第十四話 ドラゴン空中戦
「おはよう!」
翌日曜。アカネの明るい声で、ギルドの朝が始まる。
「おはよう〜」
「おはようございます!」
アスカ、ユキたちも元気に挨拶。
――俺は、リョウコの願いを思い出す。
アスカの、ワイシャツからはち切れそうな巨乳を眺めながら、固く誓う。
(亡き両親に代わって、この姉妹は、俺が守る!)
「……?……ダイキ、どうしたの」
真剣なダイキの表情に、アスカが少し首をかしげて覗き込む。
さらに胸の谷間が目前に迫る。
(そして、これからは、決していやらしい目で胸を見たり、エッチな格好させたりしない!)
わさわさっ!
その時!目の前の巨乳がわさっと揺れる。
「ダイキ! 何ぼーっとしてるの!?」
「……! ああ、すまん、すまん」
慌てて視線をそらす。
いかん、いかんぞ、俺……
「もう!朝からなんかエッチな事考えてたんでしょ!」
「ちが……違う! 俺は……自分の与えられた使命について、思いを巡らせていたんだ!」
「……??……ププッ、変なの!」
いちおう、間違ってはいません……
プルルルル!
その時、リュックに入れていたスマホが鳴り出す。
「!! ええ?」
慌ててスマホを取り出して、耳に当てる。
……ハヤブサの声が聞こえる。
「ダイキか!?」
「その声は……ハヤブサ!今どこにいるんだ?」
「品川だ。ルキアがワイバーンの大群を召喚してる!そっちにも向かってるぞ。気をつけろ!」
「スフィーダは大丈夫なのか!?」
「クグアアア!」
……ププ……ププ……
激しい獣の咆哮音と共に、音声が途切れる。
その一報を受けて、リョウコが二階から慌ただしく降りてくる。
「品川ギルドのパーティに、電磁波スキルの使い手がいるの。彼女が健在なら、短い時間だけど通話ができるわ」
「そうなのか……」
「でもこの様子じゃ……ただ事ではないわね」
「わかった。品川に向かおう。アスカとユキはここで待っててくれ」
先日の話を聞いた後に……とてもルキアの待つ所なんかに連れていけないぞ……
あれ……どこ行った?
「ダイキ!何やってんの!行くわよ!」
……
もうすでに……アスカとユキは出口から飛び出そうとしてる!
「こ……これは、止めても聞かないわね。ダイキ、頼んだわ!」
リョウコが祈るような目で訴え、俺は軽くうなずいて姉妹を追いかける。
◇◇◇◇
「うおおおっ!」
バサバサバサッ!
外に出た瞬間!ワイバーン……飛竜の群れが上空から急降下して襲いかかる!
「きゃあああっ!」
バサッ!バサ!バキキキッ!
鋭い爪が、ギルドの外壁をえぐる。どうやら、ギルドを襲うように操られているようだ。
ウガガガガアア……!
群れの奥から、ひときわ巨大なワイバーンが迫ってきた。黒いウロコが陽光を反射してキラリと光る。深紅の瞳をこちらに向けて、雄叫びを上げながら大きく息を吸い込む。
ブオオオオ!
その直後!その口から、燃え盛る炎を一気に吐き出す!
「ウォール!」
ブシャァアア……!
ユキが一瞬の判断で、防御スキルを発動!
炎が透明な結界に弾かれ、散ってゆく。
「レトロゲームスキル!」
その隙に、俺もスキルを発動する。
すばやくジャケット選択画面を見渡し……
これだ!
"パンツァ・ドラゴン"
ドラゴンの背中に乗って、空を翔け、敵を打ち落とす名作3Dシューティングだ。
体が光に包まれた後……
グオオオオ……オオン……!
鮮やかな青色と白のツートンカラー、堂々とした体躯を誇るドラゴンが風を裂いて飛来する。
「アスカ!ユキ!乗れ!」
俺たちは、ドラゴンの背にまたがり、空へと舞いあがる。
バサバサバサ……!
グギギァ……グギギギ!
ルキアに操られたワイバーンの群れが、四方から襲いかかる。しかし、このゲームを昔から遊び込んでる俺は慌てない!
「ロックオン!」
右の手のひらでワイバーンたちに狙いを定めていく。
ピ……ピ……ピ……
照準が次々と敵を捕捉していく。
そして、10匹ほど捕らえた瞬間に、叫ぶ。
「撃てっ!」
ブ……ブシュウウウウ!!
シュアアア……!!
青い光をまとった、何本ものレーザーが美しい円弧を描いて、一斉に敵に向かう。
ズガガガ!
ズウウ……ズウウン!ー
グガ……グガガガアア……!
爆光が連鎖し、ワイバーンの群れが、次々と燃え落ちていく。このレーザーは、敵を追尾するのだ!
シュアアア!
ズガガ!
「……す……すごい……」
アスカたちも息を呑む。
翼が風を裂き、爆煙の中を駆け抜ける。
「このまま、品川に向かうぞ!」
上空のワイバーンを片付けた後、そのまま南へと進路を向ける。歩くと数時間かかるので、すごくありがたい……!
進路の先、遠くに見える黒い雲の下に――ルキアの影が、うごめいている気がした。
ドラゴン、私も乗ってみたい!と思った方……
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