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第31話 『風俗街を取り戻せ! 四人連携の大逆転』

地下神殿の最奥。

黒く蠢く巨大な魔物──《淫魔の根源核》が咆哮を上げた。


天井を揺らすほどの魔力の波。

触手が空を切り、無数の“幻影”が空間を満たしていく。


 


──快楽の記憶。

──癒されなかった欲望。

──搾取と喪失、そして絶望。


 


「……うわっ、なんだこの“後味の悪いエロ妄想”みたいなのは!?」


「“人の中に残った中途半端な欲望”が実体化してるのよ!」

アリシアが叫ぶ。


 


「まさに……風俗に“誠意”なく通った男たちの業の集合体ね……」


「俺のせいじゃねぇからな! 俺は合意と敬意の紳士だからな!!」


 


◆ ◆ ◆


 


「流星、行くわよ!」

リリアがすでに疾走し、レイピアを構える。


「先手、取るッ!」


 


彼女の突きが触手を切り裂き、

アリシアが即座に魔法支援!


「《雷鎖・六重連》!!」


空間に走る魔力の鎖が、触手を拘束。

その間に、ミレーユが魔法陣を展開!


「《聖域転写──原罪浄化結界》! 核を封じるわ!」


 


流星が、叫ぶ。


「行くぜ……俺の剣は──ただの煩悩の産物じゃねぇ!」


 


「……“癒しを信じる想い”が、この刃を通すんだッ!!」


 


剣が、煌めいた。


 


──風俗という文化を、

否定でも崇拝でもなく、“必要な癒しのひとつ”として捉える者だけが持てる力。


それは、欲望を抱えたままでも人を救えるという“信念”そのものだった。


 


「うおおおおおおおおおおおおッ!!」


 


剣が淫魔の核を貫いた瞬間──


全身から迸る光。

魔物が悲鳴を上げる。


「アアアアアアア……ァァァァァァッ!」


そして、消えた。


 


◆ ◆ ◆


 


魔物が消滅したあと、地下神殿は静けさを取り戻す。


かつて“癒しの聖堂”と呼ばれた空間に、再び結界が張られた。


メリッサがそっと祈る。


「ようやく……戻ってきたわ。

“癒し”と“快楽”が共に手を取り合う、この街の夜が……」


 


アリシアがぼそりと呟く。


「……まさか“風俗のために戦った男”に救われるとはね」


「うん、私、ちょっと考え直した。風俗通い=悪じゃないんだなって」


「えっ!? やった!? やっと俺、理解された!?」


 


「でも風俗嬢の幻影で鼻の下伸ばしてたとこは減点ね」


「ぐうっ……ッ!! それは、思い出補正ってやつだぁぁぁ!!」


 


◆ ◆ ◆


 


こうして、《ユグノール通り地下魔物騒動》は終結。


──しかし、これはまだ序章にすぎなかった。


なぜなら、風俗街は“営業再開”を迎え、

流星は次なるドタバタと──“朝の修羅場”に叩き込まれるからである。

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