表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

魅惑のオリーブオイル天ぷら

作者: 片栗子

魅惑のオリーブオイル天ぷら

テーマ:輝く悪 必須要素:オリーブオイル


「いや、ダメだって」

ミキが不安そうな顔で言った。

哲也はそれを聞いて聞かずか、だまって目の前の物を見ている。

台所。

シンクの上に置かれた、四角い、手の込んだビンに入っているオリーブオイルを。

「いいじゃん、やっとみつけたんだぞ」

そう言ってオリーブオイルに手を伸ばしふたを開けようとする哲也。

「ダメだって!」

ミキはそれをすかさず止めて、またシンクの上に戻した。


天ぷらが食べたい。

そう唐突に言い出したのは哲也。

テレビ番組でちょうど天丼の特集をやっていた時だった。

あいにく哲也の母は留守だ。

自分達でてんぷらを揚げようとなったのはいいものの、材料を集めている時に気付いた。

揚げ油がない。

どうしてもてんぷらを食べたい哲也が、ミキと二人で必死で探して見つけ出したのが、このどうやら高そうなオリーブオイルだった。

「そもそも天ぷらをオリーブオイルで揚げるなんて聞いたことないんだけど」

ミキが言う。

「いや、昔や○せまみが言ってた。金持ちはオリーブオイルで揚げ物するって。きっとめっちゃおいしいんだって。やったことないけど」

「でもこれさ、お母さんが大切にとってたやつみたいじゃない?」

「……」

それを聞いて哲也は少し考え込んだが、やがて口を開いた。

「少しくらいなら使ってもバレなくね?」

「いや、思いっきりばれるよ! 天ぷらほど油つかう料理もないから――」

「じゃあ、使ったらまたビンに戻すとか。そしたらバレない」

「きたないよ!」

「じゃあ、俺は具材切るからお前揚げ担当な」

「ちょっと! なに勝手に話すすめてんの!」

「うおお! もう我慢ならん!!」

哲也はおもむろにオリーブオイルを掴むと、開封しようとする。

今日何度目の光景だろう。

ミキはすかさず羽交い絞めにしてそれを止める。

「ダメだってば!」

しかし、やはり男と女。

力で負けてしまったミキ。

ミキを振りほどいて、哲也はオリーブオイルを見つめる。

「ふふふ、これでやっとてんぷらにありつける!」

悪事を働くとき特有の不敵な笑みに顔を輝かせながら、哲也はてんぷら鍋をセッティングしオリーブオイルの開封口に手を掛けた。

しかし、力を入れて回そうとしたその時、哲也はふいに手首を掴まれた。

「――ちょっと」

背筋が凍るほどの冷たい声が、哲也の耳元に触れる。

哲也の表情は一瞬にして凍った。

緊張で硬直しそうな首をむりやり動かし、声のする方を見る。

そこには鬼の形相の母がいた。

「それ、どこから出してきたのよ……」

「え、いや……」

「それネットでやっと手に入れたも○みちのオリーブオイルだってわかってやってんの!?」

「いや、これはミキが――」

それを言うのがやっとだった哲也、次の瞬間チョークスリーパーをかけられそれどころではなくなった。

「いくらしたとおもってんのよ!!」

「す、すみませんでしうがあああああああああ!!」

苦しいなかの必死の謝罪もむなしく、哲也は小一時間怒り狂った母親に締め上げられたとかなんとか。


反省点

・母の登場シーンが唐突というか、不自然

・ラストまでの構成が行き当たりばったり

・タイプミスが多すぎて時間かかった

・「不敵な笑みに顔を輝かせながら」の言い回しがなんだか変。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ