表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/229

【第83話『服を脱げ──それが掟です』】

風が吹いた。

山の匂いが混じる柔らかな空気の中を、五人の影がのそのそと進んでいく。


目指すは、ギルドから届いた調査依頼の地──リヴァル村。


それは、「服を着ると呪われる」と噂される全裸信仰の村だった。


「癒しと健康の“裸文化”がどう影響しているか、調査してほしい」との依頼書に、

常盤流星は即座に拳を握りしめた。


「行くしかねぇだろ……これは絶対に、風俗系の聖地だッ!」


「またかッ!!!」

先を歩くアリシアが即座に振り返り、流星の頭に本を叩きつける。


「今回は“風俗”って書いてないでしょ!? ちゃんと“文化調査”ってあるわよ!?」


「いや、でも“裸文化”って、もうそれ、ラッキースケベ文化じゃない!?」

リリアも顔を真っ赤にして怒鳴るが、すでに流星の脳内はトロピカルな妄想でいっぱいだった。



村の入口で出迎えたのは、ふんどし姿の筋骨隆々な男たち。


「ようこそ、旅人たちよ。ここリヴァル村の掟は──“すべてを脱ぎ去り、真なる姿で生きよ”!」


「ハイ来たぁああああ!!!」

流星、両手を高らかに上げて叫ぶ。が──


「まだ脱ぐな!!!」

リリアが咄嗟に抜刀し、流星のズボンを切りかけた。


「やっぱり呪いが始まってるじゃないの……この男に!」



歓迎の儀式と称して、村人たちは“脱衣係”として近づいてくる。

アリシアのローブがバサリと剥ぎ取られ、ミレーユのドレスもビリリと破かれる。


「ちょっ……!? や、やめなさい、王族への無礼をッ!!」


「アリシア!? 下着見えてるわよ!?!?」

リリアは自分の帯が引きちぎられ、刀の鞘で胸元をかばいながら全力で抗議する。


「全員一度落ち着けぇぇぇ!!!」


だが唯一、誰よりも冷静な男がいた。


流星である。


「ふむ……なるほど、全裸というのは究極の誠実。“すべてを隠さぬ”という、信頼の証なんだな……」


「その解釈で納得するなァァァ!!!」

全員が叫んだ。



とりあえず、村から配布された“腰布”で身を包み、調査は開始された。


リヴァル村では裸のまま農作業をし、裸のまま湯治し、裸のまま寝る──

そこには羞恥も警戒もない。だが“笑顔だけ”が、やたらと整いすぎていた。


「アリシア……この村、何か“操作”されてるわね?」


「ええ……感情に、何かフィルターがかかってる。これは……幻術香か何か?」


そのとき、流星が村の祭壇近くで見つけたのは、封印された“黒い玉”。


「これは──魔石?」


アリシアが駆け寄り、目を細めた。


「……違う。“快楽を吸収して膨張する”系の封印石。しかも、活性化しつつある……」


ミレーユが呟いた。


「つまり、この裸文化はただの癒しじゃなく、封印された何かを肥やすための“儀式”かもしれないのね」


──全裸で調査しないと呪われる村。

だが、呪いの正体は“煩悩”そのものだった。


「くっ……また“煩悩型事件”かよ……!」


「いつも通りじゃないッ!!」

ヒロインたちの総ツッコミが、静かな村にこだました──。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ