第28話 『メリッサ再登場!? 派遣風俗嬢の正体』
淫魔女王との激戦を経て──
流星たちは地下迷宮の最深部、
《禁域:悦楽の聖堂》と呼ばれる小さな空間にたどり着いた。
空間は静かで、まるで誰かの寝室のように整っている。
だが壁には古代の“癒しと快楽”を祀る神殿の紋章。
魔力が抑え込まれ、そこだけ異様なまでに“落ち着いて”いた。
「ここが……“魔物の核”の中心部?」
「っぽいわね。結界がある。触ったら暴走魔力が抑え込まれてるのが分かる」
そのときだった。
カラ……ン。
鈴の音が鳴り、静かに扉が開く。
「お久しぶりですね、流星さん──」
現れたのは、栗毛の髪をふんわりと結い、
優雅にローブを纏った一人の女性。
メリッサ。
あの《派遣風俗サービス》で癒しをくれた“あのお姉さん”だった。
「……お前、なんでこんなとこに……?」
「この地下は、私が“管理していた場所”ですから」
メリッサは微笑むと、壁の一部に手をかざす。
すると魔法陣が浮かび上がり、そこから古代文書のような情報が映し出される。
「私はかつて、聖女騎士団に所属していました。
“快楽と回復”──かつて同じ意味を持っていた二つを、守る者として」
リリアが息を呑む。
「……聖女騎士って、昔の“癒し神殿”に仕えたエリートのことじゃ……」
「ええ。でも……時代は変わりました。
快楽は“軽薄なもの”とされ、癒しは“聖なるもの”と隔離されてしまった」
メリッサは寂しそうに微笑む。
「けれどね、流星さん。
癒しも、快楽も、どちらも“人を救う”力があるのです」
流星は黙って耳を傾けていた。
「あなたのように、“風俗に通う”と言いながらも、
そこに“合意”と“敬意”を忘れない人がいる。
……だから私は、信じてるんです。
“快楽を追う者がいればこそ、真の安らぎもまた生まれる”って」
沈黙の中、アリシアが呟く。
「……信じるって、簡単じゃないわ。
それでも、“選んで”与える……それがあなたの役目なの?」
「ええ。私は“癒しの地”を守る者です。
欲望を否定せず、支え合う人々の居場所を──守り続ける騎士なのです」
◆ ◆ ◆
その時、メリッサが振り返る。
「ですが……今、この地の“封印”は揺らいでいます。
淫魔の核は“記憶”に依存しており、あなたたちの中にも刻まれている」
流星が剣を構える。
「つまり──次は、俺たち自身の“過去”や“欲”と向き合えってことか」
メリッサは頷いた。
「迷い、欲望、執着……“迷宮回廊”を超えた先で、真実に出会ってください」




