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モノクロの蝶  作者: Riviy
第七章:『荒神』
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第七十二ノ世界:初


*ここから過去編に入ります。物語の性質上、暴力表現、暴言(?)がございます。いつも以上に(?)ヌルッとした流血表現等もございます。注意してご覧ください。*


あ、来た?ちゃんと来れたみたいだね。良かった。たまに『観察』で離れてしまう事があるんだ。そうなったら、色々めんどくさいんだよね。

ハハッ、兄貴ったら、ホントそこの後始末嫌いだよなぁ。

しょうがないじゃん。ぼくはあの一回で体験したから言えるんだ。あれは、めんどくさい。

へーへー……て、兄さん!?

え?村正?なにしてんの?気絶でもした?

まぁ、はい……あんた、ちゃんと此処に来れたんですね。あ、()()って云うのは、二人の場所とこの空間と云う意味ですよ。

……兄さん、何かあっただろ?オレらに隠し通せる訳ねぇって事、知ってんだろ?

あとで、きみと匡華が帰って来たら聞くよ。久しぶりに兄弟で話そうよ……あー何年も会ってない感覚がする。

…………ふふ、本当、あんた達には敵いませんねぇ。匡華もですが、あんた達も鋭すどすぎます。

そりゃあ兄弟だしな。

兄弟で友人で仲間だもの。当たり前でしょう?()()()()()()()()()なんだから。

証まで作りましたしねぇ……嗚呼、すいません、久しぶりに話し込んじゃいました。え?話せばいい?なに言ってんですか。此処には祢々の『観察』で来たんでしょうが……大丈夫ですよ、匡華も認めた、二人も認めた相手です。真実を見極める"目"をあんたは持ってる……

…村正が、デレた。

デレたな。

なんですか祢々も蜘蛛も。僕は言いたい事を言っただけです。

へーへー兄さんって素直じゃないよなー匡華には素直なのに。

蜘蛛は素直だよね。ていうか村正は素直とかそう云う話じゃなくて、警戒する猫。

あー分かる。

……遊ぶなあんた達。

ごめーん/さーせーん。

謝ってないですよね。まぁいいや。

良いんだ。まぁ、戯れ?だもんなー

了承済み……って、ほったらかしにしてた!

やっべ!……え?怒ってない?しかも和んでた?……なんか匡華の伯父さんと同じ事言ってる、気がする。

多分、同じ事言ってます。

まぁまぁ。話はこれくらいにして、行こうか……大丈夫、だってこれは過去だもの。

オレらは、もうあの時とは違う。

まだ怖いですけどね。

………そう、覚悟は本当に出来てるんだね。確認は大事だよ?二回目以降はさすがに鬱陶しいか。

んじゃ、そろそろ。

そうですね。それでは、始めましょうーーー


…*…*…


十一の世界には共通のものがある。それは、歴史である。世界共通の歴史、それが刻まれているのは《神記かみき》と呼ばれるある本。その本は今は分かれてしまった全ての世界に常識として存在している。


《神記》は一つであった時の歴史とその後、今現在を記している。《神記》の中身は《西暦》《魔法》《新世界》と云う三つの物語に分類される。

《西暦》は科学やテクノロジーが中心だった時代まで。

《魔法》はその後の科学が消え、魔法が発展し、実在した神々が怒りに狂い、戦争が始まる時代まで。

《新世界》は戦争が終わったその後、十一つにわかれ、それぞれの世界の歴史が刻まれ、現在に至るまで。

ちなみにそれぞれの世界の歴史は《新世界》の後に世界の名前がつくことで判別している。つまり、例えばだが〈シャドウ・エデン〉の歴史の場合は「《神記》・《新世界》~〈シャドウ・エデン〉~」となる訳である。


その《神記》には《新世界》の際と十一つにわかれた後に現れた式遣いと云う者が使役していた『荒神』と云う式が記されている。式遣いは人型、獣型、人獣型の三種の式を扱う、式を専門とした者達である。その式遣いが好んで使役していたと云う『荒神』は〈シャドウ・エデン〉他数世界にもいたが、世界がわかれた数年の間に殆どが式遣いが力を失った事により消滅。〈シャドウ・エデン〉以外は詳細不明だが、〈シャドウ・エデン〉の場合は使役していた式遣い達の横暴により『荒神』が、本来の『荒神』として覚醒。覚醒した彼らによって一度、歴史は途切れている。


途切れた理由は神の名を持つ『荒神』にある。『荒神』は本来、神の名を持っている唯一無二の式であった。つまり、三種の式の中では最上位に君臨していたのだ。最上位に君臨すると云うことは全てが使役者を遥かに超越する存在でもあったのだ。そんな式を怒らせたのだ、式遣いは。そんな『荒神』達によって〈シャドウ・エデン〉は滅ぼされた。そして、生き残った良心の『荒神』達によって再生されたのだ。そのため、〈シャドウ・エデン〉にはわかれた時と途切れた時、二つの空白が存在しているのだ。


そんな〈シャドウ・エデン〉では再生した『荒神』達を、命を司るかみ・『創命そうめい』と呼び、滅ぼした『荒神』達を『滅命めつめい』と呼んでいる。それは()()()()血縁者、子孫もそう呼ばれている。


これは、そんな『荒神』を巡る、歴史の裏に埋もれてしまった陰の物語である。


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