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村の異世界スーパーマーケットへいらっしゃいませ~新人の鬼娘が入りました~  作者: 鳳仙花
・4章~ラムネの夢と目標はみんなと自分のために~
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71.探し物も見つかり、みんなでカラオケへ行くことになりました!

ヒートアップするソラとギャル店員の会話。

それに圧されたラムネは無意味に眺めるだけで立ち尽くしていた。


「凄いですね……。これが、いわゆるイケてる人同士の会話なんでしょうか。レベルが高くて近づける気がしません。もはや声をかけた瞬間に消し飛ぶ自信があります」


「あれは2人揃って自分の感性を貫いているだけですのよ。それも無意識に。それはともかく、こちらも急いでいるので訊いてしまいますのよ。ミファ……いえ、ソラさ~ん!」


フーランはわざわざ呼び直して声をかけた。

するとソラは店員との値段交渉を一時停戦して、フーラン達の方へ近づいてきた。


「わお!レモネードさんと……あぁ、フーランじゃん!数時間ぶりのお(ひさ)しぶりだね~」


「そういえばワタクシの方は、ゲーム内でもまともな面識は無いままでしたのよ。こんにちはですの」


「うん、こんにちは。で、なになに?2人もここでお買い物かな?言っておくけど、ここは値段交渉を受けつけてくれないから要注意だよ!まぁこのソラ様は、そんな小賢しい真似はしないけどね!」


ソラは店舗の奥に届きそうなほど大きな声量で話す割に、口元を手で隠す仕草をしてみせた。

声を潜めたいのか、わざと店員にも聞こえるように言っているのか。

ラムネはそんな疑問を抱きつつ、本題を口にした。


「今日、ソラちゃんはイベントへ行くと言っていたじゃないですか。それで前に話した通りわちきの友達……リビィさんと言うのですけど、そのリビィさんもイベントへ行ったんです」


「リビィね。あー……そんな子いたなぁ。うん、知ってるし覚えてる。元気が爆発した死神少女でしょ。他の熱狂的なファンと比べても声援が一際(ひときわ)凄かったね。たしかに同じイベント会場に居たよ」


「良かった、同じ場所に居たんですね。それでリビィさんが、ミファさんと撮った写真を失くしてしまったらしいんですよ」


「うわぁ~あれを落としたのかぁ~。それはファンとして辛すぎるね。よし、もう訊きたいことは分かったよ。ちょっと待ってて。今マネージャーに電話してみるから」


「はい、お願いします。それにしても……ソラちゃんにはまねーじゃー(・・・・・・)さんって友達が居るんですね。友達が沢山いるようで羨ましいです」


ソラの方はほとんど正体を隠してないどころか明かしているも同然だったが、それでもラムネは彼女がミファ本人だと気が付いて無かった。

当然、同伴しているフーランは目の前の彼女こそがミファだと察している。

ただ、あまり追求してあげない事が優しさと考え、ラムネに教えようとはしなかった。

それからソラがマネージャーとの連絡を済ませると、すぐに明るい報告が返ってきた。


「その写真、イベントの撤去作業していたスタッフが拾っているって。ファンクラブに登録している会員情報で連絡先が分かるから、それで連絡つけようとしていたみたいだよ」


この話を聞き、ラムネはまるで自分の事のように救われた笑顔を浮かべた。


「ありがとうございます!よかったぁ~。どうやらリビィさんは諦めるのが早過ぎたみたいですね。ついさっきなんて自害する勢いでしたもん」


「にゃっはっはっは~。焦る気持ちは分かるけど、それは自己嫌悪し過ぎだねぇ」


「でも、おかげさまでリビィさんは元気を取り戻してくれそうです!こういう辛い事も思い出になるので、結果的には良しですね!」


「そうだね。でも……このソラ様的に、落ち込んだ(いち)ファンを見過ごすことはできないかな。せっかくイベントで楽しい思い出を作って貰ったわけだし、もっと楽しい思い出ばかりにしてあげよう!」


「えっと、どういう意味ですか?」


ラムネは不思議そうに首を傾げる。

そんな状況が分からない彼女の手をソラは握り、明るい笑顔で訊いてきた。


「この後のレモネードさんの予定を教えて貰ってもいいかな!?」


「予定ですか?予定は、えっと~……?」


リビィの落とし物騒動で頭の中がいっぱいになったせいで、すぐに思い出すことが難しかった。

その彼女をフォローするため、フーランが代わりに答える。


「今話したリビィさん。あと同じ従業員仲間のハイピスさん。そしてワタクシとラムネさんの計4人でカラオケへ行きますのよ」


「おっけーカラオケだね!それは凄く丁度いいよ!もしお邪魔じゃなければ、このソラ様も同行していいかな!?」


「ワタクシの方は問題ありませんのよ。ラムネさんは……っと、そういえばカラオケは歌を楽しむ遊び場ですのよ。なので、人が多いほど賑やかで楽しめますの」


ラムネが一般知識を備えてないことを話している途中で思い出し、すかさずフーランはカラオケがどのような場所か教えると共に、ソラの同行を勧める言葉をかけた。

これによりラムネはどう答えれば良いのか気づき、適切な誘い言葉を発した。


「なるほど、そうだったんですね!それなら是非とも一緒にお歌を歌いましょう!わちき、この世界の歌はまだ疎いので色々と聴かせて欲しいです!」


「おぉ~!じゃあ、このソラ様の鍛え抜かれた美声で、アニメ『陰キャな私が転生したら美少女の孤児だったけど、本当は女神でアイドルバンドを結成しちゃった件』のオープニング曲を熱唱してあげるよ!これはソラ様が作詞した曲であり、初の出演作品だからね~!しかも自伝でもあるの!」


「なるほど!」


ラムネは理解することを即座に諦めて、勢いのみで肯定する。

これはソラが一言に情報量が詰め込み過ぎたのが原因で、情報整理を諦めただけだ。

お互いに妙なところでいい加減だが、これはこれでバランスが良い関係性なのかもしれない。


何であれ、リビィを元気づけるためと親睦を深める目的でソラもカラオケへ同行することになる。

そして再合流する前に探していた写真をスタッフから受け取り、彼女らは憩いの場で集合するのだった。

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