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童話集 森からの贈り物

【ほむらのねつ】

作者: 守宮 葵

ある村にある 小さな神社。

そこには ほむらという精霊がすんでいた。

村の人たちは知らなかったけど

ほむらは 村の人たちも神社も大好きだった。


畑の実りを祈り

一年がつつがなく過ごせるように

村の人たちは 季節ごとに

その神社を大切にしていた。


ある年のこと 雨ばかりが続いて

お日様が とんと出てきてくれない。


困った村の人たちは 神社にお参りしては

秋の実りに向けて お日様が出てきてくれるように祈った。


そんな風に必死になる人たちを見て

ほむらは 胸を痛めていた。

ひとりで解決するには

あまりに時間がかかってしまうし


助けを請えば

もうこの神社にいることも

できなくなることがわかっていたから


中々 決めることができなかった。


――ほむらは この場所が、村人たちがとても好きだった。


ひとつきたち ふたつきたち

お日様は やっぱり出てきてくれない。

このままでは 村の人たちが皆いなくなってしまう。


ほむらはやっと心を決めて

神社の裏山から通じている

精霊の門に足を向けた。


『あまみ 力を貸してくれない?』

あまみは 雨のこと 雲のこと 嵐のこと

水に関することは 得意なのだ。


ほむらの願いの代償は

ほむらが 精霊の村に長として帰り守役になること。

大好きな村人にあうことも

神社にももう帰ることができない。


それでも ほむらは

二度と会えなくても

たとえ 知る人がいなくても

長く その村が 大好きな場所が

続いてくれることを願いながら

あまみの力を借りて 村を救った。


『とと様!お空が明るくなって 虹が見える!』


ある朝 早起きした子どもが嬉しそうに空を見上げる。


あまみとほむらが 協力してお日様を村に返したとき

それはそれは 見事な虹がかかっていた。


それから後 その村では気候に恵まれ

滅多に不作になることはなくなった。


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