第二三話 板山ギルドの修学旅行?
翌日から、ルキアとの対決に向けた準備が慌ただしく始まった。
昼、開店前の酒場にて……
アカネが品川へ移動するメンバーを集合させる。
そして全員に、小さな冊子を配る。
「品川ギルド 旅のしおり」
……これ、昔学校で見たやつだ。
でもわかりやすい!
《集合場所》
板山ギルド前 10日午前8時
《目的地》
品川ギルド
《宿舎》
品川ギルド ぎるぎる荘
《注意事項》
▪️旅の途中で魔物に出会ったら、ぶっ殺すこと
▪️魔力を使い過ぎないように
▪️道に迷ってはぐれたら、ギルチャで連絡
▪️おやつは三つまで
「……さすがに、前世の学校とは何か違うな」
ざわざわ
アスカたちは積極的に質問!
「アカネさん!バナナはおやつに入りますか?」
「バナナは、一本で一個のカウントよ!」
「ええ〜っ、ひとふさで一個、じゃないの!?」
「んなわけないでしょ!」
「みかんとキウイ、アボカドとかは?」
「アボカドはおかず扱いで、ノーカンよ!みかん、キウイはおやつ」
(けっこう細かいな……)
若手メンバーは妙に盛り上がる。
修学旅行じゃないんだけど……!
でも、深刻になるより、これくらいリラックスしてる方がいいかな。
(……ぎるぎる荘?)
品川ギルド、宿舎とか持ってるのか。なんかスゲエ。俺もちょびっとワクワクしてきた!
◇◇◇◇
出発日の朝。
ギルド前に集まったのは、スフィーダのメンバーとダイキ、アスカ、ユキ。
酒場のキリカも世話役として同行し、総勢八名。
リョウコとアカネが見送る。
「全員、必ず無事で戻ってくる事!私の願いはそれだけよ!」
「はい!」
「がんばります!」
「任せろっ!」
てくてくてく……
板山から品川に向けて、二列にきちんと並んで歩いて行く。こういうとこはみんなマジメだな……
「みんなー、ここで休憩するよっ!」
キリカが、アカネの後を継いで進行役を務める。
もぐもぐ、もぐもぐ
がれきの上にシートをしき、ちょこんと座ってギルドで用意してくれた弁当を頬張る。
なんかマジで修学旅行みたいだな……!
周りには相変わらず退廃的な風景が広がる。目の前には、朽ち果てた巨大なビル群。場所的には、新宿あたりかな……
そして、廃墟のような建物の合間を縫って、比較的新しい小さな家やマンションが並ぶ。聖戦で世界は破壊し尽くされた――と書いてあったが……
それでも、そこから力強く立ち直ろうとする、人々の息吹が感じられる。
この世界を、再び荒廃させてはならない!
俺に課せられた重大な使命に、身が震える。
そんな時、突然モモカの叫び声が響き渡った。
「キリカさんっ!」
「どうしたの!?」
「アスカちゃんが、バナナひとふさ持ってきてるわよーっ!」
「……!」
んぐんぐ
(バレた!)
「んぐ……食べないと、んぐんぐ、元気出ないのよ〜」
「ちょっとお!私にも分けてよ!」
「私にもっ!」
もぐもぐ
女性陣、みな仲良く食後にバナナをもぐもぐ。
ズズ……
男性陣は、静かに水筒のお茶を一杯。
なんやかんやで、賑やかに品川を目指す!
なんか楽しそう!ですが楽しいのは今だけですよ……
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