「“ザキ”が霊で“マヒャドデス”が妖怪、ですかね」
事件発生! 何か意味ありげな章が!
しとしと……
六月に入り、雨続きの今日この頃。
教室の掃除をしながら鬱だなぁとか考えてると
「最近雨多いな」
「あ、青葉」
急に声をかけられた。相手はクラスメートの鷹山 青葉。今日もお耳のピアスが眩しいですね。
「しっかしこうも雨が多いとな」
「あぁ、気分が沈むよな」
「いや、別にそーゆー事じゃなくて」
「? じゃあなんだよ」
「なんだよって、決まってんじゃねぇか」
「?」
「制服が濡れんだろ」
「案外普通の理由だった!!」
もっと不良っぽい理由かと思ってた!
「しかも皺がついてアイロンめんでぇし」
家庭的だなおい!
「燕くん、箒終わった?」
「あ、すまん、まだだ!」
「もう、早くしてね」
「すまん」
「燕くん、もう彼女できた?」
「あ、すまん、まだだ」
「もう、一生無理だからねww」
「すま…………」
…………。
「おっはー、黒ちゃん先輩」
「おい、赤菜いm」
「うい。先輩のコンプレックス思いっきりつきましたよ」
「せめて全部言わせて!?」
「ところで先輩」
「そこでスルースキル発動っすか!?」
「お、赤菜じゃねぇか」
「あ、青葉姐だ」
「…………(泣」
「「あ、泣いた」」
なんで俺こんなに扱いがひどいんだろう……
「なんでって、先輩だからっすよ」
「“先輩”って単語が全く仕事してねぇ! そして心を読まれた!?」
「自分、エクソシスト目指してるんすよ」
「俺の台詞と全く関係ねぇ答えキタ!」
何かもう本当に泣きそうなんだが。
「で、どうかしたのか? なんか困った事があt…………まさかアレか!? こ、告白でもされたのか!? ちくしょ、おれの赤菜に手ぇ出しやがって……! よし、名前教えろ。フルボッコにしてからバイクで引きずってコンクリに詰めて東シナ海に沈めてやる」「こえぇぇぇぇえええ!! 青葉怖いって!」
「雀巣っていうんだけど……」
「こら!」
「あのロリコン教師……!!」
「お前ものるな!!」
*
ところ変わって視聴覚室。人目につかないところで話したいと言った赤菜に、青葉が提案したきょうしつである。
その視聴覚室は現在俺と赤菜、そして青葉の三人が占領している。
「で」
「で」
「うい。自分、エクソシスト目指してるんすよ」
「もうそれはいいから本題入れ」
「コレが本題なんです」
「帰っていいか?」
「おい、黒夜お前なに(おれの)赤菜の助け無視しようとしてんだよ」
()のなかの言葉が非常に気になるんだが。
「沈めるぞこら」
「サーセン」
怖い。何か青葉が妙に怖い。まじで沈められそうだ。
「話、続けていいっすか?」
「どうぞ」
「何で青葉が受け答えしてんだよ……」
「……すいません先輩、ちょっとふざけすぎました」
「お、おう」
「けど、エクソシストって言うのは間違って無いんすよ」
いきなり無表情の中に真剣な表情をともす赤菜。俺も自然と姿勢をただしてしまう。
「雨女」
「「え?」」
唐突にそう言った赤菜に、俺と青葉はそんな疑問音がでた。
「あ、雨?」
「最近、雨が多いじゃないっすか」
「おう」
「だから、雨女っす」
つまり
「この雨続きはその雨女の所為、ってか?」
「うぃ」
「……なぁ、雨女って妖怪なんじゃないか?」
そう言ったのは俺の横に座っていた青葉。
そ、そういやこいつ俺らが見える事……
「妖怪って、いるのか?」
「いるよ」
「ちょ、待て。
青葉、霊がいるのは?」
「知ってる。赤菜が言ってたからな。お前も見えんだろ? 霊」
「お、おう。でも……お前、信じてくれんのか?」
「? なにいってんだ。
当たり前じゃねぇか。
そいつが『見える』って言うんだから、おれは信じるしかねぇだろ? 疑う理由がねぇ」
「……おう」
「で、妖怪の話に戻っていいっすか?」
「「どぞ」」
「まず、妖怪って言うのは人の具体的な“恐れ”の対称なんすよ。
つまり、霊って言うのは『どんな格好だけど何と無く怖い』って感じすよね。
けど妖怪は『姿を理解されて』怖がれてるんです」
「その違いは分かるが、その結果は何かちがうのか?」
「うい。妖怪は一般の人にも見えます。霊は見えません。
したがって、危害のくわえ方も物理的なものになるんすよ。
分かりやすく言うと、ドラ●エで言うところの“ザキ”が霊で“マヒャドデス”が妖怪、ですかね」
「何でドラク●!?」
「ポケ●ンの方がよかったっすか?」
「そーゆー問題じゃねぇよ」
「おれはモン●ンの方がいい」
「お前はまたのるな!!」
どうしよう、話が全く進まない。
* * *
混ぜるな危険の二人→赤菜&青葉
キリ悪くてさーせん。