【第2騒動:緑宝のダンジョン】
新しい作品です!楽しんで読んでくださると嬉しいのですが…
緑宝のダンジョンに現れる敵は、虫系が多い。
だから、必然と―――――
「ひぃ!ふ、フレイヤアロー!」
「あたしもちょっと虫だけは…ソアル、アーリごめん、前衛は任せた。後方とミルりんのことは任せて」
女性陣はこうなる。ただし、一人を除いて。
「わかった、ご主人のことは任せて」
簡潔に、どこか嬉しそうにそう言った、軽装備で身軽そうな女性の名前は、イルミアルト・バッジ・ヴェザンフェルトリア。
略して、アーリ。ちなみに、三名称は上級家系の証だ。
アーリは、常に、ソアルの右斜め二歩後ろを歩きながら、前へ前へと進む主人についていく。
まるで、よく躾けられた犬の散歩のように。
すると突然――――――
「ギィシュァアあああぁぁアぁァァー!!」
細長い洞窟の壁の穴という穴から、百足と蜻蛉を歪に掛け合わせたような虫が、大量に湧いて出た。
「ひぃっー!!!」
「あっ…だめだ、こりゃ…」
これには流石にアーリも「っ!」と嫌悪感を露わにして息を吐き出していたが、ソアルは我関せずと言った風貌で、無詠唱魔法を放つ。
「フレイヤワルツ」
突き出した右手から、炎の渦が発生し、飛び出してきた虫数匹を巻き込む。
渦は大きくなり、壁に到達すると、壁を伝って燃え広がる。
左右上下全ての虫が這い出ている穴という穴に、炎が入っていく。
「エアウォール」
更に無詠唱魔法を重ね、自分たち4人の周りに空気の壁を作り出し、燃え盛る炎から身を守る。
その間も炎は燃え広がり、虫が燃えて、苦しみもがく姿がワルツを踊っているように見えた。
圧倒的火力のもと、丸焦げのすみ状態になった虫たちを横目に、ソアルは前へと足を踏み出し、すぐ後ろをアーリ、その後に恐る恐る、虫を踏まないように気を付けながら歩く2人が、付いていくのだった。
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