第五三話 いざ決戦へ
◇◇◇◇
そして、一週間ほどの時が過ぎた。
ついに、対ルキア最終決戦の幕が上がる!
メンバーは前回と同じ、総勢六名。俺は出発前に、頭の中で全員のコンディションを最終チェックする。
ダイキ:レトロゲーム好き
ハヤブサ:物理スキル、剣豪
サダトラ:リリーのコトが好きっぽい
アスカ:光スキル、巨乳
ユキ:貧乳……最近、ちょっと大きくなった?
リリー:カレシはクズ男、巨乳
アオ:めちゃ気が利くドラゴン
――うん。
打倒ルキアに向けた、文句なしの最強パーティだ。なんか、負ける気がしないぞ!
早朝の品川ギルドは、見送りの面々で大賑わい!
「ダイキ!頼んだぞ!」
リュウガとガッチリ握手を交わす。
「頑張ってっ!(マリリンのために)」
マキオの私情たっぷりなエールが飛ぶ。
「頑張って……!無理しないでねっ」
「危ない時は、すぐ戻ってよ!」
「もしケガしたら……回復は任せて!」
キリカ、エミリア、ジャネット、モモカ……
女性陣が次々と声をかけてくる。
むにゅっ!
むにゅうっ!
女性陣はアスカたちを、次々と抱きしめて見送る。この世界線の女子は――スキンシップ多めで、なんか尊いな!
そして、ゲートウェイ前で――
「レトロゲームスキル、マインクラフツ!」
世界一売れたゲーム。
最終決戦の舞台として、これ以上ふさわしいスキルはない!
俺たちは拠点のチェストから装備を取り出し、いくつかの武具には、念入りに追加エンチャントを施す。
「よし、出発だ!」
いざ、ルキアの待つ洞窟ダンジョンへ!
◇◇◇◇
ザッ、ザッ、ザッ
俺たちは危なげなく地下深くへと進み、やがて地下アリーナに到達する。
「ここで一旦休憩だな」
ベッドを設置し、横になる。
万全を期して、この地点をリスポーン(復活)ポイントに設定。
そして――
アリーナ最奥の横穴から、さらに下へと降りていくと……
突き当たりに現れたのは、拍子抜けするほど小さな部屋だった。アリーナのような大仕掛けを警戒していたメンバーは、一様に意外な表情を見せる。
部屋の中央には、テーブルほどの大きさで、正方形の形をした小さなプールのようなものが置かれていた。その中は煮えたぎる溶岩で満たされ……その周囲には、中央が窪んだ奇妙な形の石がぐるりと並んでいる。
ハヤブサが身を乗り出す。
「……これは?」
「……ラストポータルだ!」
「……!?」
昔、夢中で遊んだ記憶が蘇る。
「ルキアの魔力は尽きかけてる。新しい魔物は召喚できない。だから――スキル内の敵を、利用するつもりだ」
……魔力がこもったアイテムなら、エンチャントテーブルの時と同様に……代用できるはず!
俺はグラディオスのカプセルをくぼみにはめ込んでいく。
シュウウウウ……ッ!
プール内の溶岩が光に包まれ……
溶岩が消え失せ、かわりに――ぽっかりと、宇宙空間の入り口のような……漆黒の口が現れる!
「な……なんだ!?」
「夜空……?」
「吸い込まれそう……この先にルキアが?」
俺は確信を持って皆に告げる。
「そうだ。この先は……ザ・ラスト!!」
「……!」
「このスキル……最果ての地。そこに、ルキアがいる」
ハヤブサがゴクリと喉を鳴らす。
「……この中に入るのか?」
「……そうだ……」
アスカが一歩前に出て、声を張る。
「行こうよ!私は……ルキアを……倒す!」
俺はその声を制する。
「その前に聞いてくれ。この先には、最強の敵"ラスト・ドラゴン"がいる。おそらく、ルキアはそれを操るはずだ」
「強いのか?」
「強いのはもちろんだが……一つ伝えないといけない事がある」
「……?」
皆、息を呑んで次の言葉を待つ。
俺は深呼吸をして、声を張った。
「いったん、ここに入ると……出られるのは、ドラゴンを倒した時か……死んだ時だけだ」
「……!」
その冷酷な事実に、全員が言葉を失う。
「一応、"スキル内の出来事"であれば、死んでもこのベッドまで戻れる。しかし――"ルキアが起こした出来事"だったら……それは本当の死だ」
「どういう事だ?」
「つまり――"ルキアが操る敵"にやられると――それは死を意味する!」
そこには命がけの死闘が、ぱかりと漆黒の口を開けて、俺たちを待ち受けている。
俺はハヤブサを見る。
「……俺とハヤブサの二人で行くつもりだ」
彼は、何も言わずにうなずいた。
あらかじめ、話を付けていたのだ。
――もし、最後が……ザ・ラストだったら……二人で行こうと。
いよいよ最終決戦!
ポイント(★)、コメント、ブクマなどお願いします!




