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ヘッドホン・エスケープ  作者: リル
Epilogue Extra Split
43/45

Epilogue | 記す者の祝福

世界が静かに再生を始める。

ロロが紡いだ物語は、新たな“現実”とゆっくり溶け合いながら、ひとつの新しい世界線を描いていた。


忘却と再生を経たロロは、もう迷わない。

どんなに脆くても、不確かでも――書くことをやめない。


彼が“書く”という行為そのものが、この世界の輪郭を形づくり、色を与え、時間を流し始める。

まるで言葉が空を染め、感情が風を呼ぶように。


灯した数々の物語は、今も誰かの心を照らし続けている。

それは紙の上だけではなく、人々の記憶の奥深く、ふとした瞬間に蘇る――やさしい灯火だ。


教室の机の隅。放課後の夕焼け。忘れられたノートの隙間。

どこかでふと感じる“何か大切なもの”の正体。

それこそが、彼の物語だった。


ロロが選んだのは、“創り続ける”という決意。

たとえ終わりのない旅だとしても、それは悲しみではない。

物語は、続くからこそ、美しいのだ。


“記す者”としての宿命――それは、孤独と隣り合わせでもある。

けれど彼は知っている。

その灯が、誰かの夜を、そっと照らしていることを。


世界は、再び深く呼吸を始めていた。

そしてその中心には、ロロが書いた“希望”が、確かに存在していた。

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