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第十八話 ルキアvsエルトーロ

 ブゥン!ブウウン!


 イエローキャブが火を吹くように加速する。ハヤブサが風にかき消されないように、大声で話す。

「車両基地の東と西に分かれたあと、エルトーロからルキア発見の連絡が入った。だが、その直後――通信が途絶えたんだ。」


 そういえば、エルトーロには通話ができる、電磁波使いがいるって言ってたな……

 胸の奥が緊張でぶるりと震える。


「右だ、ダイキ! この先だ!」

 ハヤブサの指示に従い、ハンドルを切る。


 ……!

 目の前には、地獄のような光景が広がっていた。がれきの荒野を覆うように、無数の魔物がうごめく。


 その中心では剣閃が稲妻のように走っている!

「いたぞ……! エルトーロだ!」


 轟音。爆風。

「斬撃ッ!」

 ズザアアアッ!


 リーダー格の男が剣を振るうたびに、地面が裂け、爆風が舞う。そして……その奥に、黒いベールに包まれた召喚士らしき人物が、静かに立っていた。


 ハヤブサがその方向を指さして、叫ぶ。

「見ろ! 黒召喚士、ルキアだ!……オロチを召喚する前に引き上げるぞ!」


 ズガアアアッ!!

 エルトーロのパーティは魔物たちに囲まれながらも、必死に応戦していた。俺はその中心めがけてイエローキャブのハンドルを切る。


「リュウガ! 乗れっ! 引き上げるぞ」

「おおっ、ハヤブサか!」

「サダトラ! エミリア! 乗れっ!」


 パーティの仲間たちが次々とキャブに飛び乗る。

「車か! 珍しいな!」

「ケガはないか?」

「ああ、大丈夫だ。」

 リュウガと呼ばれる男がリーダーのようだ。


 ハヤブサが呼びかける。

「このままギルドに戻るぞ!」

「いや、ダメだ! せめて……ルキアを地下に押し戻さないと……大変な事になる!」

 リュウガ、すぐに戻る事を否定。

 確かに、いくらでも魔物を召喚できる……ルキアを地上に放置する訳にはいかない。


 リュウガは冷静に指示を出す。

「この車を、ルキアの正面に回してくれ! ハヤブサ、"リンク"だ!」

「よし! 行くぞ! ダイキ、頼む!」

「おおっ!」


 俺はハンドルを握りしめ、アクセルを踏み抜いた。

 ブオオオオッ!!


 イエローキャブが爆走する。

 巨大ゴーレムの腕をかすめ、がれきを跳ね飛ばし、ルキアの正面に回り込む。


 なるべく近く……!


 グオオオオ……アアアアッ!


「ここだっ!」

 ハヤブサとリュウガが、車から飛び降りる。その視線の先には……魔物に囲まれた、黒いオーラをまとった人物。


 ハヤブサとリュウガが、同時に剣を振り上げる。

「斬撃!……リンク!」


 そして、一糸乱れる事なく、二人同時に剣を振り下ろす。

 ビリビリビリ……!


 その衝撃で、空気が焦げ、風が悲鳴を上げる。

 ズバアアアアッ!


 剣から放たれた衝撃波が、魔物たちをなぎ倒しながら、黒き召喚士めがけて一直線!


 スウウウッ……。


 その瞬間!ルキアの姿が、闇に吸い込まれるように沈んでいく。

 ――地下への入り口へと逃げ、やがて姿を消す。


「逃げた……!?」

「地下へ戻ったな!」


 グガオオオッ!

 残された魔物たちが狂乱したように暴れ出す!その怒号は地響きとなり、がれきを吹き飛ばす。


「離れるぞ!」

 ハヤブサとリュウガが再び車に飛び乗る。


 ブオオオオン!ブオン!


 イエローキャブが地獄の渦を抜け出すように疾走する。

 背後では、崩れ落ちる建物と暴走する魔物の影。


 帰りの道中で、俺はハヤブサに尋ねる。

「リンク、ってなんだ?」

「同じスキルか、特定のスキルを組み合わせると、威力が何倍にも増幅される。もちろん、息が合ってないとだめだが」

「難しそうだな……」

「いや、慣れだ。俺とリュウガは、何度も修羅場を越えてきた。」


(ふむ……俺もアカネやユキとやってみるか……)

 ……いや、いやらしい意味じゃないよ!

 レトロゲームスキルに頼り切りなのが、ちょっと心配なだけですから!


 そうこうしてるうちに……

 リュウガの案内で、ようやく品川ギルドの灯が見えてくる。崩壊した街の中で、その光は不思議と輝いて見えた。




――――――――

エルトーロと合流。これから賑やかになりますよ!

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