表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

事情説明っ!?

初見の方は始めまして、他の作品を読んでくださっている人はお久しぶりです。

この度試験的に新作を投稿することにしました。

流石に二本同時はキツいので、支持がありましたら、本連載とする予定です。

それでは出来ればお楽しみに下さい

 前後左右全てが白く、何もない空間。

そこで、一人の少年が目を覚ました。


「あれ? ここどこだ?」


周囲を見回すも、人影はなく、更に混乱してしまう。

 

「よし、落ち着け、まずは状況の整理だ」

 

現在地------不明

前後の記憶------なし

現状からの打開------不可能。


「……あれこれ、詰んでね? てか、名前すら思い出せん」


自分が何処の誰か分からない。

普通ならその時点で取り乱すのだが、彼は特に何も思っていなかった。

まあ、何時か思い出すだろ、と楽観的な結論を出した。 


確認のために、もう一度周囲を見回し、腕を組みながら首を傾げる。


「うむ。 結局分からん。 まあ、分からんものは仕方ないか……」


 夢の可能性が頭を過ぎるも、夢にしては現実的だとそれを否定。

 彼は必死に考えた、そこまでよくない頭を振り絞り――――――


「―――――寝るか。 じゃ、お休み」


何を思ったのか寝転び、本当に眠りにつこうとする。

冗談で寝転んだのだが、その体勢でいると自然と瞼が重くなり、意識が微睡んでいく。

 そして完全に寝ようと目を閉じようとしたところで―――――――


「ちょっ、ちょっと待ってください!! 何でこの状況で寝れるんですか!? てゆうか、起きてくださいよ!!?」


見知らぬ声が聞こえ、強制的に覚醒させられる。


「んあ? 誰だよ、人が折角寝ようとしてるのに……」


 声に加え、身体を揺さぶられると、狸寝入りも出来なくなり、仕方なく身体を起こす。

 睡眠をしようとしていたからか、若干の気だるげを伴いながら二、三度目を擦り、声のする方に向き直る。

 中途半端な眠気を噛み殺し、視線を抜けると、先程まで感じていた眠気が一瞬で覚めた。


それほど美しい少女が、彼の前にいたからだ。


「あ! 起きましたか? 駄目ですよ、勝手に寝ちゃ」


 見つめた先にいたのは、今までに見たことのないような絶世の美少女。

 もし女神が存在するのなら、彼女を指す、そう思えるほど彼女の美貌は人間離れしていた。


 眠っていたことに怒っているのか、若干ではあるが頬が膨らんでいた。

 海のように青く、透き通るような印象を与える長い髪。

 見た目は彼と同じぐらいに見えた。。

 出過ぎず、足りなすぎない完璧と言ってもいいほどの整った躰を、淡い黄緑色の羽衣が包み込んでいる。

 何の反応も示さない彼を小首を傾げながら、長い睫毛に飾られた、蒼玉サファイアのような瞳で見つめている。


「あ、あの……大丈夫ですか?」


 ずっと黙り続けていたことに痺れを切らしたのか、彼女が再び声をかける。


「っと、すまん。 ちょっと見惚れてただけだ」

「ふぇっ!!? え、えっと、その、あの、み、見惚れてって、も、もしかして、私に……ですか?」

「? お前以外に誰がいるんだ?」


瞬間少女の顔がりんごのように赤く染まり、嬉しそうに頬が緩まった。

少年はそれを不思議そうに、見つめていた。


(どうしたんだ、ホントに……風邪……じゃないだろうし……分からん)


「あの……その……あ、ありがとうございます」

「お礼を言われることなんてした覚えないんだが?」

「そ、それでもです! お礼の言葉は、素直に受け取ってください!」

「お、おおう? いや、ええ……そ、それじゃあ、ど、どういたしまして?」

「はい!!」


 混乱しながらも渋々お礼を受け取ると女の子は満面の笑みを浮かべた。

現在進行形で、謎が謎を呼ぶが、美少女の笑顔を見れたので良しとした。



「で、だな。 何か君色々知ってそうだし、質問したいんだけど、いいか?」

「どうぞ、どうぞ。 私に答えられることなら何でも答えますよ」


 はえっへんと胸を張りながら答える少女。

 その時により強調される胸から、視線をどうにか逸らす。

流石に初対面の女の胸をジロジロ見る度胸は、今の彼にはなかった。


「じゃあ、質問その1、君俺の名前知ってる?」

「勿論知っておりますとも! あなたの名前はセツナさんです、あ、因みに私の名前はリーゼロッテって言います! リーゼとお呼びください。」

「了解だ、リーゼ。 あ、俺の事も呼び捨てで呼んでくれて構わないからな。 それじゃあ、次の質問だが------ぶっちゃけここ、どこなんだ?」


セツナの質問にリーゼは少しだけ口を閉ざし、思案する。


「ここは、あの世とこの世の狭間の世界。 死んだ魂と生まれ変わる魂の通り道、です」

「へぇー、成程な。 じゃあ何俺死んでるの今? 幽霊みたいなもの?」

「セツナの場合は、ちょっと特殊といいますか、その、少なくとも幽霊ではないです……」


 歯切れ悪く答えるリーゼ。

それは言いづらいというより、言うに言えないっといった感じであった。


「まあ、いいや別に。 それで、幽霊じゃない俺は、じゃあなんでここにいるのっかって事になるんだけど……って、あれ」



「はい、仰っしゃる通り納得出来ないとは思いますが……て……ええっ!!? い、いいんですか!?」

「んなこと言っても、何か文句言ったところで生き返れる訳でも無いんだろ?」

「それは、まあ、そうですけど……」

「じゃあ、気にするだけ無駄だ。 それよりも楽しいこと考えてた方が有意義だ」

「は、はぁ……刹那さんがそれでいいならいいのですが……」


 俺の返答が予想外だったのか素っ頓狂な声を上げてから、リーゼは何故か項垂れてしまった。

 本当に見ていて飽きない少女だ。


「ま! それは置いといてだ……最後の質問したいんだけど、いいか?」

「ええ、どうぞ……」


 未だに回復出来ていないのか、若干やけくそ気味な返答だが、そんなものは無視して、最後の……俺が一番知りたいことについて聞いてみた。


「最後の質問なんだが……俺は何でここに・・・・・・・いるんだ・・・・? 普通死んだらそこで終わり……意識とかも消えるもんじゃねーの?」

「はい、刹那さんが仰っしゃる通り、通常ならそうなりますが、刹那さん達は例外・・・・・・・・です・・

「例外? どうゆうことだ?」


 リーゼがさっきまでとは打って変わって真剣な表情に変わったので、俺もちゃんと座り直した。


「少し長いですけど、いいですか?」

「別にそれはいいけど……長いって具体的にどの位?」

「え……? えーっと……そうですね。 大体……十時間ぐらいだと思いますよ?」

「長すぎるわ!!  頼むから、せめて30分ぐらいにしてくれ」


 流石に三時間も話を聞くのは嫌だから、そう言うとリーゼは困った顔をした。

 そりゃそうだ、自分でも無茶だとは思うが、幾ら何でも十時間はキツイ……色んな意味で。

 まあ、それは置いといて肝心のリーゼはうんうん唸っていたが、やがて諦めたのか頭に手を当てながら、溜め息をついて了解してくれた。

 どうでもいいが、ホントにこいつどんな姿でも絵になるな


「あの……刹那さん? 恥ずかしいのでこれ以上褒めないでくれませんか?」


 あれ?もしかして俺口に出てたのか?リーゼの顔が又真っ赤になってる……だが、恥じらう顔もまた……


「ですから、刹那さん止めてください!」

「て、おい。 俺、今のは絶対口に出してないぞ?」

「私は心が読めるんですよ! なので、心の中でさっきみたいなこと思わないでください!! いいですね!?」

「あ、ああ分かったよ気をつける。 にしても、いきなり神様らしさが増したな……心読めるとか何だよそれ」


 ふむ、だが心が読めるのか……そうだ良い事思い付いた

 俺はある事を考えながら、リーゼの顔を見つめてみた。

 リーゼは最初きょとんとしていたが、次第に顔をさっきよりも赤くして、あわあわいいながら、手をバタバタさせ始めた。


「刹那さん!! な、なんてこと考えてるんですか!!? い……今すぐそんな事考えるの止めてください!! 」

「あ? そんな事ってなんだよ? 言ってくれないとわかんないぜ?」

「そ、それはその……」

「なんだ? 言えないのか?」


 俺は顔をニヤニヤさせながら、恥ずかしそうにしているリーゼは見て楽しむ。

 どうやらリーゼの奴結構初心みたいだ。たかが、男女が裸で抱き合・・・・・・・・ってる・・・のを考えてるだけでこれだもんな。

 と、そろそろ止めるか。何かリーゼからヤバそうな雰囲気が漏れ始めた。

 流石に怒らせたらマズそうなので、俺は直ぐに考えるのを止める。


「せ~つ~な~さ~ん~?」

「わ、悪かったよ。 ほんの出来心だ、もうしないって」

「……今回は許しますけど……次は無いですからね?」

「お、おう了解」


 やべぇよ。リーゼ顔は超笑顔なのに目が笑ってねーよ。

 マジでこえぇ。これからリーゼをからかうときは気をつけねーとな。


「刹那さん? 反省が無いようなら……」

「わかった!、わかったから!! もうしない! 約束する!」


 リーゼに許してもらうために俺は必死に謝り続ける。

 それをずっとしていると、リーゼは一応許してくれたのかさっきまでの雰囲気に戻った。


「はぁ、それでは結構脱線してしまいましたが、話を戻しましょう」

「ああ、頼む」


「まず最初に刹那さんは私のことを神様らしいと言ってましたが、正確に言うと私は神では無いです」

「? 神じゃない? じゃあ、なんだよ天使とかか?」

「まあ、そんな感じですね。 私は言うなら神様見習いみたいなものなので……」


 神様見習いだから、天使か……まあ一応納得できるな


「次に刹那さん達が例外な理由なのですが……まず謝らなくてはいけませんね、この度はホントにスミマセンでした」


 リーゼがいきなり此方に向かって頭を下げてきた。


「おいおい、いきなりなんだよ。 訳を言ってくれないと分かんないぞ? だから、頭上げろよ」

「……分かりました」


 俺が言うと渋々ではあるが、リーゼは頭を上げてくれた。

 リーゼに謝られる理由なんて……


「あ、もしかして俺が死んだ理由とリーゼって関係あるのか?」


 場を和ませるために冗談めかしく俺は言う。


「はい、その通りです」

「そうか、そうか成程な……て、え? マジで?」

「マジです」


 や、やべぇやっちまった!!これ完全に地雷踏み抜いちまってるよ!

 場を和ますどころか、更に悪くしちまってるじゃねーか


「ま……まあ、でもさっきも言ったが死んだことはマジで気にしてないから……な?」

「ですが……誤って済むことじゃ……」

「ホント気にしてないから!! だから、泣くなって!!」


 目に涙を浮かべ始めたリーゼを俺は必死になって宥める。

 流石に目の前で女の子が泣いてるのは、見てるこっちが辛い。

 必死に宥めると、漸く泣き止んでくれた。


「ぐず……す、すみません……も、もう大丈夫です」

「そんじゃあ、続き話してくれるか? 俺が死んだことにリーゼが関わってるってどうゆうことだ?」

「はい……全てお話します」


 リーゼは涙を拭うと、話を再開した。


「事の発端は私と同じ神様見習い……あ、これからは天使と呼びますね……天使達の反乱でした」

「天使の反乱……?」

「お察しかと思いますけど、私たち天使の上には神様が君臨しています。 その神様たちに対して一部の天使が反逆を起こしたんです。 勿論神様にかなうはずもなく、殆どの天使が殺されたり、天界から追放されました。 ですが、神様の手を逃れた天使たちは事もあろうに、全く関係無いはずのあなたたち……一部の人間の生命の書を燃やし始めたのです」

「生命の書ってのは、何だ?」

「生命の書というのは、人の一生が書かれている書物です。 人が生まれ、そして死ぬまでが書かれていて、神様たちはそれを管理するのが仕事で、私たち天使はそれのサポートが仕事でした。 ですが、天使たちはそれをを燃やしてしまいました」


 そんなものがあるのか……て、人の一生が書かれ・・・・・・・・た物・・が燃えたってことは……まさか―――――


「刹那さんがお察しの通り、生命の書が無くなってしまった人は……死んでしまいます」

「そうゆうことか……」


 ここまで聞いてやっとリーゼが俺に謝ってきた理由が分かった。

 つまりリーゼは自分の同僚の蛮行・・・・・・・・を止められなかっ・・・・・・・・たこと・・・を謝ってたのか……だが―――――


「なあ、リーゼそれこそお前が俺に謝る理由は無くないか?」

「ですが……! 私が事前に止められてたら何の問題も無かったんです!」

「だから、その時点でリーゼが謝るのはおかしいだろ? 何でリーゼが同僚の暴走を止められなかったのが問題になるんだよ。 問題があるとしたら、燃やすのを止めら・・・・・・・・れなかった神の方・・・・・・・・だろ?」


 実際問題そうだろう。

 聞いた限り、リーゼたち天使の仕事はあくまでサポート・・・・だ。管理責任は神にある。それに部下の暴走を止めるのも上司の仕事のはずだ。

 確かにリーゼにも問題はあるかもしれないが、そんなに責任を感じる必要無いはずだ。

 そんな大事なものをみすみす燃やされた神の方が悪いに決まってる。


「それは……ですが……!」

「あ〜も~、この話は終わりだ、終わり! 何度も言うが、それを聞いたところで俺は気にしてない。 ただ俺の運が悪かっただけだ。 だからリーゼも気にするな」


 俺はリーゼの髪を撫でながら、言い切った。

 生きていたころ、妹が怒ったり、泣いたりしていたときはよくこれをやっていた。

 リーゼの髪は絹みたいにサラサラしていて、撫でてるこっちの手が気持ちよくなっていく。

 リーゼも気持ちいいのか、数秒程目を瞑っていたが、やがて俺の手を退けると、恥ずかしさを隠すためか二、三回咳払いをした。


「おほん! その……ありがとうございます」

「ナハハ、気にするな。寧ろリーゼみたいな可愛い子の頭を撫でられて、約得だしな。 俺がお礼を言いたいぐらいだよ」

「ふふ、全くあなたっていう人は又そんな事を言って……褒めてもいいことなんてないですよ?」

「別に褒めたつもりはないぞ? ただ事実を言ったまでだ」


 リーゼは俺の言葉に恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうにはにかんだ。

 うん、やっぱり女の子は笑顔が一番だな。


「それで? 俺が死んだ経緯は分かったが、俺がここにいる理由を聞いてないんだが?」

「ああ、そうでしたね。 先程も言った通り刹那さん達は、私達の事情に巻き込まれてしまった、いわば被害者です。 ですが一度無くなってしまった生命の書は神様の力でも、戻すことは出来ません。 生命の書が無くなってしまった人は、その存在ごと世界から消え去ってしまいます」

「マジで!? じゃあ、俺の事覚えてる奴らはもう一人もいないのか?」

「はい、そうなります。 友人であっても、血の繋がった家族であっても、あちらの世界にいる限り、例外はありません。 あちらの世界では神成刹那という人間は初めからいなかったことになってます」


 マジかよ……それは少しだけショックだな。て、あれちょっと待てよ?


「なあ、じゃあ俺何でここにいるん・・・・・・・・? 存在ごと消えてるなら、俺がここにこうしているのはおかしくないか?」

「それについては今から説明します。 その前に……突然ですけど、刹那さんってゲームとか小説って好きですか?」

「ホントに突然だな? まあ好きだがそれがどうかしたのか?」

「なら、話は早いですね。 さっき言った通り刹那さん達は向こうの世界……つまり地球では存在が消えてしまってます」


 いや、それはさっき聞いたはずなんだが……ボケたか?


「ボケてなんていませんよ!!」


 おお……いきなり人の思考に入り込むなよ、驚くだろうが。

 ふむ、ボケては無いのか……じゃあ何なんだ?

 しかし俺が疑問を言う前に、リーゼに先を越されてしまう。

 しかも、とんでもないことを言われてしまった。


「ですが……地球とは違う……異世界ならば問・・・・・・・・題ありません・・・・・・




 …………え? どゆこと?






































































読んでいただきありがとうございました

本日中に後6話更新します。

それでは又後程お会いしましょう♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ