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第十九話 品川ギルドとの連携

 ギルドに到着するや否や、メンバー全員、倒れ込むように待合所のソファーへ座り込んだ。



 ようやく一息ついて……

 品川ギルドのトップパーティ、エルトーロのメンバーに改めて自己紹介する。

「西ダイキです。宜しく!」

 ぺこり。


「俺の名は宮本リュウガ。エルトーロのリーダーだ」

 年齢は俺より上、五十代近いベテラン剣士。鍛え抜かれた体には無数の傷跡が走っている。


「明智サダトラです!」

 傍らに控えるのは二十代半ば、礼儀正しく真面目そうな雰囲気の若手剣士。おそらく、リュウガの弟子だろう。


「吉田エミリア。宜しくね」

 二十代半ば、涼しげな瞳の美人。攻撃から防御までこなす万能型。その無駄のない仕草から、仕事がデキル女性特有の洗練された雰囲気が漂う。


 ガチャ!

 そのとき、ギルドのドアが勢いよく開いた。

 色白の肌、シルバーの髪の毛にキラキラのアクセサリーを身にまとった、派手な見た目の二十才くらいの女性が駆け込む。


(ギャルだ……)

 この世界線でも、ギャルは健在らしい。


「つっかれたー!!」

 ソファーにどかっと腰掛け、スマホをいじり始めた。


 リュウガが紹介する。

「彼女の名は杉田リカ。みんなリリーって呼んでる。エルトーロの電磁波使いだ」

(……それでスマホが使えるのか……!)


 リリーはハッと顔を上げ、立ち上がってペコリと一礼。

「ああっ! 気づかなくてスミマセン! リリーって呼んで下さい。よろしくお願いします!」

「こちらこそ、よろしく!」


 ギャルの世界は上下関係が厳しく、意外とみな礼儀正しいと聞いた事がある。

 もちろん、リアルなギャルと話した事などないので、想像だけど……



 エミリアが、リリーのスマホをのぞき込む。

「リリー!まだケンジとギルチャしてるの!?」

「うん……でも……ずっとチャルーされてるの……」

「また浮気されてるんでしょ!いいかげん別れなよ……!」


 ……俺はサダトラに耳打ちする。

「……ギルチャって、なに??」

「ギルドチャットの略です。スマホにメッセージを送れるんですよ。ギルドのメンバーなら使えます!」

「チャルーって??」

「チャットスルー、の略です。メッセージを読んだ跡があるのに、返信が来ない時に使います」

(LINEと、既読スルーみたいなものか……)


 そして、リリーは……悪い男に引っかかってるようにしか見えない。基本的にギャルは派手な見た目に反して、恋愛に関しては一途だと聞いた事がある。


 もちろん、リアルなギャルと話した事などないので、想像だけど……


 サダトラもその様子を眺めて嘆く。

「ホント、いっつもちょい悪系の男に引っかかって、泣かされてるんですよ。もっと身近に、いい男がいるっていうのに……」

「そ……そうなのか……」


 品川ギルドの事にあんまり深入りしないけど……色々あるみたいだな!


 とりあえず、全員とギルチャで「ギル友追加」する。リリーがスキル発動してる時しか使えないが……それでも、今後連携がより重要になるので、心強い。


 俺とハヤブサは品川ギルド奥にあるゲスト用の部屋に泊まらせてもらった。


◇◇◇◇


 翌日。

 俺とハヤブサ、リュウガは今後の連携を確かめる。合意したのは以下。


▪️エルトーロは引き続き品川車両基地の魔物を討伐

▪️巨大ゴーレムなど、ルキアの痕跡があればすぐにギルチャで共有

▪️ダイキ達は、ルキアとの決戦に備えて板山でトレーニング。特に「リンク」を強化。


 こうして、俺たちはいったん板山へ戻る。


私もよくチャルーされてるよ!

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