【閑話】搾られた男、湯けむり地獄のサキュバス旅館
──男、宿に泊まる。
ただし、そこは普通の宿ではなかった。
「ようこそいらっしゃいませ〜♡ サキュバス湯宿《夢ノ館・よいしょ館》へぇ♡」
受付に現れたのは、爆乳ピンク髪サキュバス。
頭には角、尻には尻尾、そして谷間に挟まれた宿帳──
「お名前、トキワ・リュウセイ様ですねぇ? 本日は〜……《全身精気吸収マッサージ・究極の癒しフルコース》でご予約、2泊3日ッ♡」
「……やったぜ」
流星はガッツポーズした。
◆
──1日目。
「ではまず、初日の“お背中吸収コース”からぁ♡」
出てきたのは、くの字に反ったボンテージサキュバス三姉妹。
「背中の経絡から搾りま〜す♡ ふふ、少しでもピクッとしたら、追加課金ですからね♡」
「ピクッとしたら!?」
「どうぞ♡ 膝枕とキスで、“身体の芯”から解しまぁす♡」
──結果。
数時間後、流星はフローリングに倒れていた。
「……ふ、ふともも柔らかいの反則だろ……」
鼻血を垂らしながら白目をむく勇者。
「まだ1日目でコレかよ……」
◆
──2日目。
「おはようございます♡ 本日は《湯けむりサウナ・触手泡風呂プラン》で〜す♡」
「なんでオプション増えてんだよ!!!?」
泡まみれの触手サキュバスたちが、
「こっちは股関節!」「私は耳から搾ります〜♡」とキャッキャしながら取り囲んでくる。
「勇者って、えっちな魔力が濃いんですねぇ♡ ほら、こんなに……♡」
「や、やめろォ! 風俗は同意の上っていう俺の美学がァ!!」
──その夜。
流星は、脱水症状で点滴を受けながらベッドに転がっていた。
「だれか……ポカリ……いやアクエリアスでも……」
隣には、“おやすみ搾精ナース”を名乗る爆乳サキュバスが。
「じゃあ“栄養”あげますね♡ 口移しで♡」
「お、俺の倫理観が……崩れる……!!」
◆
──3日目・帰還
「帰ったぞ……俺は、生きて帰ったぞ……」
ヨロヨロと王都の路地に現れた流星。
顔色は灰色。目の下にはクマ。全身がぐったり。
だが、なぜか口元は笑っている。
「サキュバス……最高だった……」
その瞬間──
「やっぱり行ってたァアアアアア!!」
ヒロインズ、爆突入。
「“湯けむりサキュバス宿”ってなによ!? 精気抜きに行ったのバレバレじゃない!!」
「二泊三日で三回くらい死んだって聞いたけど!? どんな回数重ねたのよ!!」
「勇者って、実は生きてる精子タンクかなんかなの!?」
──女たちの怒声が響く王都の街角。
流星は、地面に突っ伏しながらも微笑んだ。
「俺の風俗旅は……まだ、始まったばかりだ……」




