第五九話 ラストシティ
◇◇◇◇
サダトラの看病は、いったんリリーに任せて、俺たちはルキアを追う。
まずは周囲を見回す。
ラストドラゴンが果てた場所には、いくつかのアイテムが転がっていた。戦いの余韻がまだ残る砂地を踏みしめながら、そそくさと回収する。
アスカが、ふと首をかしげる。
「……ルキアは、ドコにいるの?」
俺は、なんとなく察しがついていた。
「ここは……最果ての地。しかし、"最果ての地の、さらに最果て"がある!」
「……え??」
目的地は、この奈落を超えて……千ブロック以上離れた所のどこかにある。行く方法はいくつかあるが、一番早いのは……
俺は浮島の中央、台座のそばで羽を休めている、アオに視線を向けて――みんなに呼びかける。
「行こう、ルキアが潜む……ラスト・シティへ」
右足の痛みもだいぶ引いて、なんとか歩けるようになった。そして、全員でアオの元に向かう。
ハヤブサが、その巨体を見上げて感嘆の声を漏らす。
「……近くでみると、ほんとにデカいな……」
鮮やかなブルーの、堂々とした体躯。愛嬌振りまくスモールドラゴンとは打って変わり……その姿は、どこまでも凛々しい。
しかし、抜群に気が利くのは、変わらない!
状況を察したアオは、ぺたんと体を低くして、乗り易い姿勢を取ってくれた。
皆で背中によじ登り、体勢を整える。
「飛べ!アオ――奈落の果てへ!」
バサ……バサ……バサ……
ふわり
巨大な羽がゆっくりと空を叩く。
柔らかな、心地よい振動とともに、ブルードラゴンが上昇。漆黒の闇へと、首先を向ける。
中央の大きな浮島を離れると――
上下左右、どこを見ても闇。何もない、ただの空間。松明の淡い光だけが、アオの背をぼんやりと照らしている。
目印になるものは、何一つない。
不安そうに、アスカが声を上げる。
「……この方向で、合ってるの?」
「方向は、どっちでもいいんだよ」
「……ええっ!」
そう、ラストシティは、千ブロック離れた先のどこかにランダムで生成される。すぐに見つかるはずだ。
前方をぼんやり眺めていたユキが、声を上げる。
「……あっ! 何か見える!」
闇の奥から、ぼんやりと輪郭が浮かび上がる。やがて、それは形を成し――大小さまざまな浮島の群れが、空間いっぱいに広がっているのが分かった。
そこに辿り着くと……俺はアオに旋回するよう頼んで、目を凝らして周囲を眺める。
すると……浮島にそびえ立つ紫色の巨大な塔と、その真横に浮かぶ船のような構造物が目に入る。
「見つけた!……アオ、そこの浮島に降りてくれ!」
バサ、バサ、バサ
ゆっくりと高度を落とし、塔のそばの砂地へ着地する。そして、アオの背中から降り立ち、塔へと向かって歩く。
塔の周囲には、シェルカーと呼ばれる不思議な生き物が住んでいた。1ブロックの小さな、真四角の箱のような生き物。襲ってくる者もいるが、弓と剣で難なく倒して――アイテムを回収する。
そして、塔の入口へ。
中に足を踏み入れると、らせん階段が、上へ、上へと果てしなく続いていた。皆何かしらのケガを負ってるので、支え合いながらゆっくりと登っていく。
全ての冒険者が目指す場所。
この先に……ルキアがいるはず!
いよいよ、ルキアの元へ!
ポイントがなかなか伸びません( ;∀;)
評価(★)、ブクマ、まだの方、ぜひぜひお願いします!




