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幼女吸血鬼と取り戻せない程の恋をした  作者: 菜乃音
第一章 幼女吸血鬼の紳士として

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53 お泊り会の夜、美少女二人の寝間着姿は天使か悪魔か

「にしてもアリアさんの料理、お昼に続いて、夜ご飯もうめかった」


 体から湯気を出しながら、手慣れたように冷蔵庫を漁り、ゼリーを取り出しているホモに陽はため息が出そうだった。


「アリアさんだからな。……てか、他人の家の冷蔵庫に何を入れてたお前は?」

「え? ウインナー味のゼリーだけど、それがどうかしたか?」

「さも当然って顔をするなよ……。恋羽がアリアさんと一緒にお風呂に入ったのもそうだけど、二人と居ると退屈しないよ」

「はは、退屈は人生の敵、って言うだろ?」


 夜ご飯を食べ終えて、陽とホモの後に、アリアと恋羽がお風呂なのもあり、リビングで待つことになったのだ。

 陽としては、恋羽がアリアに企みを話していたようなので、アリアが顔を赤くしていたから心配なのだが。


 女の子同士で仲良くするのはいいが、節度は保ってほしいものだろう。


 ちなみに、現在目の前でゼリーを美味そうに食べているホモに関しては、陽のお風呂に突撃してきたので罪のカウントが進んでいる。


「恋羽が元気なのはいいんだけど、もうちょいどうにかならないのか?」

「陽も知っての通り、恋羽だからな」


 答えが答えになっていないのは、ホモらしいものだろう。

 気づけば、ホモが真剣な目でこちらを見てきていた。


「なあ、陽」

「どうした?」

「――お湯を飲みにいかないか」

「ホモ、お湯なら沸かしてあるけど?」


 甘いな、というようにホモは首を振り、指を振ってみせた。


「甘い、砂糖よりも考えが甘すぎるぞ、陽!」

「何を言いたい?」

「今で言う、お湯……つまりは聖水だ。聖水、すなわち二人の妖精が入りし――」

「ホモ、ふざけんなよ? てか、自分らも入ったんだし、濁ってるだろ……」


 ホモはため息をつき「律儀だし、どこか抜けてるよな」と言って呆れていた。


 普通に考えても、覗きは良くないだろう。また、アリアに変なことをして嫌われたくもなければ、わざわざ許可なしに素肌を見るのは如何なものかと陽は考えているのだ。


 男としての感情や、紳士としての立ち振る舞い関係なく、お互いに嫌悪感を抱かない……そんなユートピアたる世界の感情を求めている。


 また陽からすれば、ホモにアリアの素肌を見せたくないのも本音だ。

 現在、アリアは恋羽と一緒にお風呂に入っているはずであり、ホモが覗き魔をすれば恋羽ついでに巻き沿いを食らいかねないのだから。


 ホモに睨んで牽制を入れれば、冗談だから、と言いたそうにホモは苦笑いをしている。

 陽はとりあえず、ホモの行動を信じて、二人を待つ間、適当に話をして時間を潰していく。



 ホモと話していれば、既に十数分経過していたようだ。


 その時、床にぺたりと張り付く音が聞こえてきた。


「ふぁー、いいお湯だったぁー」

「おっ、恋羽、ずいぶんと早かったな!」

「恋羽。アリアさ、んは……」


 陽は、言葉を失った。


 ドア前に立っていた恋羽の寝間着姿に、言葉を失わない理由がないだろう。

 恋羽は、所謂ネグリジェというパジャマに身を収めている。そのネグリジェがワンピース型であるのは問題ないとして、問題は透け感だ。


 水色のワンピースネグリジェが一目で理解させてくる、下着が透けてしまいそうなほど薄い生地……いや、ほとんど透けているので、恋羽の白い下着が見えてしまっているのだが。


 見てしまった陽の方が恥ずかしくなりそうなのに、恋羽は羞恥心というものが無いのだろうか。


 出るところは出て、隠すところはしっかり隠していても、紐から連なっている下着も相まって、次元が違うにも程がある。

 実際のところ、恋羽もアリアに負けず劣らずの美少女なので、魅惑が無いわけでは無いのだから。


 恋羽は泊まりの時は開放的な寝間着だから覚悟しろよ、とホモに忠告されたが、ここまで大胆だとは予想できるはずがないだろう。


 驚きのあまり声を出せずに視線を逸らしたくなっていた陽を察してか、恋羽はわざとらしく隠して見せた。しかし、胸を強調するように、少し前屈みの姿勢になっている。


「いやーん、陽のえっちー」

「じゃあ、なんでそんな透けたパジャマを着てんだよ!」

「いやー、恋羽は別に陽に素肌を見られるくらいなら問題ないからなー。それよりも、俺の聖剣伝説が火を噴きそうだぜ」

「お前はお前で何を言ってるんだよ。……というか、恋羽、そんな透けたパジャマで寒くないのか?」

「陽、羞恥心はあると思うのに、相手の体調を思いやれるって、愛だね」


 わかってるなら普通のパジャマを着てくれ、と言いたいが、時は既に遅いだろう。

 陽は何にも考えないようにして、ただ、恋羽を見た。

 結局は、アリアが来るまでこの現状は収拾がつかないので、考えを変えるしかないだろう。


 別に恋羽を不埒な目で見たり、襲おうとか触ったりしようなんて思わないので、ホモより安全だと思っていただきたい。


 ホモに関しては、椅子から立ち上がり、こちらの横に来ては、腑抜けた顔をして鼻の下を伸ばし、恋羽にデレデレなのだから。

 彼女が他の男の前でも露出が多い服装なのを気にしろ、とホモに言いたいが、今更感が強いのだ。


 その時、ホモは恋羽のある部位を指さしながら、肩に手を置いてきた。


「なあ、陽……全部が見えてない紐パンっていいよな」

「は?」


 全部が見えていない、とホモは言っているが、恋羽のネグリジェは薄っすらとでも目に見える程透けているので、完全に下着が見えているのだが。


「男ってのはさ、全部が見えてたら逆に妄想をそぎ取られ、少し萎えちまうんだよ。でもよ、恋羽みたいな見えそうで見えない透けたネグリジェだと、欲もそそられるし、紐パンっていう男のロマンの塊を身に着けてたら、興奮しない理由がないだろ?」


 なぜ彼女の服装について熱く語られているかは不明だが、陽は微塵も共感できなかった。

 陽自身、その人がその人らしい服を着てくれるのが一番なので、服に色目を使いたくないのだ。


 ホモは鼻の下を伸ばしながらも、近づいてくる恋羽に手を伸ばそうとしていた。


「いやー、早くあの紐をほどいて、男のロマンを味わってみたいぜ!」

「もーう! ホモ、陽の前じゃなくて、暗い部屋じゃないと嫌だよ?」

「お前ら……二人揃って、外で永眠するか?」


 もはや別次元すぎる会話に、陽はツッコミすらしたくなかった。

 彼氏や彼女、というよりも、ホモと恋羽の羞恥心の無さが招いている会話のせいだろう。

 陽の前限定だと思うけどとは言われていたが、ここまで酷いと収拾がつかないのだから。


「な、陽! 別にまだ恋羽に【自主規制】したり、息子を【自主規制】させたりしてないだろ!」

「そうだそうだ! 陽だって、アリアたんが色目ある服をしてたら、どうせ鼻の下伸ばして、デレデレな腑抜けた紳士になるくせにぃ! で、夜に襲って【自主規制】して愛し合うんでしょう!」

「おい――いい加減にしろよ」


 苦笑で見逃がすはずだったが、この二人には少し制裁が必要だろう。また、アリアをネタにしたのだから、覚悟はできていると受け取って良い筈だ。

 陽自身、互いに望まぬことをしたくないと、誰よりも心の中で誓っている。


 紳士としてではなく、自分自身を形作るためにも。


 二人は流石に不味いと思ったらしく、おとなしくしゅんとしてみせた。

 それでも、恋羽がホモに抱きついているので、ホモは嬉しそうに恋羽をぺたぺたと触って堪能しているようだ。


(……人と付き合うって、こんなにも高度な密着が必要なのか? 実質、薄皮一枚だよな?)


 二人の関係は意味不明な点も多いが、楽しそうな関係に水を差す気もないので、陽は静かに紅茶を啜った。


「白井さん……お待たせしたわね」

「……アリアさん、別に待ってないよ」

「なんか、陽とアリアたんって、二人の会話だけ雰囲気が違うよね?」


 恋羽を無視しつつ、陽はアリアを見た。

 体から湯気を出しているアリアは、前に見たベビードールではなく、フリルが付いたワンピース型の白いネグリジェを着用しているようだ。


 アリアの幼女体型にも似合っており、お嬢様の雰囲気を保ちつつも、ところどころに付いたリボンが、アリアの可愛さを引き立てている。


 肩や足付近の肌は出ているものの、ベビードールと比べたら露出箇所は限りなく少ないので、陽としては安心していた。しかし、肩からちらりと見える黒い紐に目がいったのもあり、大晦日の夜を思い出しそうだ。


 恋羽があれだったので、恋羽に変な入れ知恵をされていたらどうしよう、と陽は思っていたで、安心して落ちつけるというものだろう。


 開放的なネグリジェを着ている恋羽は、アリアの落ちついた感じを見習ってほしいものである。


 陽がアリアの服装に安心感を抱いていれば、隣で恋羽の紐に手をかけて遊んでいたホモが、肘でぐいぐいと押してきた。


「毎日可愛いお姫様を見れる陽は幸せだな」

「……自分が一番理解している」

「ホモには私が居るから、陽は安心して大丈夫だよ!」

「いや、ホモの上に座っているから安心はできるけど……服装や行動のせいで安心できないんだよな……」

「陽も男の子だねぇ。愛だね!」


 呆れていれば、アリアがこちらに近づいてきていた。


 この二人と居る時、アリアは何かと静かになっているので、陽は正直心配に思う節がある。

 無理をしているのなら遠慮なく言ってほしいのだが、こちらから聞くのもおかしな話だろう。


 こちらを見てくる深紅の瞳に、陽は思わず息を呑んだ。


「白井さん……」

「アリアさん、頬が赤いけど、大丈夫?」


 静かにうなずくアリアに、陽はただ笑みを見せた。


「その、おやすみなさい」


 アリアとは基本的に、アリアがお風呂に入る前に眠る挨拶を交わしていたので、新鮮な感じがあった。

 アリアの寝間着をあまり見ないように、という考慮をしていたのもあって、陽は知らず知らずのうちにアリアを意識していたのだ。


 だからこそアリアは、言葉を言い難そうに、頬を赤らめているのではないだろうか。

 陽は、アリアの気持ちを汲み取れていない自分に反省し、もう一度笑みを浮かべた。


「アリアさん、おやすみなさい」


 ホモと恋羽から何故か拍手をされたが、悪いものでは無いだろう。

 今の陽にとってアリアの言葉は、心の隙間に出来たカケラを埋めてくれるようで、心地いいのだから。


「アリアたんと陽を見習わないとね」

「それもそうだな。でもまあ、夜は俺らの時間だけどな」

「ホモ、恋羽、頼むから家だけは壊さないでくれよ?」

「分かった! それじゃあ、家を壊さなかったら何でもしていいんだね! 愛だね!」

「……もう、それでいいや」

「白井さん、後で慰めてあげるわよ?」


 アリアに気を使わせてしまったが、二人の勢いについていけない自分にも問題はあるので、ゆっくりと首を振っておく。


 陽はホモを自分の部屋に、アリアは恋羽を自身の部屋に連れて、それぞれが互いの部屋で眠るためにリビングを後にするのだった。

ホモと恋羽の本質が実質見え始めているような?

陽とアリアさんの距離感は不滅のようです。

今後の展開が気になるよって方や、アリアさんの何気ない可愛さをもっと見たいって方は、ブックマーク等で応援していただけると幸いです!

お泊り会はもう少しだけ続きますので、お付き合いいただけますと嬉しい限りです

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