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モノクロの蝶  作者: Riviy
第三章:二人のマリオネット
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第三十五ノ世界:舞い踊る桜と



跳躍した匡華と桜丸が刃を交差させた。桜丸は交差していない左の脇差を匡華の目を狙って突き刺した。が、それを村正がギリギリで刀を間に滑り込ませる事で防ぐ。と匡華と村正は同時に桜丸を吹き飛ばした。二人分の力強い一撃に桜丸は勢い良く後退した。桜丸が床に足をつけ、吹き飛ばされぬように止まり態勢を立て直す。そこへ匡華が駆けて来ると懐に迫り、小太刀をお返しだとでも云うように顔面へ突き刺した。その一撃を顔を後ろに反らしてかわすが額に微かに痛みが走った。桜丸が小太刀を右の脇差で固定するように交差させると左の脇差を容赦なく、左肩に突き刺す。匡華は痛みに一瞬、顔を歪めたがすぐさま顔を引き締めると桜丸の右手目掛けて足を蹴り上げる。右手に衝撃が走るが追撃が来る。匡華が小太刀を持っていない方の手を桜丸の腹に力強く押し出した。張り手に近い。グサッと容赦なく引き抜かれた脇差を気にも止めず、前のめりになった桜丸の背中に蹴り上げた足を振り下ろした。その一撃に気づいた桜丸はしゃがんでかわし、左へと素早く移動すると両の脇差を足を振り下ろした状態の匡華に向けて振った。匡華がニヤリと笑った。その余裕綽々とした笑みに桜丸が不思議そうに首を傾げる。


その時、匡華の肩に軽く手を置いて空中で回転しながら村正が現れた。桜丸の脇差を弾きながら着地すると右の脇差をクルリと手首で回転させ、逆手持ちにすると横から殴るように振り回す。その力強い横殴りを村正は刀を横にして防ぐと刃を少し動かし、固定。桜丸は左の脇差を振り切ると紙一重で村正がかわし、刃を弾く。一旦距離を取り、桜丸は一旦、深呼吸をする。そして、開けた瞳は真剣そのもので村正は口角を上げ、それに殺気で答えた。


「そろそろ、本気を出します」

「その本気、見定めてあげます」


両者が同時に相手に向かって跳躍した。村正が横に刀を一振りするとそれを桜丸は一歩、横にずれるだけでかわすと追撃してくる刀を頭上に飛んで避け、降下する勢いを使って村正に攻撃。村正もまさかで頭上へ跳躍し、驚く桜丸と空中で刃を合わせた。弾いては防ぐ、弾いては防ぐを数度空中で繰り返す。と桜丸の動きが突然、素早くなった。素早い脇差二振りの凪ぎ払いを辛うじて顔を両腕で隠して防ぐとその隙をついて桜丸が彼の腹に右足を蹴り下ろし、ついでに左の脇差も突き刺す。村正が床に勢い良く床に叩きつけられ、口から血を吐き出す。叩きつけられた拍子に右頬は紅い一線、左足には深い傷が出来ていたー恐らく刺されたー。


そこへ今度こそ桜丸が降下の勢いを利用して攻撃する。右の脇差はこめかみにかすったが村正は横に転がってかわし、桜丸がこちらへ来る前に素早く起き上がり桜丸の懐に潜り込む。動きが遅れた桜丸の両肩を狙って振り切る。深い一線が刻まれた両肩を庇う桜丸が脇差をがむしゃらに振り回す。それを器用に踊るようにかわすが、頭を強く打ち付けたせいか全てをかわしきれず小さい傷がついて行く。後退しながら様子を伺っていた村正はこちらに向かって滑るようにやってくる匡華に気づいた。視線で匡華と会話した。村正は軽く刀に触れ、溢れ出す力を感じる。一瞬閉じた瞳を開け、次々に繰り出される脇差の怒涛の攻撃を一つ一つを丁寧に刀で防ぐ。全てを防がれながらも桜丸は的確に急所目掛けて攻撃してくる。と、村正が右手首目掛けて一瞬の隙をついて、懐に潜り込むと容赦なく貫く。


「っ!」


痛みで脇差を落とした桜丸。村正の後ろは壁と云うことに痛みながらも薄目で気付き、村正を嘲笑うかのように残った左の脇差を振った。だが、嗤ったのは村正もであった。


「残念。匡華かたわれの動きもきちんと把握しておきなさい。宝の持ち腐れですよ」


が村正は壁に足をつけて回転し、桜丸の背後に着地する。桜丸が慌てて背後を振り返る。と気配に気付き、すぐさま右へずれた。そこには鋭い刃、小太刀が突き刺さっており、目の前には少しの間、目を離してしまった匡華がいた。匡華は壁に突き刺さった小太刀を離し、桜丸の頭に向かって回し蹴りを放つ。その蹴りを左腕で防ぐ。途中で落ちかける小太刀を片手でキャッチし、そのまま足を振り切り小太刀を振る。ガリガリ、と甲高い音と共に壁に刻まれる一線を横目に桜丸は頭を下げてかわし、態勢を低くし足を刈ろうとする。その動きは素早い、がそれよりも数秒早く匡華が腹に蹴りをお見舞いする。それを態勢を低くしたまま両腕をクロスして防ぐと匡華を弾く。匡華は弾かれた後、床に手をついて態勢を直し、もう一振りの脇差を回収しようと視線を逸らした桜丸の横の壁を駆け上がり、そのまま上段から小太刀を振り下ろし、振り切る。その一撃をかわすことも防ぐこともできずに桜丸は右の脇腹を負傷。匡華も容赦なく抉るので出血多量。桜丸は匡華の追撃が来ることを恐れ、匡華の方に振り返り様に脇差二振りを振った。鉤爪のように鋭く、素早い攻撃をかわしきれずに腹に二つほど少し深めの紅い線が刻まれた。


匡華は自分の腹を通りすぎ、すぐさま攻撃に移す桜丸の思考を彼の視線のみで読み取ると、脇差が戻って来る前に小太刀でその退路を塞ぎ、両の足を桜丸の首に回して前方に強く引く。前のめりになりながら壁に手をつく桜丸が苦痛と云うか悔しさのあまり、歯ぎしりを起こす。それを振動で感じ取りながら、匡華は彼の肩を足場に跳躍。壁を踏み場にこちらに向かって同じく跳躍してきた桜丸の攻撃を小太刀で防ぎ、二人同時に振り切る。そして、着地。着地した途端に村正が桜丸の背後から刀を突いたが、彼は首を傾げる要領でかわし、痛む右手で脇差を振る。村正はそれをかわし、踊るように桜丸と距離を取った。左は村正、右は匡華。挟まれた、確実に圧倒的に不利。桜丸は二人に脇差の切っ先を向けながら、この状況に焦ったのか早口で言い放った。


「能力を使わないのですか?」

「おや、私達の情報だったか」


匡華が紙切れに書かれていたであろう内容に考えていた事が少なからず当たっていて、声を上げた。匡華と村正は何故、桜丸が能力の事を言い出したのかと勘ぐった。言わなければ、優位に立てた可能性もあったのに、何故。村正は能力の事を言い出して一瞬「しまった」となった桜丸を嘲笑った。だが、桜丸も言い出してしまった事で優位を投げ出した事は知っていた。それでも、気になってしまったのだ。戦況よりも己の疑問を優勢させてしまったのだ。


「使わないのですか」

「………ふふふ、そんなに疑問かい?」


匡華がそう言って笑うと村正もクスリと笑った。二人の笑みの意図が分からず、桜丸は首を傾げた。桜丸は脇差を持った右手でズボンのポケットの紙切れを触った。あれには「一人分」の情報が書いてあった。能力自体はさほど脅威ではなさそうで発動させなければ対策は容易であり、その前にこちらが本気を出して決着をつければ良い。匡華と村正が桜丸と同じ事を考えていたのならば、勝つために能力を使うはず。なのに、使わない。不思議でならない。

桜丸の問いに匡華は当たり前だとでも云うように答え、村正が妖艶に笑った。


「私と村正の能力てのうちを一つ明かしたところで、どうって事ない」

能力あれは、手段の一つでしかありません。あんたに心配される筋合いはありませんよ」


嗚呼、彼らは、この二人は能力を抜かしても勝てる実力を持っているのか。桜丸は本気を出せば勝てると思った過去の自分と彼らの能力を嘲笑い、余裕を感じた自分を呪った。彼らは、自分よりも強い。だが、桜丸はキリッと真剣な表情になり、意識を集中する。脇差二振りを逆手持ちにして態勢を低くする。本気、と云うよりも意志の強い視線が匡華と村正に注がれる。村正が刀を構え、殺気を放つ。怯えたようにビクリとした桜丸。その瞳が一瞬、揺れた。それに匡華は自分の考えが当たっているのではないかと些か不安になった。


「(桜丸かれは殺しに慣れていない。慣れているのは樹丸もうひとりのかれか。つまり……)」


匡華は小太刀を構える。敵を一瞬でも心配してしまい、自分のお人好しさに苦笑をもらす。そして、両者は跳躍した。


暫くした後、匡華の考えが当たるなんて誰も思わなかったし、「ああなる」なんて誰も知らなかったのだから、誰も悪くはないはずなのだが。


(そういえば忘れていた)桜丸と樹丸はやっぱ桜の樹なんでそう言う系…かと思いきや、二人にウチ的にピッタリな曲あるんでそれが流れますー

そういえば、明日ハロウィンですねぇ。ヘレーナ達にお菓子作ってもらわねば←


あと、少しスランプ気味なんで投稿が停滞するかもしれません。その時は「嗚呼、スランプか」と笑って待っていてください。すいませんお願いします。長文失礼しました。

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