第四五話 異世界スローライフ?
全員で地底を進むと……
ガアァァ……
暗がりから、ゾンビ達がワラワラと湧き出てきた!俺はアイテムから、木の剣を取り出して応戦!
「こんにゃろ!」
ガスガスガス!
グオ……オオ
木の剣だとなかなか倒せないが……しつこく剣を叩きつけて迫り来るゾンビを倒す。
しかしその頃——
「いったあ!」
「いた!いた!いたっ!」
「きゃああっ!」
「……ええっ!」
周りを見渡すと……仲間が次々と力尽きて倒れていく!
……残ったのは……俺ひとり。
「……いったい、何が??」
……その時。
「……つっ!」
背中に鋭い痛み。
体の力がどんどん抜けていく。
ヒュッ……ヒュッ……
振り返ると……
矢が次々と飛んで来る!
「くそっ!どこから……!」
岩影からチラリと、矢を構えたスケルトンの姿が見えた。
「あいつか!」
はるか遠く、岩影から矢を打ちまくるスケルトンに――パーティは次々と倒れる!このゲームは、敵が強い、というより……何が起きたのかわからないまま死ぬコトが多い!
……とにかくアイツを倒さないと!
俺はダッシュで岩影めがけて突っ込むが——
「いて!いてててっ!」
近づけば近づくほど、格好の的になってしまう!体中に突き刺さる矢。
「マジかよ……こんな雑魚に……」
ついに俺も力尽きて……パーティ全滅!
激しい痛みと共に体が光に包まれ……
レトロゲームスキル解除!
ズザアアッ!
気づくと、地下洞窟の入り口に全員まとめて放り出されていた。
「いてててて……」
ハヤブサが体を起こし、額を押さえながら言う。
「いったい、何があったんだ?」
「スケルトンだ。岩影から矢をぶっ放してた!」
「全然わかんなかったぞ!」
そもそも……地下深くに潜るには……装備が不足している!今度はしっかり準備しよう!
今日は、全員ワールドに入れるコトがわかっただけで十分だ。
「いったん地上に出よう。そこで装備を整える!」
「おうっ!」
ザ、ザ、ザ、ザ、……
「……! ええっ、ココ品川なの!?」
ゲートウェイから地上に出ると……見渡す限り、一面に草原が広がる。
高層ビルがあった場所は……切り立った岩山になっている。広がるのは牧歌的な光景。このゲームは、バイオームと呼ばれる地形で成り立っていて……出口周辺はどうやら"草原バイオーム"になってるようだ。
ルキアの魔力も届かないので、完全にゲームスキルの光景が広がっているのだろう。とにかく、穏やかな地形の草原は、拠点にするにはピッタリ。ここで装備を整える!
俺はみんなを集めて、作業の説明をする。
●まずみんなで木を伐採 → 木材ゲット
●木材から作業台作成 → なんでも作れる!
そして、ざっくりと役割分担。
●俺&ハヤブサ&サダトラ:洞窟で鉄鉱石集め
●アスカ&ユキ:食料調達(農耕、牧畜)
●リリー:ゲートウェイ前に“豆腐ハウス”※建築
※豆腐みたいに真四角のシンプルなおうち
このゲームは、なんでもできるが……その分、やる事がめちゃ多い!
ポコ、ポコ、ポコ
リリーはブロックを積み上げる音を心地よく響かせながら、拠点となる豆腐ハウスを作る。
その裏手では、アスカとユキが食料調達。
・水辺に畑を作る
・小麦を作る
・木の柵で囲って牧場を作る
・小麦をエサに羊と牛を飼う
・羊から羊肉と、羽毛をゲット
・牛からお肉をゲット
……めちゃ大変……!
かと思いきや――
メェメェメェ!
モォォ~ン
「ちょ、何かちっちゃいの産まれた……」
「うわ! めっちゃ増えてる!」
「ああ! 逃げたっ!……そこ囲んでーっ!」
気づけば、柵の中には羊・牛・豚がギュウギュウ詰め。
「ほらほら、エサあるよ〜っ!」
メエメエ! ブブゥ! モウゥッ!
エサを振りかざすと、一斉に群がってくる!最初はすんごくカワイイんだけど……そのうち面倒くさくなっちゃうのよね……。
みんな夢中になってる――
さすが、世界で一番売れたゲーム!
俺とハヤブサ、サダトラは、近場の洞窟に潜って、鉄鉱石を大量にゲット。さすがに鉄よりレアな素材を探す時間はないが……何とかなるだろう!
豆腐ハウスに戻って、かまどを作り――鉄の剣やら鎧やら作りまくってチェストに放り込む。そうそう、スケルトンの矢対策に、盾も!
アスカ、ユキ、リリーの女性陣も、体力回復に必須のお肉や羊毛、たいまつ――冒険の必需品をチェストに追加。
最後に羊毛から人数分のベッドを作り――豆腐ハウスに並べて、ゴロンと横になる。ベッドに寝ると、そこがゲーム終了後の再スタート地点になるのだ。地味だけど重要なアイテム!
次からは、スキル発動時にはここからスタートできるはずだ!
あっという間に日が暮れて……
周囲に闇が迫る。
このままベッドで寝てもいいのだが……スキルは使ってるだけで魔力を消費する。今日はいったん、ワールドを出て全員、ぎるぎる荘へ戻る。
◇◇◇◇
日はとっぷり暮れて、長い一日を終えた俺たちは品川ギルドに帰還する。
グワッ!……グワッ!……グワッ!
すると――ぎるぎる荘の玄関前で、スモールドラゴンのアオちゃんがけたたましく吠えている!
「アオちゃん!落ち着いて〜!」
「バナナ!バナナよっ!」
アスカとユキが必死になだめるが……
クアッ!クアッ!
ユキがアスカの耳元で、ぼそりとつぶやく。
「なんか機嫌悪いわね……」
「……うーん……置いてったから、怒ってるのかな……」
「明日は一緒に連れてこうよ!」
「えええっ!」
「何とかなるよ!きっと」
◇◇◇◇
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