けてくれてありがとう。本当に助かりました。」
「リン君って言うなっっ!!
お、おれは神威持ちなんだぞっ!、ひっく、、すごいだろぉ〜。ひっく。」
どうやらリン君、やはりお酒を飲んでいたらしい。
喋りながら机に突っ伏して寝てしまった。
でも、
顔が赤かったのは照れているからよね?可愛いわね、ふふふ。
「んで、あんたがリンが助けたっていう女なのね?
なにがどうして神威持ちがいながら倒れてたわけ?馬鹿なの?」
ダークエルフお姉さんは私を目の敵にしているみたい‥。
この人も豊かな山脈じゃない…私の敵ね……。
しかも、ネックレスを見せていないのに神威を持っているってバレた…?
「はは、ん。アンタ今、なんで分かったの?なんて考えたでしょ?
それくらいわかるっつーの。なあ、サーシャ?」
「えぇ。私もニアも
ギルドに入ってきた時から気づいてたわよ。
ユキネちゃんが神威持ちだってこと。
どうやらその様子だとうまく使えていないようね、神威を。」
ダークエルフのお姉さんが「ニア」
エルフのお姉さんが「サーシャ」というらしい。
それにしても、なぜ私が神威をうまく使えないなんてわかるのだろう。
「どうして、わかるんですか?私が…その、うまく使えないってこと。」
「あぁ?
んなのお前の悲惨な胸に吊るされてるネックレスの光を見ればわかんだろーよ」
このダークエルフ、消し飛ばしていいかしら。私の命に変えて。
「まあまあ、そんなに言わないのニア。
ごめんなさいね?ニアは可愛い女の子を見るといつもこうなのよ。
それで、神威のことだけど
ユキネちゃんのネックレスの神威の光、すごく不安定なのよ。
普通、力を使っていない時は光らない。
使うときは12色環のいずれかの色が現れる。
だけどユキネちゃんのは常に白色に輝いてる。使い始めはよくあることよ?」
どうやら私の白色というのはとくだん特別な物というわけではなかった。
私TUEEEできると思ったのだけれど、まあいいわ。
「そうなんですか…。それでは、どうすれば安定するのでしょうか?
私、神威を受けてまだ間もないのでなにもわからなくて…」
この二人に神威が不安定だと気づかれたのなら、
他の人から見てもわかるのかもしれない。
まだわからないことだらけの中なら、だれか頼れる人がいたほうがいいわね。
この三人なら一応助けてくれたのだし、
信頼?はしていいかもしれないわね…許されざる巨乳二人だけれど。
「助けてもらっておいて、言いづらいですけど、
よろしければ神威について教えていただけないでしょうか…?」
「はぁ!?
なんで私たちがお『勿論いいわよ!可愛い女の子の頼みなら大歓迎よ?』」
快諾してくれた。