第二九話 ゲートウェイ見学
まばゆい光がスッと引き、気付けば俺たちの体は元のサイズに戻っていた。
「うう〜ん」
「……くうっ……!」
倒れていたギルドの冒険者たちも、ようやく毒が抜けてふらふらと起き上がる。
「……ゴホッ、ゴホ……奴らは……どうなった……?」
ハヤブサが咳き込みながらつぶやく。
「もう大丈夫だ。キラービーと、その女王も倒したぞ」
アスカが肩をすくめる。
「もう、めっちゃ気持ち悪かったんだから〜」
「おお……よくやった!」
「お姉ちゃん、スゴイ!」
重かった空気がふわっとゆるみ……やっと皆の表情に明るさが戻る。
ゴーレムとかオークの方が気持ち悪い気もするが……小さい魔物はまた別のいやらしさがあるな……
キリカが気を取り直して、呼びかける。
「休憩したら、出発しましょう。あと一ヶ所で終わりよ!」
最後の目的地、ゲートウェイはリュウガが守っているが……ルキアが退いている事もあり、そこまで深刻な状況ではないようだ。
アスカがバックパックをゴソゴソして……
「バナナ持ってきたわよ〜」
「うわああ!」
甘い香りに、みんなの顔がほころぶ。
そして皆でもぐもぐした後、出発する。
……バナナのおかげで、キラービーの毒はすっかり抜けたようだ!
◇◇◇◇
そして、ギルドのパーティは南側の品川ゲートウェイに到着。
そこでは、リュウガと、十数人ほどのメンバーが陣取っていた。掃討を終えた後のようで、魔物の姿はなく、皆がれきに腰かけて談笑している。
「おお、よく来たな!ここが最前線だ。今日はなんとか片付けたが……」
荒涼とした広場の最南端に、地下へと伸びるトンネルの口が姿を現し――錆びた四本の線路が、その奥へと続いていく。
幅も高さも、地下鉄の出口にしては異常なほど広い。俺は呆然とつぶやいた。
「……広すぎないか……?」
リュウガが指さしながら解説する。
「ああ。地下鉄の出口とは思えん高さだ。ルキアが改造したんだろう。つまり……最大でこの幅、この高さの魔物を召喚できる、という事だ」
「それで、あんな巨大なベアーやゴーレムが出るようになったのか……」
確かに、普通の地下鉄出口なら、トンネルは車両の高さだけあれば十分なはずだ。ルキアたちが侵略の準備を着々と進めてる事実に、背筋が震える。
リュウガが声を張る。
「周りの魔物は掃討した。最後に結界を張るぞ」
「……結界?」
「ああ、防御魔法で入り口をふさぐ。完璧じゃないが、雑魚なら足止めできる。……たしか、モモカ、マキオ、ユキだったかな? 手伝って欲しい」
「わかりました!」
「頑張るっす!」
「オッケー!」
防御魔法の使い手たちは、品川ギルドのメンバー数人と、横一列に並んで地下出口に向き合う。
リュウガが列の後ろから指示を出す。
「全員、位置についてくれ!」
「防御魔法を、地下出口の壁めがけて同時に発動するの。タイミング、合わせてね!」
エルトーロの防御担当、エミリアが説明を加えてくれた。
リュウガが左手を高く掲げる。
全員の表情に緊張が走る。
「よし、いくぞ……"リンク!!"」
号令と同時に、詠唱の声がいっせいに重なる。
「ウォール!」
「ロック!」
「バリア!」
「フィールド!」
バリリ……バリバリ……!
空気が低くうなり、光が幾重にも折り重なる。入り口全体を包み込むように、半透明の膜がゆっくりと広がった。
ギルドメンバーの力を合わせた、壮大な光景。最後にようやく、ツアーっぽいすごいの見られた……!
そして、全員で品川ギルドへ戻る。
盛りだくさんすぎるツアー、いよいよ終盤だ。
◇◇◇◇
わいわい、ガヤガヤ
ギルドで品川のメンバーたちと一通り挨拶を交わしたあと、ぎるぎる荘に戻って、宿泊メンバーは賑やかに夕食を囲む。
そういえば、このあとビンゴ大会、って書いてたな……
よくわかんないけど、ちょっと楽しみ!
長い一日、お疲れ様!
あ、ついでにスキとかブクマとかお願いします。




