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モノクロの蝶  作者: Riviy
プロローグ
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第五ノ世界:友人協定、共犯協定




神様が用意した食事をするための部屋は、代表者全員で使うにはあまりにも広すぎるほどの広さだった。そして、豪華だった。何処のお城の部屋だよってくらい豪華だった。


「うっわー!!すっごーい!!」


代表者の一人が叫びながら、ピョンピョン跳び跳ねる。

あの後、神様によってこちらに移動させられた代表者達。今日の残り時間は休息時間とし、殺し合いは明日から本格的に始めると云う。

代表者の数人が馴れ合う気はない、と言いたげな感じで部屋を出て、用意された部屋へと引っ込んで行く。匡華は村正と共に、近くのソファーに腰かけた。そして、一気に肩の力を抜いた。


「お疲れ、村正」

「お疲れ様です、匡華」


二人はそう、相手を労る。こんなことでもしないとこっちが持たない。この食事をするための部屋ーと言うよりも広間に近いので広間と呼ぶーには楽しげにはしゃぐ代表者の声と殺伐とした空気が漂っていた。はしゃいでいる彼女は鈍感なのか、運良く感じ取っていない。殺伐とした空気を醸し出している張本人は一人の女性だった。何かに怯えるような眼差しを四方八方に向けつつも、肌で感じ取れるほどの最強と云うに相応しい畏れを持ち合わせている。その女性の近くにいた、代表者の条件に当てはまっているとは到底思えないほどにびくびくとした少年は、ビックゥウと飛び上がっていた。匡華は小さく、息を吐く。この広間で、殺し合わない、ただの友人もしくは共犯者を作りたい。だが、誰もが警戒している。自分以外の命もかかっているのだ。当然だろう。と、村正が何か気配を感じ、前方を見た。匡華は彼が殺気を放たない事も気になったが視線の先の方が気になり、思考を中断して見る。その先にいたのは一人の女性と一人の男性。女性の背後に寄り添うように男性が歩いている。匡華は女性の視線が気になった。確かに何処かを目指して歩いているのだが、瞳はその方向を向いていないのだ。


「なんだろうか?」

「分かりません…」


匡華は村正とそう首を傾げながら会話する。彼らは二人の前にあるソファーに腰を下ろすと二人に向かって、ごく自然に頭を下げた。村正は男性から何故か、懐かしい、と云うかなんと云うかそういう親近感を感じ、面食らっていた。


「こんにちは、私は千早ちはや。〈吉原の華〉の代表者なの。よろしくね」

「え、嗚呼、よろしく…私は加護夜 匡華だ、よろしく…て言うか、何故…?」


匡華が女性に問うと彼女は少女のように笑った。


「私ね、共犯者を作るって目的もあるけれど、あなたとお友達になりたいのよ」

「……お友達、か……」


まさかの目的に匡華は面食らい、きょとんとした後、クスクスと笑った。女性が何か失礼な事を言ったかと隣の男性に視線を送る。

なんだ。此処にはこんなにも純粋な人がいるんだな。

匡華は大丈夫と微笑みかけながら言う。


「嗚呼、友達になろうか。けれど、何かあったら」

「分かってるわ。えーと、」

「匡華で良いよ」

「匡華さん」


二人が微笑む。女性は男性の方に視線を向け、彼を紹介することを伝える。匡華は村正を見やった。不思議そうに男性を見ており、仲良くなれるかなと少し期待した。


「この人は私の能力で誕生した鳳嶺たかみね。私の身の回りのサポートをしてくれてるの」

「身の回りのサポート…?もしかして千早は…」

「御察しの通り、目が見えない」


すると、低い声が匡華の問いに答えた。怒っているようではなさそうだ。男性は女性と顔を見合せ、「「ねー」」と笑い合った。女性は目が見えないと云うにも関わらず、見えているように笑う。盲目だなんて信じられないくらいだ。それほど、他の四感や男性のサポートによって補われたのだろう。匡華は純粋に彼女と良い友達になれる気がした。


「で、そちらは誰だ?なんか懐かしい感じがするんだけど」

「は?あんたも、ですか?」

「ん?俺も?」


村正が男性の驚いた顔に慌てたように頭を下げた後、名乗った。


「失礼しました。村正とお呼びください。宜しく……してもいいです」

「……村正が他人にすぐ心を開くなんて」

「っ!例外ですよ、鳳嶺こいつだけです!」


面食らったように驚いた匡華に言い訳を連ねる村正。匡華は優しく笑い、分かっていると頷いた。それに村正はホッと胸を撫で下ろし、微笑んだ。そのどこが可笑しかったのだろう、千早がクスクス笑い出した。笑い出した彼女につられて匡華も笑う。匡華につられて村正と男性も笑い、初対面の彼らは友人となった。


女性、千早ちはやは淡い栗色のショートで瞳は盲目だからか白濁した色。髪に控えめな装飾が施された髪飾りをしている。服は薄い赤色と白を基調とした、美しい花が散りばめられた花魁が着る服で大きく肩を出している。靴は動きやすくするためなのか、下駄を履いている。


男性、鳳嶺たかみね藍鼠あいねず色のショートで両のこめかみの髪が異様に長い。瞳は浅紫色で両耳に水色の小さな球体がついたイヤリングをしている。爪に桔梗色のマニキュアを塗っている。服は千早と同じだが、肩が少々出ている、花魁が着る服で、色は濃藍色で赤い彼岸花が美しく咲いている。靴は同じく下駄…かと思いきや焦げ茶のブーツだ。服から出ないようにしているらしく、パッと見はブーツかどうかすらも分からなかった。


「それでさ……村正、聞いて良い?」

「なんです」

「村正が持ってる刀って、妖刀村正?」


鳳嶺が村正の刀を指差しながら訊くと彼は「どうしてわかった?」と云った表情を返す。その隣では千早が「凄いわね!」と興奮したような声を上げている。鳳嶺は肩を竦めながら言う。


「俺、前に村正の短刀使った事あったし、それに」


妖艶に足を組み、その上に頬杖をつきながら言う。


「それ以上に、お前にはなにか引き付けるものを感じた。さっきも言った通り懐かしい感じも。俺達は、似ているのかもな?」


それに村正の目が細められ、妖艶に微笑んだ。


「そうかもしれませんねぇ」


そう妖艶に笑い合う2人の横で千早が匡華に訊く。


「匡華さん達は何処の代表者なの?」

「嗚呼、言ってなかったか。〈シャドウ・エデン〉だよ」

「まぁ!あの、光と影がキレイな?!」


千早が楽しそうに笑うので匡華も嬉しそうに、楽しそうに笑った。四人の空間だけに美しい花が降り注いでいるようであった。

プロローグ終了ー!というか、後書きでずっと喋ってる…そのうち何も言わなくなるんですよ…

あ、村正が持ってる刀は妖刀村正ですよ。え、勘づいてた?さ、さすがです…←(笑うとこ、多分)

まぁいいや、さぁーて、最初のお相手は誰でしょー?

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