prologue
共通の舞台をテーマにサークルのメンバーそれぞれで制作した作品です。
良ければもう片方の作品『自由の道はどこまでも ~リベラルウェイ・オンライン sideコウガ~』も御覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n9165bo
僕が他の人と違うらしいということは、僕が知るよりも早く周りが教えてくれた。
たとえば、みんながおにごっこで遊ぶとき。たとえば、体育の授業でサッカーをするとき。たとえば……。……機会は今までに数えきれないほどあった。
僕は他人と違う。だから僕はみんなと同じにはなれなかったし、友だちだってできなかった。
けれどそれは、僕の責任でもあったのかもしれない。
僕はいつしか、目の前に続く道を歩くのをやめ、目を背けた。だって、どんなにがんばったところで、みんなと同じところには立てなかったから。
僕みたいなのろまが歩いて道を塞ぐより、みんなに道を譲った方がいい。そう思うようにもなった。
最初は少し悔しかった。けど、だんだんとそれは当たり前になっていく。
歩くのをやめて、道を降りて……そうなってしまったときにはもう、何もかも、諦めがついていた。
だから、もうこの道を傍から眺めることすらも面倒になって。
そして僕は、目をふさごうとした――。