第十一話 ブロックの世界
◇◇◇◇
「おはよう!」
翌週の日曜日。俺とアスカ、ユキの三人は板山ギルドに集合した。
二人はまだ学生なので、正式なパーティ登録はできないが――前回のゴーレム戦での活躍が学校中に広まっているらしく、いまや時の人らしい。
ハヤブサたち、スフィーダのみんなはマスターの依頼で、品川に向かっている。
「今日はどこに行こうか……」
受付に向かおうとしたその時、アカネが声をかけてきた。
「マスターから依頼があって……板山台操車場に行って欲しいの。まだ魔物の残党が潜んでて……それに、ゴーレムが破壊したマンションの復旧で、大変なことになってるの」
「わかった!任せて!」
アスカが元気よく返事する。
どうやら、他のパーティも続々と操車場に向かっているようだ。確かに……あの巨体が暴れ回った後の後始末は大変だろう。
◇◇◇◇
俺たちは板山駅の地下鉄跡を抜け、操車場へと到着した。
そこでは凄惨な光景が広がっていた。マンションが何棟か崩れて、がれきの山に覆い尽くされている。ただ、ハヤブサたちの迅速な避難誘導のおかげで、奇跡的に死者は出なかったらしい。
各地のギルドから集まったパーティが、総出で復旧作業に取りかかっているが――
「これは……きりがないな……」
バキバキ!ガラッ!
グル……グルル……
その時、がれきの下から、うめき声と共に生き残りのオークが這い出してきた!
「まだ生き残りがいるわ!」
「……レトロゲームスキル!」
スキルを使う程の敵ではないが……俺は反射的にスキルを発動。目の前にゲーム選択画面がパッと浮かび上がる。
「待てよ……こういう時は――」
俺はふと思い立って、とあるゲームを選択。
"マインクラフツ"
世界的にヒットした、サンドボックス型ゲームだ。ブロックで構成された世界で、作ったり、壊したり、戦ったり……と、何でもできるのが特徴だ。
まだバリバリの現役なので、レトロゲームとはちょっと違うが……wii uという古いゲーム機のパッケージソフトなので、だいぶ昔のバージョン。ある意味レトロと言っていいかな。
マルチプレイが可能なので、アスカと共に光に包まれて、ゲームスキルの世界に移動する。
――そして次の瞬間。
周囲の景色はそのままに、すべてが“カクカクのブロック世界”に変わっていた。
アスカが驚きの声を上げる。
「これは……どういう事?」
「ここは、ブロックで出来た世界。ゲーム上ではなんでもできるが、このスキルでどこまで再現できるのか……」
グ……グル……
生き残りのオークたちも、カクカクした見た目に変化。なかなかの再現度だ。
ガス!ガス!ガス!
ウゴア……
しかし、戦闘がメインのゲームじゃないので、武器は貧弱。アスカと二人でオークをタコ殴りにして、なんとか残敵を倒す。
「ふう……さて、ここからが本番だ!」
がれきの中から木材ブロックを拾い集め、まず作業台を作る。そこで木の棒を作り、拾ってきた石ブロックと組み合わると……石のツルハシが出現!
「よし、行くぞ!」
ガスッ!ガスッ!ガスッ!
アスカと二人で、がれきの山を叩きまくる!ブロックが音を立てて砕け、どんどん整地されていく。
……本来なら、敵を倒した所で魔力が尽きて、元の世界に戻るところだが……今日は、ユキがモモカから教わった“回復スキル”で、俺たちの魔力を補充してくれている。他のギルドメンバーがあぜんとして見守るなか、マンション周辺のがれきはあっという間に、キレイに取り除かれた。
「ふう……」
俺が一息ついた所で、ユキの魔力も尽きてスキルが解ける。建築まで試したかったが、それはまたの機会に……
とにかくこのスキル、色んな所で使えそうだ。
それからも、物資の搬入、仮説住宅の建設など一日中復興作業に追われる。たった一匹のゴーレムでこんなに被害が出るなんて!
もし黒召喚士がこのクラスの魔物を次々と召喚できるのなら……
俺は悪い予感に襲われる。
◇◇◇◇
マインクラフツ、超便利!羊とか育てたい!
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