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第3話 夜の王宮と禁断の書

王宮での公爵事件が落ち着き、王国は一時の平和を取り戻していた。しかし、私は知っていた――真の陰謀はまだ終わっていない。禁断の図書館には、新たな書物が静かに光を放っていた。


「王女様、今日も図書館ですか?」

メイドのミアが小さな声で尋ねる。

「ええ、まだ解明していない書があるの。」

「また王女様の“秘密の趣味”ですか……」

「趣味じゃないわ、ミア。これが王国を守る武器なの。」


ルイスはいつも通り、私の背後に控えている。黒髪に鋭い目、剣の切っ先が光る。今日も頼もしい存在だ。


「王女殿下、用心してください。図書館は…魔法的に不安定な場所です。」

「わかってる。でも、怖がっている暇はないわ。」


図書館の奥、昨日とは違う棚にひっそりと置かれた一冊の本。表紙には淡い銀色の紋章が浮かんでいる。


『王国滅亡の予兆――禁断の盟約』


ページをめくると、文字が光り、頭に情報が流れ込む。そこには、第二王子が公爵だけでなく、外部の暗黒結社とも手を組んで王国を乗っ取ろうとしている内容が書かれていた。


「……これは前より深刻ね。」

「王女様、本当ですか?」ルイスが少し顔を曇らせる。

「ええ。でも、この本があれば手は打てる。」


その時、エルが軽やかに跳び込み、魔法の光で古文書を解読する。金髪ツインテールの彼は、まるで舞台上の光のように輝いている。


「僕の魔法で、暗号も解読できるよ!」

「頼もしいわね、エル。」


こうして、私たち三人のチームは再び一致団結した。


夜、王宮の庭で情報収集。月光に照らされる石畳に、私たちの影が長く伸びる。

「王女様、これ以上の行動は危険です。」ルイスが低く忠告する。

「わかってる。でも、黙って見過ごすわけにはいかない。」


闇に紛れて第二王子の書斎へ侵入。そこで彼の秘密の文書と暗殺計画を発見する。エルの魔法で文書を解読し、暗殺に使われる魔法の毒の種類まで判明した。


「ここまでわかれば、計画は阻止できる。」

「王女様……本当に頼もしいです。」ルイスが小さくうなずく。


その夜、庭の噴水の前で二人きりになる。

「ルイス、ありがとう。あなたがいれば、心強い。」

「王女殿下……僕も、ずっとそばにいます。」


頬が赤くなるルイス。月光に照らされ、彼の目が少し柔らかくなる。私は微笑み、手を握る。


「でも、恋愛は後でね。まずは王国を守るのが先。」

「はい、王女殿下。」

心の中で、小さな幸せと使命感が混ざる。


翌日。王宮の図書館で仲間たちと作戦会議。ミアは相変わらずコミカルにツッコむ。


「王女様、その本ばっかり読んでて、休憩は? 甘いお菓子は?」

「まずは生き残ることが最優先よ!」


その後、ルイスが剣の稽古をつけ、エルが魔法訓練を行う。私は本を片手に分析し、チームの戦略を練る。これまでの事件で、仲間との信頼は確かなものになった。


夜。王宮の秘密通路で、第二王子と外部結社の手下を発見。私たちは計画通りに動き、暗殺を未然に防ぐ。ルイスは剣を振り、エルが魔法を放つ。私は本の知識で弱点を突く。


「ここが急所!」

「な、なぜ知っている!?」第二王子が叫ぶ。

「本の力よ!」

逆転勝利の快感に、私の心は躍る。


事件後、王国は平和を取り戻した。王族や市民から感謝され、仲間との絆もさらに深まった。図書館の書物は、まだ多くの謎を秘めている。


「まだ、終わりじゃない……」

「本と仲間がいれば、私たちは強い。」


新たな陰謀の影が、図書館の奥で静かに光を放つ――。

私たちの冒険は、まだ始まったばかりだ。

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