【第一部完】第七十話 次なる戦いへ
◇◇◇◇
あれから一ヵ月。
地下から、ときおり魔物が湧き出ることはある。そのため、パトロールは今も欠かせない。
ギルドの仕事は、戦闘から復興へと移っていた。がれきを取り除き、土地を整備する。そこには少しずつ、新しい建物が立ち並び始めている。
ダイキ、アスカ、ジャネットは治安維持――言うなれば、警察のような役回りだ。
ユキは、昔の技術を調べ上げ、どうすれば街をより早く復興できるか、日夜研究に没頭している。
モモカは療養施設で人々を支え、マキオは、黙々と復興現場の力仕事をこなしていた。
品川、エルトーロのメンバーも、同様に復興作業に追われて、チームとしての活動は減っていく。
そんな中、ギルドの仕事は多岐にわたり――リョウコとハヤブサは、その整理に追われていた。
スフィーダは実質解散状態だが……ギルチャを通して、仲間たちの繋がりは続いている。
ピロン!
そんな、ある日のこと。ギルチャに一斉通知が入った。
――――
東京ギルド全体演習
日時 15日10時
場所 板山台操車場
みんな、来てねっ!
――――
そう、次の戦いに備えて――
これまで培ってきたスキル、連携などの感覚を忘れないように、月に一度、東京ギルドのパーティが集まり、模擬戦形式の合同演習が行われる事になった!
◇◇◇◇
「じゃーん!」
「うわあああっ! リリーちゃん! 会いたかった〜」
「ダイキ! 元気か!?」
「ダイキさん! ハヤブサさん! お久しぶりです!」
仲間が再び集まり……適当に戦闘訓練を終わらせる!
そして、夜――
全員、板山ギルドの酒場に集い、杯を重ねる。こっちが目的だった!?
「クウン! クウン! クウン!」
アオちゃんも、女性陣と一緒に大盛り上がり。ひょっとして、メスなのかな……
アスカとユキは、リリーに質問攻め!
「サダトラとは、うまくいってるの!?」
「今度はチャルーされてないよね!」※
※チャットスルーの略。既読スルーのこと。
リリーは照れながら答える。
「そうね……いちおう返事はくれるけど……」
「……けど?」
「イマイチ、何が言いたいのかわかんないの」
「ええーっ! ちょっと貸してよ」
「ああっ! 待ってえっ!」
ユキがリリーのスマホを奪い取って、トーク画面を開く。
――――
リリーとサダトラのトーク画面
――――
リリー、おはよう!(※サダトラ)
おは(※リリー)
ええと、次の休日なんだけど……何も予定がなくて、ちょっとヒマだったりして(^^)……もしかしてリリーも……ヒマだったりしないかな……もしそうだったら、一緒に遊んだら楽しいかも( ・∇・)ナンチャッテ
え??
ゴメンゴメン!休みの日、色々予定あるよね( ;∀;)あ、最近できた、牛丼が美味しいお店があって……もし……おなか減ってたら、一緒にいけたらナ(*´꒳`*)なんてね!でも忙しいよね( ;∀;)
ん??
――――
「…………」
スマホの画面を見て固まるアスカとユキ。
「これは……おやぎる構文ね……」※
「ていうか、付き合ってんだから、普通に誘えよっ!」
※おやじギルチャ構文の略。おじさん構文――下心を隠そうとして全然隠れてない文章のこと。
ユキがふと、反対側のテーブルにいるサダトラに目を向けると……リュウガがサダトラのスマホを指さしながら、ひたすら何か語ってる!
「原因はあれね……」
「素直すぎる……サダトラ……」
わいわい
俺たちもハヤブサ、マキオ、それから品川の面々とひとしきり盛り上がり……楽しい夜は更けていく。
そして、宴も終盤に差し掛かり……リョウコの挨拶で締める。
「東京ギルドの皆さん! 大変な思いさせて……ごめんなさいね!」
ぺこりと軽く頭を下げる。
「おかげで、黒召喚士は去り、東京の街に日常がもどってきました。これは、ここにいる全員の力で成し遂げた、とても、とても大きな成果」
「私は、皆さんを、めっちゃ誇りに思います! みんな、本当にありがとう!」
さらに深く、頭を下げる。
パチパチパチパチ!
大きな拍手が湧き上がる。
その中で、リョウコは顔を上げ、毅然と前を見据えた。
「黒召喚士、そしてルシフェル王との戦いはまだ終わってません。これからも厳しい試練が待ってるでしょう」
そして、拳を握りしめ、声を張る。
「……でも、私たちは最強のパーティ! 出来ないコトなんて、何もない! 力をひとつに……そして、ルシフェル王を……」
「ぶっ殺すわよ!!」
「おおおおおっ!」
「うわあああっ!」
歓声と拍手が入り混じり、ギルドを包み込む。
それは、最高の結果と、新たな決意!
――第一部 ルキア編 完
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第一部完結までお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました!
第二部以降もラフなプロットはありますが、第一部よりも面白くなる、という目処が立つまでお休みします。
まだの方は是非、評価ポイント(★)ブクマ、コメントお願いします!
もしリアクションが多ければ、第二部を早めに書くかもしれません。これからも、宜しくお願い致します。
さくらまりお m(_ _)m




