第十七話 大昔のコントかよ……
◇◇◇◇
ハァ、ハァ、ハァ……!
俺はアスカたちのイエローキャブを追って走っていた。だが、運動不足の体にはあまりにキツい……!
「うう……うっ」
その時、がれきの陰から、かすかなうめき声が聞こえた。声のする方へ回り込むと――
そこには、ぐったりと体を横たえた、スフィーダのモモカが!
「モモカ! 大丈夫か!?」
「うう……私は、もうダメ……でも、体は滅びても、魂は生き続けるの………」
「ちょっ、ちょっ! あきらめるの早すぎ!」
どうやら、離れた場所で回復魔法を繰り返し、ついに力尽きたようだ。
グルルル……
「……っ!」
はぐれオークが一体、物音を聞きつけて近づいてくる。
「こんのやろう!」
ポカ!ポカ!ポカ!
グア……アアアッ!
スキルは使用中なので……何とかオークを素手で殴り倒した。ここも危険なので、いったんモモカを拠点に連れて戻る。
そして、ようやく廃ホテルの入口が見えたその時――
ブロロロッ!
「うわっ!」
土煙を上げながら、黄色い車が猛スピードで突っ込んでくる!
「……! アスカ! ユキ!」
ブロン!ブロロロ!
そして、ホテルの前を通り過ぎる!
「な……何やってんだよっ!」
遠くの方で、車がくるりと反転。
そして、またこっちに突っ込んでくる!
「これ、どうやって止めるのよ〜」
アスカが半泣きで叫ぶ。
俺も叫び返す。
「ブレーキ! ブレーキ!」
「何よそれ!」
「左のペダルを踏むんだよ!」
「ユキ! 左のペダル!」
「オッケー!」
キキキキキーッ!!
「うわああああっ!」
ズシャアッッ!!
急ブレーキで、いきなり車が止まり……
全員が見事に前方へすっ飛び、地面にぐちゃっと折り重なって転がる。
大昔のコントかよ……!
「いったたた……」
「…………」
「…………」
「ププっ!」
「キャハハハハ!」
お互い顔を見合わせて、笑ってしまう。
「もお〜なんなのよコレ!」
「いや、マジで死ぬかと思った〜」
「とにかく……全員無事でよかった!」
その一方、ハンドルを握って爆走したユキは……
「うえええん! お姉ちゃん! 怖かったよお……」
無事、元のキャラに戻ったようだ……
……
ようやく落ち着いた後、ハヤブサが俺に声をかける。
「ダイキ! 助かったぞ。ありがとう!」
「いや……俺は……何もしてないけどね……」
ハヤブサは声を潜める。
「品川のパーティ、”エルトーロ”がルキアと戦ってる」
「……!!」
「たぶん勝てないだろう。俺はあいつらも連れ戻したい」
「わかった!車で向かって、乗せて帰ろう」
ハヤブサがジャネットを呼ぶ。
「ジャネット! 全員をつれて、板山ギルドまで戻ってくれ。車両基地を避けて西側のルートだ。俺たちはエルトーロのメンバーを迎えに行く!」
「了解!」
「頼んだぞ!」
ブルン!プルルンッ!
俺はイエローキャブのエンジンを始動させる。いよいよルキアの元へ、緊迫のドライブ!
ユキ大活躍!そんな彼女に……
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