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Epilogue | 記す者の祝福
世界が静かに再生を始める。
ロロが紡いだ物語は、新たな“現実”とゆっくり溶け合いながら、ひとつの新しい世界線を描いていた。
忘却と再生を経たロロは、もう迷わない。
どんなに脆くても、不確かでも――書くことをやめない。
彼が“書く”という行為そのものが、この世界の輪郭を形づくり、色を与え、時間を流し始める。
まるで言葉が空を染め、感情が風を呼ぶように。
灯した数々の物語は、今も誰かの心を照らし続けている。
それは紙の上だけではなく、人々の記憶の奥深く、ふとした瞬間に蘇る――やさしい灯火だ。
教室の机の隅。放課後の夕焼け。忘れられたノートの隙間。
どこかでふと感じる“何か大切なもの”の正体。
それこそが、彼の物語だった。
ロロが選んだのは、“創り続ける”という決意。
たとえ終わりのない旅だとしても、それは悲しみではない。
物語は、続くからこそ、美しいのだ。
“記す者”としての宿命――それは、孤独と隣り合わせでもある。
けれど彼は知っている。
その灯が、誰かの夜を、そっと照らしていることを。
世界は、再び深く呼吸を始めていた。
そしてその中心には、ロロが書いた“希望”が、確かに存在していた。




