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ゆーれい日記(赤)  作者: 破矢音
日常1
7/11

「続きはWebで」

「先輩みっけたあああぁぁ!!」

「おまっ、ちょ、危なっ」


 昼休み。

 俺は丁度昼飯を購買で買って教室に戻ってきて、椅子に座る時だった。

 

 赤菜から強烈なハグ(タックル)を受けたのは。


 ずどーん……


「いやー、先輩昨日部活に来なかったっすよねー? 自分、探したんすからー」

「……そ、そうかそうか。

 うん、取りあえずそこを退こうか」


 さっきも言ったがここは教室。今の体勢じゃ(俺の上に赤菜)クラスメートに何言われるか分かったもんじゃn『燕に彼女が出来たぞおおおぉぉぉぉぉ!!!!』言ってるそばからああぁ!!


「ちげぇよ!!! ちょ、みんな誤解してるから!!

 赤菜はただのこうはぃ「酷い! 先輩、あの時の言葉は嘘だったんですか!?」

 あの時の言葉って何!?」

『しかも一夜の不純な関係だぁぁぁあ!!!』

「ちげーって!!」


 おい、ここ中学校だよな!? この歳で不純な関係持ってる奴なんてそうそういねーだろ!?

 しかもクラスメートのほぼが同じ台詞はいてるし!! 台本でもあんの!?…………いや、このクラスならあってもおかしくない気がして来た…………。

 

「あぁん? なんだこの騒ぎ」

「あ、鷹やm……青葉!」


 俺の“不純な関係”で盛り上がるクラスに驚きを隠せない様子の青葉。この間サボった時の小テストをやって来たのか、「100」と赤丸オンリーのテスト用紙を持っている。

 ……こいつ、サボってんのに俺より成績良いんだよなぁ。


「おい、鴉里(からすざと)。どーなってんだ?」

「あぁ、青葉テスト終わったんか。

 オモシれーぞ。なんと黒夜に彼女だって。しかも“不純な”(笑」

「おい桃士(とうし)! ちげーっつてんだろ!!」


 俺がそう言うと、同じバスケ部の鴉里 桃士(からすさと とうし)は「そーですかーww」と笑いながら教室から出て行った。


「ったく……おい、赤菜。そこどけ」

「……先輩がどいて下さい」

「俺が下にいるんだっつの」


 普通逆だろ。

 と、


「おい、黒夜今なんつっt「あ、青葉姐(あおばねえ)!」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・。


「……え?」

「青葉姐しさしぶり!」

「“ひさしぶり”な。

 で……どーゆう関係で……?」


 ちらり、と視線を青葉に向けると、


「おい、黒夜。

 てめぇ、赤菜と付き合ってるんだって……?」


 サタンがいました☆


「って、違う違う!! それは勝手にこいつg「こいつぅ? てめえ、おれの赤菜をこ い つだぁ?」

赤菜!! 赤菜が勝手に言っただけで! 付き合っても何でもありません!!!」


 俺の必死の弁解に、つまらなさそうな顔で解散して行くクラスメート達。


「つか、青葉と赤菜の関係を教えていただきたい所存でございますうう!!」


 ……なんで同級生に敬語使ってんだろ俺


「イトコですよ、黒ちゃん先輩。

 my motherと、青葉姐んとこのfatherが兄妹なんです」


 ……って、言う事は


「お前が昨日言ってた従姉妹って……赤菜?」

「おう」


 …………ま じ で か。


「え、でもお前ら全然似てねーじゃん」

「自分、父親似っすもん」

「おれは母親似かな」


「……世界って意外と狭いな」

「何言ってんすか先輩。地球はおっきいですよ」

「意味ちげーよ」


 がやがやとウルサくなってきた教室。

 するとそこに、


「やっぱりあーちゃんだー!!」

「あ、おぅちゃん!!」


 え、な、なに? あ? お?


黄果(おうか)来たのか」

「おはよーさん、青葉姉ー♪

 ちょっとここの教室から聞こえて来る音がうるさいなー思って、盗聴器の故障だったらいややし、ちょろっと見物に来たら金髪が見えたんよー」

「ちょ、今軽く法律違反的なものの名称が聞こえたんだが」

「気の所為やで、今日の二次関数の問3が解けなかった燕 黒夜クン♪」

「こええ! こいつなにモンだよ!?」

「あぁ、自己紹介遅れました。ボクはここの中等部2年生、鷲川 黄果(わしかわ おうか)といいます。以後お見知りおきをー」


 不自然な灰色の髪をサイドテールにし、制服の上に白衣を着込んだ少女はそう言って丁寧な物腰で俺にお辞儀をしてきた。


「…………とりあえず、飯でも食うか?」


     *


 椅子が足りないと言う理由で屋上に来た俺ら4人。

 ……五月半ばじゃ寒かったか、と思いつつ掃除された綺麗なベンチに腰をかけた。


「んで。

 黄果ちゃんと赤菜はどーゆー関係で?」


「「従姉妹です(っす)」」


「えー……と。

 ソレは赤菜の母さんと黄果ちゃんの……」

「父親が兄妹です」


 つまりだ。


「青葉の父親→黄果ちゃんの父親→赤菜の母親。

 ってこと?」

「おう」「ええ」「っす」


 従姉妹の割には返事がバラバラだな。


     *


 キーンコーンカーンコーン……


「お、予鈴がなったぜ」

「帰ろかな。……あ! しもうた、ボク、友達待たせてるんやった!

 ほな帰るな! 先輩もさいなら!!」

「また明日ねー、おぅちゃんー」

「黄果転ぶなよー」


「さて。あ、そーいやおれ雀巣に呼び出されてんだった。ちょっと先行くな」

「おう」「青葉姐じゃーねー」


「……自分らも帰りますかね」

「だな。 …………つか、なんで俺を探してたの?」


 今さらだけど、今日は赤菜が俺を探して来たっつてたよな?


「あー、それはですね」

「おう」


「……続きはWebで」


「お前いってみたかっただけだろ!?」

「嘘。ジョーダンすよ。

 ただ、昨日ちらっと見かけた先輩に霊が取り憑いてただけの話で「それを早く言えぇぇぇ!!!」


 道理で右肩が痛い訳だ!!


「大丈夫ですよ。祓いましたから」

「そ、そうか」

 

 でもなるべく早く言って欲しかった……

 

青葉ちゃんのお父さんは「惚れた」っちゅう理由で鷹山に婿入りしました。


補足ですが、自分に憑いた霊は自分で取れない事も無いですが、取りにくいです。

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