茶会参加
雪が降り積もるこの季節。雪害事故が多発するこの季節でこの館、ノクトレインという館の茶会に参加することとなった。茶会は1週間もある凄く長い茶会だ。
「ようこそノクトレインへお越しくださいました。ここにいる5名で、今週の茶会を過ごします。」
アメジストのような瞳に綺麗な黒に紫が入ったメッシュのロングヘアの小柄な女性。どうやらこの茶会の主催者のようだ。手紙にはアストラ•ルナリスと書いてあったためおそらく名前は手紙の通りだろう。
「本日の夜、館の中央ホールにて初日の第一茶会を行いますので夜の8時になりましたらお越しくださいませ。それまではご自由に。」
今日の予定は話した後アストラさんはすぐに部屋へ向かってしまった。誰も何も話すことなくそれぞれ自室へ向かう。ちょうど19時。第一茶会の1時間前だ。
部屋の前には俺の名前、シルヴァン•ワイルダーが表札に書かれていた。部屋に入り目の前のベッドに沈む。
「残り1時間…本でも読んで過ごすか。」
そして俺は部屋に置かれていた小説を読んでいた。そんな時ノックが静かなこの部屋で鳴り響く。第一茶会までの時間はまだあるはずだ。なんともいえない疑問の気持ちで扉を開けてみる。そこには水色の綺麗な瞳にサラサラのピンク髪の女性が立っていた。
「は、初めまして!隣の部屋のロザリー•アズールです!」
静かな廊下にロザリーさんの声が響き渡る。
「初めまして。ロザリーさん。私はそこに書いてある通りシルヴァン•ワイルダーです。」
自室の表札を指差しロザリーさんにそう伝える。
「よかったら私の部屋でお茶でもしていきますか?…あと数十分後にはもう茶会ですが。」
「ではお言葉に甘えて!」
ロザリーさんの太陽のような声で参加者2人の茶会が始まった。私は茶の準備を済ませ、部屋の席に座る。
「怖いですよね。この茶会。」
俺はロザリーさんが何を言ってるのかわからなかった。茶会が怖い?どういうことだ?
「怖い…というと?」
「シルヴァンさんは知らなかったんですね。」
ロザリーさんの声は先程までの明るい声色から不安な声色に変わっていた。
「この茶会に参加した人は家に帰らない…いえ帰れないんです。」
俺はロザリーさんに帰れない理由を聞いてみた。
「私はその理由を調査しに来た探偵です。よかったら私に協力していただけませんか?」
協力しようとも考えたが一度考えることにした。この話が本当だとは思えないからだ。そう伝えるとロザリーさんはこう言った。
「今日の夜に一つ目の手がかりが見つかるはずです。それで判断して下さい。」
そうして第一茶会の時間となった。