会いたくて震度1
「ふぅ、今日もお仕事お疲れ様私っと。コンビニでビールでも買ってこようかな。」
今日は金曜日。明日は休みということで機嫌のいい恵美はルンルン気分で家から近い、人通りの少ないコンビニへと向かっていた。
この近辺は住宅街しかなく、電灯も少ないため、お化けがでそうな、不気味な雰囲気がある。
さらに暗闇の広がる角をまがったその時、3人の男が突然不気味な笑みを浮かべながら突然恵美を囲った。
「うへへへ。かわいいおねえちゃんみーつけた♪」
だぼだぼのパーカーをきている中央の男が話しかけてきた。スキンヘッドで歯並びの悪い、いわゆるヤンキーだ。背が高く、暗闇でみるそれは、威圧感の塊でしかなかった。
震える声で恵美は言った。
「な、なんですか、私 (ビールのみたくて)急いでるんで、どいてください!」
「おねえさん、ちょっと静かにしててくれる?ほんの少しでいいからさぁ。ウヒヒ。」
恵美の声はむなしく宙へ散り、ヌッと、中央の男はナイフを取り出した。
「ひっ、お願い、やめて・・・」
「俺だって人は殺したくないよぉ、おねえさんが抵抗せずに静かにしててくれればいいんだよ~。」
そういいながら、恵美のふとももに触れてきた。生温かいザラザラとした手の感触が足に伝い、悪寒がした。
やばい、ヤられる!誰か助けて・・・そう思った時だった。
「そいやっ!」
突然ナイフを持った男がおうふっ、といいながら倒れた。その後ろに、倒してくれたのであろう一人の男が立っているのが見える。向かい風をバサバサと浴びながらこちらを見つめてくる。ドヤ顔してるのは気のせいだ。
「な、兄貴になにするんだ!!!この野郎!」
そういってスタンガンと鉄パイプでドヤ顔男に襲いかかった。
しかし、川を泳ぐ魚のように攻撃をかわし、手刀を痴漢者達にうちこんだ。
「ぐはっ」
「ぎゃあああああ」
スプラアアアアアアッシュ!!!!プッシャーーーwwwwどうしよう、カッコいい!!これが恋なの?
恵美はその美貌から男は腐るほどよってきたが、魅力を感じるやつはいなかった。初めて自分をドキドキさせる男性に出会った恵美は動揺をかくせなかった。私、恵美は23歳にして初めて間違いなくフォーリンラブしました。
男がよってくる。
かっこいい。なんと顔もカッコいい。あれだあれ、V6の岡田君に似てる。てかもう岡田君じゃね?本人だろ。
髪をかき上げ、颯爽と男は歩み寄った。すごいクネクネうごいてる。
「大丈夫だったでござるか?いやああぶないところだったですなwwwあやうく食べられてしまうところですた、しかし僕が来たからにはもう大丈夫ですおww」
恵美は耳を疑った。
ここ現実だよね。ネットじゃないよね。
しかし、一度落ちてしまった恋は拾えなかった。
まあイケメンだしイケメンだしイケメンだし。
「大丈夫です、ありがとうございました!よかったらお礼がしたいので住所とアドレス教えて頂けますか?」
「うはwwwwwwテラ電車男wwwナイス展開めくりめく夢物語ひろがりんぐwwwwもちろんおkでしゅwwwむしろwwwむしろ、むしろこちらから教えたいwwwフヒヒwwwサーセンww」
こうして私たちの生活がはじまった。