巡るこの世はレイヤー状
たとえば、この世が地球の中身のように層状だとすれば、一瞬で一回りしてしまう人もいれば、こんなところをゆっくり歩いている人もいる。
同じコースに乗っていたとしても、隣の人はすごく急いでいるのに、他の人はゆっくり歩いていること、はたまた寝ていることも。
だって、競争だなんて、誰も言っていないんだもの。
でもね、ときどき層を替える人がいるの。
スイッチみたいに自分で切り替える人もいれば、穴に落ちて「あれ?替わっちゃった」なんて人も。
すると、見えるものが増えたり、色がついたり、バック・グラウンド・ミュージックが聞こえたり。
世界が変わったんじゃないよ、自分が変わったんだ。
今いる層に満足できず、自分で作ってしまう人もいる。
とにかく、世界をそういうものだと決めつけるのは、まだ早いんじゃない?
あら、あなた今とってもいい顔しているわよ。
はっとしたように固まって、目を潤ませて、口を開いて、・・・そんなあなたは、素直なそのままのあなたは、とても綺麗よ。
私の愛おしいあなた。
あなたのおかげで、私は母になれた気がする。
スナックのママさんって、きっとこんな気持ちなのでしょうね。