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モノクロの蝶  作者: Riviy
第七章:『荒神』
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第七十五ノ世界:痛

暴行表現注意!


翌日。いや、明かり取りの窓すらないのだから朝になったかどうか分からない。恐らく、牢屋に入れられたのが夜であったから朝になったであろうと云う認識だった。


三人は壁際に固まって仲良く眠っていた。祢々切丸、水色の髪と赤と朱の間の色の瞳を持った青年を中心に座っているようで、彼の左肩に寄りかかって村正、漆黒で一房だけ紫色の髪と赤に近い朱色の瞳を持った青年が寝ている。祢々切丸の右腕に頭を押し付けるようにして蜘蛛切丸、蜂蜜色の髪に朱に近い赤色の瞳を持った少年が寝ている。三人共に、多くの歴史を得て疲れたのか、安らかな寝息を立てて眠っていた。だが、そんな眠りを邪魔するように牢屋の外の闇からボヤァとなにかが浮かび上がった。そして、その何かは甲高い音を立てながら牢屋の小さな入り口を開け、中に入った。眠っている三人を侮蔑と、憎悪に満ちた眼差しで見下ろすと眠っている祢々切丸の腹を思いっきり蹴った。


「!?」


腹を蹴られた事に祢々切丸は痛みで意識が飛び起きた。腹を押さえながら、前のめりになる。彼の両肩を枕にしていた二人が祢々切丸がいなくなったことで頭を思い切りぶつけ、その痛みで跳ね起きていた。が跳ね起きた二人にも突然の痛みが襲った。村正は頭を追撃だとでも云うように壁に頭を強くぶつけられ。蜘蛛切丸は祢々切丸と同じように腹を蹴られた。三人が何事だと赤と朱の瞳を、攻撃がやって来た方向に向ける。


「はッ、不気味な化物だなぁ。いや、穢れ、か」

「あったり、あったり~♪」

「……ちょっとぉ、なんか睨んでんだけど」


そこにいたのは、自分達を見下し、嘲笑っている村人達であった。数は不明だが、蝋燭の明かりから見るに五人は確実にいる。


「…な、にするんですか…」


頭がまだ朦朧としているのか、村正が怒りに滲ませた声を絞り出した。すると村人が何を当たり前な、と言わんばかりの拍子抜けした表情で言った。


「は?だって、『滅命』は世界を滅ぼした悪者だろ?なら、その罪は子孫であるお前らにだってあるに決まってるだろ?俺達は、悪役退治してんだから」

「そーそー!簡単だよねー!鬱憤払しにもゆーこー!」

「お前らは此処で、死ぬ定めなんだよ」


そう、ごくごく村人達にとっては当たり前の答えを言う。その答えに三人は絶望した。憤怒した。


「んだよそれ!それはテメェらの勝手だろ?!そんなんにオレらを巻き込むなっ!」

「…生意気」

「っ!」


突然、言い返した蜘蛛切丸の首を村人の一人が掴み上げ、そのまま向こう側に放り投げた。村正と祢々切丸が悲鳴に近い声をあげるのも気に止めず、硬いコンクリートの床で二、三回バウンドした蜘蛛切丸を別の村人達が取り囲む。声がしなかっただけで大勢いたらしい。蜘蛛切丸を取り囲んだ村人達は彼に暴行を加え始める。足で蹴ったり、殴ったり、持ち込んだのか棍棒で蜘蛛切丸に殴りかかる村人もいた。蜘蛛切丸は怒涛の暴行に抵抗する暇がないようで、辛うじて顔を両腕で覆うことで視界を守っている。暴行が軽く止んだ隙に村人の足に蹴りを入れたりしているが、その抵抗は見るからに乏しい。その様子に唖然としていた村正と祢々切丸はハッと我に返ると蜘蛛切丸を助けようと動き出す。が


「ちょぉっと待った」

「っ?!いっ」

「イッタァ?!」


二人は突然動きを止めた。止めた、と云うよりも捕まったと云う方が正しいのかもしれないが。村正はポニーテールにした髪を村人に鷲掴みにされ、それを上へ引っ張られており痛みにもがいている。祢々切丸は頭を鷲掴みにされ、片手を村人の足に踏みつけられていた。痛みにもがき、離せと抵抗する二人にも、村人達は暴行を加える。片足に足枷をされているため、逃げようにも逃げれない。三人は辛うじて視界を守るしかなかった。そして、耐えるしかなかった。暴行の隙ー村人達が疲れた瞬間ーに軽くやり返せば、その倍で返ってくる。そうなると、三人は我慢するしかなくなった。


暫くすると村人達は満足したのか、怪我をした彼らをほったらかして意気揚々と牢屋を出ていった。それを確認し、村正がゆっくりとした動きで起き上がり、痛む体を引きずりながら倒れている祢々切丸と蜘蛛切丸に近寄った。二人は村正に気づいたのか、彼と同じようにゆっくりと起き上がった。


「大丈夫ですか?祢々、蜘蛛」

「イタタ……頭打った…動けるから大丈夫」

「それ、大丈夫とは言わねぇと思う」


三人が円を描くように座り込み、見えるところの傷を見る。痣になっているものから、少し切れたものまで様々である。辛うじて、視界を守っていたため、顔は無事であった。目を潰されたら、たまったもんじゃない。


「何故、このような事を?」

「なんか此処の人たち、悪役退治的なことを言ってたね」

「オレらは悪役?じゃねっての!」


村正の問いに彼らがそう答える。蜘蛛切丸が怒りに任せて鎖を掴み上げると叩きつけた。カァン!と云う甲高い音が響き渡る。その音に自分が首を掴まれた事を思い出した蜘蛛切丸は、自らの首を擦った。


「………これからも暴行されるのかな」

「さあね。アイツらの目的が分かんない以上、オレらは耐えるしかないのかもな」

「いえ、きっとなにかがあるはずです。きっと」


逃げれる、そう村正が続けようとしたその時、牢屋の外から何か音がした。三人がサッとそちらに顔を向けた。また村人達か。そう考えるのも無理はなかった。牢屋の外の闇から現れたのは先程とは違う村人達。中には女性も紛れていた。村人数名の手には力が弱いためか、棍棒がまた握られていた。その中心的人物なのか、和服を来た女性がクスクスと彼らを嘲笑いながら言う。


「逃げるなんて考えないでくださいませ。此処から、出られる訳はないのです。此処は…………いえ、関係ない事でしたね」


牢屋越しでも女性の美しさは伝わってくる。が、今の三人にとっては美しいではなく、()()()だった。


なんかウチが作るキャラで過去を持つ人の過去が固定されている気が…大切な人を失うか、大きな怪我を負っているかのどちらかな気がします…何故や

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