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10話 社会見学

 結局、社会見学先はおやつカンパニーになった。と言うのは、一般公開もされておりお菓子と言う親しみやすさが決め手であった。


 ベビースターラーメン。


 おやつカンパニーの主力商品の一つであるそれは、三重県にある工場一つから全てに流通するものが作られているらしい。


 社会見学当日、市の中心の駅で待ち合わせとなった。その駅では定番の待ち合わせ場所となっている、大きな金時計の下である。


 待ち合わせ時刻は、午前9時。


 僕は、その待ち合わせ場所に30分早く到着した。


 遅刻したくなくて、早く着きすぎてしまった。


 しかし、そこには僕より早く金時計の下で待っている人物がいた。


 竜胆である。


 竜胆は、僕を見るなり手を振った。


「おはよう! 早いね」


「竜胆さんこそ、何時からまってたの?」


「八時くらいから待ってるわ」


「早!」


 待ち合わせの一時間前であった。


 それはそうと。


 気まずい。


 前回、授業で竜胆と口論みたいな感じになったからである。


 部活では、日向夏を加えた三人でテスト勉強をしているから、二人で特に話すことがないから気まずくないけれど……。


 そんなことを思っていると、竜胆は僕にこう尋ねてきた。


「正義くんって実は凪さんと付き合ってる?」


 と。


 僕は、すかさず反論する。


「付き合ってるわけないだろ」


「そうなの?」


「逆に、なんでそうなるんだよ」


「仲良いじゃない?」


「どこがだよ」


 そうなのである。


 別に僕と日向夏は仲がいいわけではない。


 ただ、向こうが無駄に絡んでくるだけである。


 正直言うと、かなり鬱陶しい。 


 竜胆は、疑いの顔を向けてきた。


「でも、いつも部室で戯れあってるじゃない?」


「向こうが絡んでくるだけだよ」


「じゃあ、好きなの?」


「そのわけないよ」


「ふーん。凪さんには絡んで私には絡んでくれないんだ」


 全く、疑いが晴れていないようである。


 しかし、ちょっと竜胆に冷たくしすぎたか。


 反省。


 そんなこんなで、これからの竜胆との付き合い方を考えていたところで、梅村と竹井が到着。


 その次に日向夏が到着した。


 ちなみに日向夏は、十五分遅刻。寝坊したらしい。


 どうやら、夜遅くまでテレビゲームをしていたとか。


 まあ、彼女らしいっちゃ彼女らしい。


 電車に乗り、目的地に向かう。道中、日向夏が騒いでうるさかった。


 おやつカンパニーの工場に着いた。


 工場見学中、僕達は男子グループ、女子グループに分かれて散策した。


 竜胆、日向夏、竹井はガールズトークと洒落込んでいた。


 いや、見学しろよ。


 ベビースターラーメン作られるとことか!


 そう思っていると、梅村が僕にこう指摘してくるのだった。


「正義って、竜胆のこと好きなん?」


「は? なに言ってんだよ!」


「いやー、急にエンジェル部に入ったらしいじゃん。竜胆狙いなんかなと」


「そんなわけない」


 なんだ、なんだ。


 なんなんだ。


 朝から、竜胆からは日向夏夏が好きなのかと言われたり、梅村からは竜胆が好きなのかと言われたり。


 僕は、訂正した。


「むしろ僕は、竜胆のことが嫌いだ」


「なんで?」


「なんと言うかな……僕は何もかも恵まれていて、人生イージーモード的な奴が嫌いだ」


「そんなことないと思うけどなあ」


「それから、偽善者はもっと嫌いだ」


「僻んでんなぁ。けど竜胆に限ってそんなことないと思うけどな」


「あっそ」


 僕は、投げ捨てるように言う。


 梅村は、呆れていた。


「とにかく、竜胆は本気で正義のこと心配してるみたいだぞ」


「参考にしておくよ」


 そんな会話をしているところで、工場見学が終わった。 


 作りたてのベビースターラーメンは、美味しかった。


 ただ、梅村と話し込んでいたおかげでそれ以外のことが全く頭に入らなかった。

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