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第3話 『モンスター倒して手に入れたお金で風俗に行こう!』

「ゴブリン三体──よし、これで少しは稼げたろ……!」


常盤流星は、異世界での初陣を果たした達成感に包まれながら、冒険者ギルドへと向かっていた。

手には、まだ温もりの残る革製ポーチ。中にはゴブリンの耳が三つ、それに小さな牙や粗末な木の飾り、そしておまけのように切り取ってきたゴブリンの肉片が収まっていた。


(いや、これ持ち歩いてる俺、冷静に考えるとやべぇな……)


ふと我に返って口元をひきつらせるも、それも一瞬。

すぐに彼の脳内は、愛しの“異世界風俗”で満たされる。


「これで……行ける。ついに、異世界風俗、デビューじゃああ!」


テンションMAXのままギルドに到着。受付嬢の獣耳ちゃんがにこやかに迎えてくれる。


「お帰りなさいませ、討伐お疲れ様です。初依頼ですね?」


「うむ。どうやら俺はやればできる子らしい」


「はい、ではゴブリンの耳、三体分ですね。確認いたします」


獣耳ちゃんがサクサクと書類を処理する間、流星はドキドキしていた。異世界の“対価”が、どれほど現実味を持つのか──すべてはこの瞬間にかかっている。


「はい、こちらが報酬になります。銅貨14枚と、銀貨1枚です」


「……ん?」


思わず、指先が震える。

彼の脳内には、一瞬で“日本円換算妄想変換”が走った。

銀貨1枚=1000円。銅貨1枚=100円相当と仮定して──合計で、約2400円。


「おい……マジか……これっぽっち……?」


笑顔で報酬袋を渡す獣耳ちゃんに「少なっ!」とは言えず、流星は無言でそれを受け取った。


「……ご、ゴブリン3体も倒したのに……」


(焼き鳥屋の飲み代にもならねぇじゃねぇか……)


だが、落ち込んではいられない。これはまだ“スタートライン”に過ぎない。

ここから先、もっと強いモンスターを倒して、大金を稼ぐ。──すべては風俗に行くために!


 


――その日のうちに流星は、素材の買い取り商人を訪れた。ギルドの紹介で、討伐以外の「ドロップ品」も換金できるという話だったのだ。


「へい、いらっしゃい! ゴブリンの肉と牙だって? へっへっへ、なかなかいいの持ってんじゃねぇか。今朝も“ゴブリン串焼き”が人気でねぇ……」


「マジで!? 食えるのかよ、あれ」


「焼けばまぁ何とかなるさ。癖が強いけどな! 牙も飾りやアクセサリーに使われてて、ちょっとした金になるんだわ。まとめて10枚でどうだい?」


「……買い取り10枚追加……これで合計、3400円くらいか……」


風俗通いには、最低でも1万円は必要だ。安宿に泊まって、食費を浮かせ、やっと行けるレベル。


「クソッ……異世界の風俗、なんでこんなに高嶺の花なんだよ……!」


とはいえ、流星の心は折れていない。むしろ、燃え上がっていた。


「いいだろう。なら、もっと強いモンスターを倒せばいい。ゴブリンなんざ、チュートリアルだ!」


握りしめた銀貨が、熱を帯びる。

風俗の香りを追い求めるおとこの冒険が、今、真に始まったのだ。


 


―――


 


流星は、再びギルドを訪れ、依頼掲示板を見つめた。そこには、さまざまなモンスター討伐の依頼が張り出されている。


「ふむふむ……スライム掃除……ワイバーン警戒……お、これは?」


彼の目に留まったのは、《オーク退治》という文字だった。

ゴブリンよりも一回り大きく、凶暴で、戦闘経験が浅い者には危険とされる存在。


「オーク一体で、銀貨5枚だと……よし、これだ!」


そのとき、背後から一人の女性の声がかかった。


「オークを倒したいのなら、手を貸してやってもいい」


振り返ると、そこには銀髪の美しいエルフの女性が立っていた。

深緑の旅装をまとい、腰には長剣。凛とした目つきが、場の空気を一変させる。


「私はリリア。君、剣の扱いは独学だろう? 少し気になって見ていた。……無様だったが、悪くはなかった」


「え? 見てたの?」


「ゴブリン相手に振り回してたのは私の目にも痛かったが、少なくとも命を賭ける覚悟はあった。風俗に行くためというのが目的なら、笑えないが……」


「……それが俺の全力の信念なんだよッ!」


リリアはふっと口元をほころばせ、流星に手を差し出した。


「ならば、共に行こう。次は、オークだ。気を抜けば君の命はない。それでも──行くか?」


「行くさ。俺は、風俗に行きたいんだ……!!」


 


――


こうして、風俗を目指す異世界冒険者・常盤流星と、美しき剣士リリアの旅が始まる。

次なる戦場は、オークの巣窟。命懸けのバトルと、ラッキースケベの予感が漂う、新たな一歩だった。

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