星を生む少女
真空の海の中、自分の事も何も分からず漂う少女がいた。
彼女の名前はカティサ。
真っ暗な宇宙の中で、たった独りの孤独を味わっていた。
ずっと長い間一人ぼっちだった彼女は、しかしある時、遠くに小さな星明かりがあるを見つける。
それに触れたいと思ったカティサだが、長い間移動していなかった彼女には、どこかへと向かう力がなかった。
カティサは非力で弱い少女だった。
ならば、とそう考えた彼女は自分で星を生み出す事にした。
しばらくすると、遠くの星が増えていた。
カティサは孤独から逃れるために交流をとりたいと考えて、もっとたくさんの光を生み出した。
そうして、どれだけの時間が過ぎたか分からない頃、あたりは星でいっぱいになった。
しかし今度は、遠くの星明かりが消えてしまう。
カティサは、その遠くを照らすために、自分が作った星を移動させることにした。
しばらくの間、自分は孤独になってしまうけれども。
星達はカティサの願いをうけて、ゆっくりと移動し始めた。
自ら動く事ができないカティサは、星達を見送る事しかできない。
だから、
いずれ、ここも遠くも満天の星に包まれる。
そんな宇宙を夢に見ながら、カティサはずっと星の行方を見守り続けるしかなかった。