序章結 転生者がサブキャラだった場合の様でした。
帰還して初めに、思い切り単独行動を怒られた。担架で運ばれていく狼お面と猫お面が笑っている中、私はヤカブさんに思いっきり怒られたのだ。
「一人で行動しすぎだ! 新人なんだから単独行動は控えてくれ! 突拍子もなさ過ぎて捕まえにくい!」
その後。
「見つからなさ過ぎて、本気で心配したんだからな!? 途中でバズともはぐれるし……ひよこがこんな心配させるんじゃない!」
心配させ過ぎたのが、この叱責が長い理由らしかった。延々と小一時間は怒られたのち、私はこの後あの世界がどうなるのか、を聞かされた。
“最初の転生者”とは、最初に異世界への入り口を作って、なりたい相手に憑依した人の事を指し示すそうだ。今回の場合は、その“最初の転生者”が主役とかじゃなくてモブキャラになり、成り上がり願望を持っていたらしい。そのため、モブキャラに憑依したそうだ。
これを捕まえて、正しいあるべき世界に戻して、死んでいるなら輪廻転生に送り、生きているなら目覚めさせる所までが、実行部隊の仕事。
そしてその人物がいなくなった世界は時間を巻き戻して、その人物やその後に来た人物がやったものを、“なかった事”にするのが、実行部隊の処理班の仕事で、世界崩壊を止めるそうだ。
それを行えば、あの世界にあった、異世界の住人による崩壊の危機は、去るらしい。
こうなるとあの世界には、もうオトハタの人間は立ち入らなくなる。
そして門も消えるんだってさ。
とにかく私は、オトハタ始まって以来一番猪突猛進な奴として、先輩たちの要注意新人リストに載ってしまったらしい。
長々とした始末書を書きながら、私はそれでも、ついでのように渡されるおいしいお茶菓子にほっとしている。
私はもう一回、もっとしっかり研修して、危なくならなくなってから、乙女ゲーム風異世界に飛ぶらしい。
そのために、日夜やってはいけない事、マニュアルなども勉強する毎日である。
ちなみに、単独行動が過ぎたけれども、実行部隊の皆さんを助けたという功績から、減俸は免れた。うん、よかった。
「かがやまち、本日のレポートは提出できたのか?」
「今日中には終わらせます……!」
「まあがんばれ、猪」
「猪じゃありません! せめてやまかがし!」
「毒がある分ヤマカガシの方が危険かもな。お前は見た目だけで危険だから猪だ猪」
今日も今日とて、学習した事を確認するレポートを書いていると、めちすばず先輩がにやにやしながら、書類の角で私をつつく。
面白がっているらしい。かなり心配させたらしいから、意趣返しかもしれない。
「何度もつつかないでください、字がよれます!」
案件が一つ片付いたからか、警報音が鳴る頻度は減った。まあ、たまにびいびいなるけれども。




