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ゆーれい日記(赤)  作者: 破矢音
雨女編
11/11

「雨女を惨殺☆ 〜バイクで引き摺って太平洋に沈めようぜ!〜」

「って事で」

「おう」



「雨女を惨殺☆ 〜バイクで引き摺って太平洋に沈めようぜ!〜

 の始まりっす」


「ごめん、色々と話が急すぎて分からない」


 しかも惨殺て……


「は? なに? 黒夜馬鹿なの?」

「え、黒ちゃん先輩馬鹿なの? 死ぬの?」

「死なねぇよッ!

 つか、アレだろ? 妖怪は学校の生徒にも影響を与えるからやっつけるぞ的な」

「やっつけるとかww」


 赤菜笑うな。

 つか、お前は惨殺とか、ストレートに物を言い過ぎなんだよ……


「で、何時から雨女を惨殺☆ 〜バイクで引き摺ってコンクリに詰めて北極海に沈めようぜ!〜 を決行すんだ?」

「をい。何か雨女の扱いが酷くなったぞ」

「今からっす」

「今からか!?」

「ちょ、俺スルーされたんだが。

 しかも今からかよ。急過ぎね?」


 俺の台詞に、赤菜は小さく首を振った。

 そして窓の外に目をやり、


「今日の方が……いや、なるべく早い方がいいっす。

 被害者がでたら、嫌なんで」


   *


「って事で、雨女を探します!」


「そっから!?」

「うい。だから急いでるんすよ。

 てか、ぶっちゃけていいすか?」

「なんだ?」


「急いで駆逐しないと……

          

       ゴールデンタイムのアニメ見逃す……」


「ぶっちゃけたな!?

 さっきまでカッコいい事言ってたのに!」

「あ、カッコよかったすか? あざーす」


 あざーす、て……

 けど、アニメ一つに一生懸命になるとか……赤菜もまだ子どもだなぁ


「じゃ、雨女探すか」

「うん!」


 そう言って、俺ら三人は校舎を一階から徘徊し始めた。


 放課後の為、教室は部活動で使われていたりしていて、廊下まで話し声が聞こえてきた。


「……そういや、青葉は何部入ってんだ?」

「そういや赤菜。雨女の情報は何処で手に入れたんだ?」

「え、ちょ、青葉!?」


 なんか、俺の存在自体が無視された……?


「ggった」

「Go●gleかよ!」


 情報に信憑性がねぇ!


「ちなみに、自分が見つけたサイトでの情報だと、雨女はカッコいい人の背後に現れやすいらしいっすよ」

「へー……ソレも信じられるのか……」

「さー?

 あ、もしかして今黒ちゃん先輩の後ろにいたりして」

「ねぇだろ。黒夜の顔面偏差値平凡だから」

「何で俺じゃなくて青葉が否定すんだよッ!」

「あ、黒ちゃん先輩涙目」

「べ、別に泣いてなんか……」

「……そうか、じゃぁ、そのお前の目から流れてる液体は汗って事か?」

「そうだ! 汗だ!」

「じゃぁ、黒ちゃん先輩の目から流れてる液体は硫化銅って事っすか?」

「なんでそうなった!?」


 硫化銅て……俺の目、今頃溶けてんじゃねぇか


「あ、じゃぁ青葉姐の後ろにいたり」

「おれ? ははっ、まさか」

【いや、でも鷹山さんカッコいいよ?】

「そうかぁ? ありがとうな」

「うん。青葉姐はカッコいいよ!」

【少なくともそこの男子よりは】

「黒夜と比べんなよー」

「ひでぇ!」

【うふふ】



 ん……?





「「「誰だお前ッッ!!?」」」


【えっ!? わ、私ですかぁ?】

「あんまりにも自然に会話に入ってたからスルーしたけど、誰だおまえ!」

【え、そ、そんな怪しい者じゃないです!】


 赤菜が無表情のまま眉毛をつり上げ、青葉の後ろにいた女子を指差しキッ! と睨む。

 

 一方、赤菜に指差された女子は、おどおどしながら俺らの方を見て来た。

 青味がかった灰色の天然パーマ気味の髪をツインテールにし、知らない学校のセーラ服を着ている。


【わ、私、雨四季 藻(あめしき そう)と言います。

 あ、職業は




         雨女……です】

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