表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/30

25話 昼食

 登校日初日は、始業式から始まった。そして、正午までミサが行われた。


 その後、昼食の時間。


 僕は、いつものように購買部に向かった。


 購買部で人気の商品は、焼きそばパンであった。

 それも、行列が出来るほど人気であった。


 焼きそばパンとは、調理パンの一種である。コッペパンの間に焼きそばを挟んであるのが特徴である。


 ほのかに甘いパンとソース焼きそばとの相性が抜群である。


 しかし、中にはパンと焼きそばのような炭水化物の組み合わせを邪道と謗る人もある。気持ちは分からないでもないけれど、関西ではそれの類は常識的な組み合わせらしい。


 とにかく、僕は焼きそばパンを求めてレジまでの行列を並んだ。


 途中、僕は肩を叩かれた。


 後ろを振り返ると竜胆がいた。


 竜胆は、僕にこのように提案するのであった。


「実は弁当作ったんだけど一緒に食べない?」


 と。


 行列を離脱した僕は、食堂に向かった。


 竜胆は、テーブルに弁当箱を二つ置く。その内の一つを僕に手渡した。


「これ、正義くんの」


「どう言う風の吹き回しだ。毒でも盛られてる?」

「失礼ね! 前に正義くんの家に行った時に思ったの。正義くん、あんまり料理しないでしょ?」


「なんで分かった? 超能力か」


「違うわよ。ゴミ箱にはカップ麺ばっかりだし、冷蔵庫はスカスカ。調理器具は新品同然」 


「あー」


 そうなのである。


 高校入学に合わせて、僕は調理器具を購入した。


 包丁、まな板、ピーラー、お玉、フライパン、鍋、等。


 しかし、使ったのは最初の一ヶ月だけであった。


 それ以来は、カップ麺が多い。


 竜胆はこう指摘した。


「カップ麺ばかりだと、身体壊すわよ」


「ぐうの音も出ない」


「だから、これ一緒に食べよ」


 竜胆は、弁当箱の蓋を開ける。


 弁当は、二段あった。


 一段目に赤紫蘇ふりかけご飯。


 二段は、おかずであった。


 おかずの種類は、卵焼き、ウインナー、春巻き、ポテトサラダ、ほうれん草煮浸し、チーズ春巻きであった。


 食欲をそそるメニューである。


「どう? 美味しそうでしょ?」


「めちゃくちゃ美味そうだ」


「さあ、召し上がれ」


 僕は、箸を取り卵焼きを食べた。出汁がよく効いていて美味しかった。


 その他の料理も、どれも良い味付けであった。


「美味いな」


「でしょ! よかった。全部冷凍じゃなくて手作りなのよ」


「まじか」


 素直にすごいなと思った。


 料理なんて一品作るだけでも面倒臭いのに、全てが丁寧に作られているのだ。


 僕は、竜胆に問う。


「竜胆ってなんで部活に入る前から僕に構ってきてたんだ?」


「だって、正義くんが優しいって知ってたから」

「知ってたとは?」


「それはね……」


 竜胆は語る。


 竜胆が僕のことを知ったのは、高校に入学してからすぐのことであった。


 高校に入学したての竜胆は、大人しそうな外見もあって強引な部活勧誘に困っていた。


 その時、たまたま隣を通りすがったのが僕だったと言う。


 それを様子を見た僕は、部活勧誘をする先輩に強引な勧誘を辞めるように言ったらしい。


 …………。


 僕には、そんな記憶はない。


 覚えていない。


 気に入らないことに対しては、ひたすら悪態ついてたからなあ。


 ともかくそう言う経緯があって、竜胆は僕に気にかけていたと言う。


「悪いけど覚えてないわ」


「まあ、正義くんらしいわね」


 昼食を終えた僕と竜胆は、教室に戻った。


 次の授業は、体育祭の種目決めであった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ