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第1話 転生王女と禁断の扉

私の名前はアリア・ローズ。いや、正確には前世の名前。今はエレナ・ヴァルティア王女として、この異世界に転生していた。


前世では、ただの地味な図書館司書。毎日、本に囲まれて幸せだった。でも、ある日の事故で――突然の死。気が付けば、豪華な天蓋付きベッドの上に寝ていた。鏡を見ると、そこには金色の長い髪と蒼い瞳の少女が映っていた。


「……これは、完全に異世界転生テンプレートだわ。」


心の中で突っ込みながらも、喜んでばかりはいられない。王宮は陰謀渦巻く場所で、私は「無能王女」と陰で噂されているらしい。そして、父王暗殺計画まで進行中だという――。


朝食の間、父王が厳しい目で私を見る。


「エレナ、今日も図書館にこもるつもりか? 王女として、もっと社交を学びなさい。」


「はい、父上。でも、本を読むことが一番の勉強です。」


そう言って私は、前世の知識を武器に立ち回ろうと決めた。売れているライトノベルの主人公のように、知略で逆転する――それが私の生き残る方法だ。


昼下がり、王宮奥深くにある禁断の図書館へ向かう。埃っぽい棚に、古い本が無数に並んでいた。ここには、魔法の書が眠るという。触れるだけで知識が頭に流れ込む――そんな噂がある。


手を伸ばした本は――『王国の影』。ページをめくると文字が光り、頭の中に情報が流れ込む。


「父上の暗殺計画……犯人は、第二王子と結託した公爵?」


ベタだけど現実味のある陰謀に、思わず頭を抱える。


「え、こんな古典的な陰謀? でも、知識は力よね。」


そこへ、護衛騎士のルイスが現れる。黒髪に鋭い目。典型的な2.5次元で人気が出そうなイケメンだ。


「王女殿下、何をしているのですか?」


「ルイス、聞いて! 父上が暗殺されるかもしれないの!」


眉をひそめるルイス。だが、私の真剣さに動揺しているのがわかる。


「本当ですか? 証拠は?」


私は手に持った魔法書を示す。「この本の力よ。読めば、全てわかる。」


ルイスの頬が赤らむ。心臓が少しだけ跳ねる。やっぱり恋愛フラグは立ちやすい相手だ。


「一緒に調べてください。あなたがいれば心強いわ。」


その言葉に、ルイスは軽くうなずく。


翌日、仲間を集めることにした。メイドのミアはコミカル担当。


「王女様、本ばかり読んでいて、結婚はどうするんですか?」


「まずは生き残るのが先よ、ミア!」


次に魔法使いの少年、エル。金髪ツインテールで、可愛さ重視のキャラクター。


「僕の魔法で、図書館の秘密を解読しよう!」


こうして私のチームが完成した。仲間との絆を武器に、陰謀を暴く――これが、売れる異世界転生ラノベの基本パターンだ。


夜。王宮の暗い廊下を抜け、公爵の部屋に潜入。机の引き出しに毒入りの瓶を発見。「図書館の本に載っていた毒!」 証拠は揃った。


戦闘。ルイスは剣を振るい、エルが魔法を放つ。私は本の知識で弱点を突く。


「ここが急所!」


公爵が叫ぶ。「なぜ知っている!?」


「本の力よ!」 優越感満点に、逆転勝利。


父王に報告。「エレナ、お前が救ってくれたのか。」


「父上、これからは一緒に王国を良くしましょう。」


ルイスがそっと微笑む。「王女殿下、僕もずっとそばにいます。」


陰謀を暴き、王国は一応の平和を取り戻した。しかし、終わりではない。禁断の図書館にはまだ未知の書が眠り、新たな敵の影がちらつく――。


前世の知識、仲間の力、そして「本の力」が、私の新しい人生を切り開く。これからも、王女エレナとして、私は賢く、美しく、そして強く生きる――。

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