prologue
はじめまして、紅 亘です。
処女作なので生温かい(笑)目で見ていてください
星がとても綺麗に見える空を見上げている、一人の少年が立っていた。
少年の顔は中性的な顔立ちで、身長は140cmくらいのどちらかというと痩せている体型だけど、
筋肉はしっかりとついていて着痩せするタイプのようで、女の子には結構人気があった。
そんな少年には悩みがあった。それは頭が悪いとか運動音痴なのではなく、誰からも愛してもらえないことだった。
何故かというと、少年の両親は両方とも働いていて少年には構ってやれなかったからだ。
だから少年は両親に褒めて欲しくて、一生懸命勉強して運動して結果頭も良く運動もとてもよくできるようになった。
けど、両親は振り向いてはくれなかった。そして学校の男の子には苛められていた。
だから少年は星に願った。「愛が欲しい。」と...。
気づいたら少年は大きな門の前にいた。
門から老人が出てきて少年に聞いた。
「ここは強烈な願望を持った者が来る場所じゃ。
少年よ、君は何を望み何を欲している?
戦いの才能か?金か?権力か?それとも、復讐か?
ほら答えてみるんじゃ、欲深き人の子よ。」
だから少年は答えた。
「戦いの才能も金も権力も要らない。まして復讐でもない。」
すると老人は驚いていて何処か嬉しそうな顔をしてまた少年に答えを求めた。
「ならば何を欲するんじゃ?人の子よ。女か?」
そして少年は今度は本当の願いを云った。
「女の人が欲しいわけじゃない。
愛が、愛が欲しい。愛を教えて欲しい。愛して欲しい。」
その答えを聞いた老人は嬉しそうに笑って、今度は問いではなく自分の思いを云った。
「フォッフォッフォ!!
そのような願い始めて聞いたわい。
今までここに来る人間達は、ただ薄汚れた自分の欲しか云ってこんかったのじゃ。
お前サンのように純粋で人間が最も必要なものを欲してきたのは初めてじゃ。
お前サンは他の人間とは違う面白い人間じゃ。
自分を愛してくれた人間のためなら自分の命を賭けてでも守れるじゃろうしのぅ。
だからお前サンの願いを聞いてやろう。お前を愛してくれそうな者のいる世界に。
人の子である少年よ。お前サンの名前はなんていうのじゃ?」
「僕の名前は凛堂 刹那。オジイサンの名前は?」
「オジイサンとは失礼じゃのう。
我が名はゼウス。世界を纏め世界を管理する神じゃ。」
「なら、ゼウスありがとう。
君のおかげで僕はやっと僕の存在意義が見いだせる。」
「子供なのによくそんな難しい言葉を知っておるのぅ。
それからまだ転送もしてないのに礼を言わんで欲しいのぅ。」
「ああ、すまない。」
「謝らんでもよいわい。おっと転送の準備が出来たみたいじゃのう。
お前サンには困らない程度の力をあたえておいてやるからのぅ、心配せんでええぞ。
ほらもう行ってこい。」
「本当にありがとう。
またいつか会えることを願っているよ。
僕の大切な恩人、ゼウス。またね」
「ああ、またのぅ」
少年はこうして世界から消えた。
新たなる愛を求めて。
読んでいただいありがとうございました。
出来ればまた来週お会いいたしましょう。