プロローグ:転生前の疲れた日常
常盤流星は、45歳のサラリーマン。どこにでもいる、平凡な課長だ。毎日、朝から晩までオフィスに閉じ込められ、ひたすらに数字を追い、部下に指示を出し、上司に気を使い、残業を繰り返す。それが彼の人生だと、どこかで納得していた。
「はぁ…今日もまた、終わったな」
自宅に帰ると、カバンを放り投げるようにソファに腰を下ろす。冷蔵庫にあった缶ビールを片手に、ため息をつきながらテレビをつける。だが、すぐに目をそらし、スマートフォンを取り出す。画面に表示された検索ワードは、やはりいつも通りだった。
「風俗 求人」
流星は心の中で呟いた。「今日も仕事が終わったら、あそこだな」と。
風俗。彼にとって、それはただの趣味ではない。日々の疲れとストレスを忘れるための、唯一の救いであり、自由な時間だった。お金を払って、女性と合意のもとで楽しむ時間。それが彼の唯一の癒しだった。
「まぁ、風俗行きたいしな…」
彼の口癖だ。「風俗行きたい」と言い続けることで、少しでも精神的にリラックスできる気がしていた。
だが、ある日のこと。いつものように出かけた風俗店で、流星は思いもよらない出来事に遭遇する。
その日も仕事が終わり、足早に向かった。店内はいつものように賑やかで、流星の心は少しずつ浮き立っていた。しかし、彼が部屋に案内され、ベッドに腰掛けた瞬間、何かが変わった。
「……ん?」
視界が急にぼやけ、頭がフラフラとする。何かが重く、胸元に圧迫感を感じる。立ち上がろうとしたが、力が入らず、ふらついて倒れそうになる。
その瞬間、頭に強烈な痛みが走った。
「う…ああっ」
激しい痛みが脳を貫通し、次第に意識が薄れていく。まるで全ての力が抜けていくような感覚に包まれる。
そのまま、意識が闇に飲み込まれた。
異世界転生の瞬間
意識が戻ると、そこは見慣れた風俗店の部屋ではなく、まったく異なる場所だった。周りには、広がる荒野。空は赤く染まり、大きな月が異様に輝いている。流星はしばらくその場に立ち尽くし、目の前の景色をただ見つめる。
「…あれ?何だこれ?」
頭がまだぼんやりとしていたが、ふと自分の身体を見下ろすと、どうやら年齢が若返っていることに気づく。
「俺…18歳になってる?」
普段から自分を「若い」と思っていた流星だったが、まさか異世界に転生し、若返っているとは思いもしなかった。彼は自分の体をじっと見つめながら、いろいろと考え込んだ。
「もしかして、これって異世界転生ってやつか?」
流星はもう一度周囲を見渡す。背後には、見たこともない動物や、巨大なモンスターが歩いている様子が見える。完全に異世界だ。
「あー、でも転生したからって、風俗がなくなるわけじゃないだろ?」
流星は、再びニヤリと笑った。若返り、異世界に転生したことに驚きはしたが、それ以上に気になるのは、ここでも風俗を楽しめるかどうかだった。
「さぁ、どうするかな…とりあえず、まずは稼がなきゃな。風俗に行くためには、まず生活費を得ないと。」
そう思った流星は、目の前に立っている巨人型のモンスターを一刀両断するために剣を抜いた。
「風俗に通うためには、まずこの世界で強くなるしかない。」
流星は、異世界での生活を始めることを決意したのだった。




