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ゆーれい日記(赤)  作者: 破矢音
日常1
5/11

「く、黒ちゃん先輩いますー?」

「トルクメニスタンです」と同日の放課後です。

ここでは『』が、扉越しの声と3人以上がはもった時として使用してますぜ!

『黒ちゃん先ぱーい』

 放課後、バスケ部が練習を行っている体育館に一人の少女の声が響いた。


「? 誰だ?」


 準備体操を行っていた部員達はお互いに顔を見合わせる。


『黒ちゃん先輩ってばー』


 体育館の扉越しに聞こえて来る、少し高めの声に、

「黒ちゃんって誰だ?」

「名前に“黒”がつく奴なんていたか?」

「いたとしてもアレじゃね? 委員会に出席してていないとか」

「かなぁ?」

「おい、お前の友達にこんな声の奴いたか?」

「いや、いねーな。けど俺の彼女の声に似てr「お前彼女いないだろ」

「じゃあお前か?」

「いや、ちげーな」

「じゃー、先輩っすか?」

「おれじゃねーぞ。でも彼女はいr「嘘をおおきに、鴎崎先輩」鴻! お前生意気だぞ!?」

 などなど、次第に話がそれて「かっこいいのに何故か彼女持ちが少ないバスケ部」の異名を持つバスケ部らしい反応をする。


 やがて、


『………………………………………………ぐすん』


『え……?』


 扉越しに聞こえて来たすすり声。

 バスケ部員の彼女いるいない談が一気に消え、全員が焦り始めた。


「ちょ、ななな泣いちゃった……?」

「ええええ、……(現在進行形で)顔も知らない子を?」

「な、泣かせた?」

「おおお、俺らが……?」

「え、ちょ、……ええぇぇ」

「どどどどーすんのっ?」


「あーあ。鴎崎(かもめざき)先輩が泣かしてもうたー」


 バスケ部中学2年の(おおとり)が呟く。

 と、


「あぁ、鴎崎先輩の所為なんだ……」

「バスケ部の主将なのになにやてんだか……」

「部長には失望したなぁ」

「キャプテンだろー? 信じらんねぇ……」

   ヒソヒソ……

     ヒソヒソ……

       ヒソヒソ……



「…………っだあああぁぁぁぁっぁぁっぁっぁぁ!!!!!

 何なんだお前ら!! 言いたい事あんなら大きい声d『扉の向こう見てこい』はい」


 部員の態度にきれた鴎崎(高校3年)だが、人数に勝てず素直に敗退。キャプテンの名が泣く。

 とぼとぼと、頼りない足取りで扉に向かう彼。


「ったく、誰ですk『もぉいいです、先輩が無視すんならこっちも必殺技を使うまでですぜ!!』え?」


 扉越しにそんな台詞が聞こえたかと思うと、次の瞬間、、、


 すぱんっ!!! 

 どげしッッ!!!

 スタッ 


 説明しよう! 

 すぱん(←体育館の扉が開く音

 どげし(←扉のすぐ側まで来ていた鴎崎に、外にいた子の飛び蹴りがクリーンヒットした音

 スタッ(←飛び蹴りした子が華麗に着地した音


「先輩が素直に開けてくれないからこーゆー事に……………………あれ?」


 かなりアクロバティックな登場をしたのは小柄な金髪少女、鳶谷 赤菜(とびたに あかな)であった。

 彼女は無表情を崩さず、自分が蹴った人を確認し、人違いだと言う事に気づいたようで、


「…………。

 …………。

 く、黒ちゃん先輩いますー?」

『そこでまさかのスルー!?』


 さすがに部員もびっくり。


「黒ちゃん先輩って、誰の事やねん。つかお前誰や」

『(鴻!?)』


 眉根に皺をよせ、かったるそうに赤菜を睨む鴻。

 部長を倒されても動じない2年に少し畏敬の念を抱いた様子の先輩方。


「自分、鳶谷 赤菜。ここの中1っす」

「…………ハッ(笑」

『(鴻ィィ!?)』


 自己紹介をした彼女をあざ笑うかの様に見下す鴻クン。

 しかし当の赤菜はビビってなどいないらしく、


「それよかお前は誰だ!」

「(!)……俺か? 俺はここの2年、鴻 灰(おおとり かい)や。

 それよか、「黒ちゃん先輩」って誰やねん」


 少しは効果があると思っていた睨みがスルーされ、少し驚いた鴻クン。

 ソレもまるで気づかない赤菜は鴻と会話を続ける。


燕 黒夜(つばくら くろや)先輩の事っす」

『……あぁ〜、確かに“黒”だ』


 納得する部員達。


「燕先輩なら今日は委員会で来ないで?」

「ま じ か」

 

 ガビーン、と、ショックそうな声をだし、


「んー……伝えたいことがあったけどいっか……。

 んじゃ、失礼しましたー」

 

 そう言って赤菜は体育館を去っていった。

           

                        鴎崎先輩の体をまたいで。


     *


「なんか、凄い奴だったなー……」

 

 彼女の去った後、副部長の駒鳥は呟いた。


「ほんま、面白そうな奴ですね」

「お前が興味持つなんて珍しいな」

「そうっすか?

 ……まぁ、おもろそうな奴には興味ありますよ。現に、クラスに一人仲いい女子がおるんすよ」

「まじか。めずらしー」


 人と群れる事が嫌いな鴻にも一人が寂しいと思う時があるんだ、と悟った駒鳥君。


「……寂しかったらおれに言えよ」

「…………キモイっすわ(引」


 裏目に出てしまったのでした。






 ところで、なにか忘れてません?


「………………。」


 鴎崎先輩は部活終了間際に目を覚ましました。(by鴻

 



 




 

関西弁krtr!!!

いやちょっとね、寮生活してるって設定なんで、方言とか入れた方がいいのかなって、俺なりの工夫。


今回の目的は赤菜をバスケ部と絡ませる事。

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