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第22話 『ついに王都!だが風俗は“封鎖中”!?』

「おおおお……! 見ろよ! 見ろってば!!」


流星のテンションは、完全に“振り切れて”いた。


馬車の窓から見えるのは、堂々たる石造りの外壁。

魔力障壁と大理石の白い城門が目印の、王都ルクレアル


無数の人々が行き交い、活気に満ちあふれる都市。


 


「王都だああああ!!」


「うるさい!!!」


 


アリシアの鉄拳が流星の後頭部に落ちた。


 


「着いた瞬間にそれ言うのやめてくれる!? 風情ってもんが台無し!」


「ちがう! 風俗だよアリシア!! 俺は今、歴史的な第一歩を──」


「もう黙れ」


 


◆ ◆ ◆


 


護送任務の報告と手続きを済ませ、無事にミレーユの引き渡しも終了。

流星たちは王都に“正式入場”を許された。


 


その直後──


 


「よっしゃ、まずは風俗街だ!」


「……はやっ」


「任務を果たし、命のやり取りを乗り越え、心身ともに限界を迎えた男に、

今必要なのは湯でも寝床でもない。“癒し”なんだよ!」


「まさか本気で……」


 


リリアもアリシアも呆れる中、流星はギルドで地図を手に入れ、

王都の“癒しエリア”こと風俗街《ユグノール通り》へダッシュ!


 


◆ ◆ ◆


 


──が。


 


「……え?」


 


そこにあったのは、異様な静けさだった。


煌びやかなネオンの代わりに、掲げられていたのは《臨時閉鎖》の看板。


 


「“王都警備団の検査・聴取のため、当エリアは一時営業を停止しております”……!?」


 


流星の視界が、グラリと揺れる。


 


「う、嘘だろ……俺は、ここに来るために生きてきたのに……ッ!」


 


そのとき。


 


「そこの君、止まりなさい」


「ん?」


振り返ると、数名の魔導士風の男たちが周囲を取り囲んでいた。


紫と白のローブに、王家の紋章。


その中心にいたのは、眼鏡をかけた若い男。

彼は厳しい視線で流星を見下ろす。


 


「……先ほどから挙動不審だったな。

“風俗街の封鎖直後に侵入しようとした外部冒険者”──怪しくないわけがない」


「お、おいおい待てって! ただの観光客だってば! ほら、癒しを求めて……!」


「言い訳としては最悪だな。

連行する。尋問の後、魔力検査を行う」


「ちょっと待て! 魔力検査って、どこをどう調べるんだ!? 下半身に魔力宿ってたら捕まるのか!?」


「その通りだ」


「嘘だろォォォォォ!!??」


 


◆ ◆ ◆


 


──そして数時間後。


流星は、護送任務のおかげでギルドとミレーユの紹介を通じて解放されたものの──


 


「もうやだこの街……! 王都怖すぎる……!」


「ていうか……あんた、風俗行こうとしただけで“王国魔導士団”にマークされるって、どんな生き様よ……」


アリシアはため息、

リリアは苦笑。


 


だがその背後で、どこかの建物の上に佇むミレーユが、遠くからその姿を見下ろしていた。


 


「……相変わらず、くだらない男。でも」


 


(あの時、命を懸けて護ってくれたのは……事実)


風に揺れる金髪の中、ミレーユはそっと目を閉じる。


 


「……王都の裏にある“もうひとつの影”──

あなたが巻き込まれるのは、まだこれから、よ」

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