あの人は?
「さてアリー。」
「なあにフローラ。」
学園が休みの午後、2人は昼食を取りながら話していた。
婚約者を代わりに見つけるなんて大それたことを話していた2人だが、正直膠着状態だった。運よくアベリアにはハリスという素晴らしい人がいたが、フロミスに関してはどんな人がいいのか見当もつかない状態だ。悩んだりしたものの誰も思いつかず、2人は行き詰っていた。
「どうしよっか。」
フローラはアリーに相談する。
「うーん。」
アリーは返答に困る。
「こういう時は1度休むのがいいかもしれないわ。」
「それもそうね、じゃあ行きましょうか。」
阿吽の呼吸で次のことが決まった。
「何故休むところがここなんですか。」
キャメルとオギー先生の授業中に来た2人にキャメルは辛らつに言う。
「いいじゃない。減るものもないし。」
アリーはキャメルの隣に座る。
「ごめんね。キャメル。」
フローラも口ではそう言いながらキャメルの隣に腰を掛ける。
「まったく。」
キャメルは怒りながらも教科書をさっそくしまう。
「あっ。」
オギー先生の小さな叫びはないことにされる。
「さて、ではまたこの4人でおしゃべりしましょうか。」
アリーが場を仕切り、もう授業何て終わりだ。オギー先生も苦笑しつつ、空いている椅子を黒板の前に持ってきて話に加わる。
「フロミス様の…。」
姉たちの悩みを聞くとキャメルも同じように悩む。
「僕が立候補出来たらよかったのですが、年が離れすぎていますし…。」
うーんと真剣に考えてくれる。
「誰かいないかしら。」
「オギー先生はどう思いますか?」
「僕かい?」
オギー先生は聞き役だとばかり思っていたようでびっくりした顔をする。
「そうだねえ、こればっかりは本人の気持ちも大事だし…。」
「でも出会わないとそんなことも言えないではないですか。」
オギー先生の意見は一瞬で斬られる。
「まあ、僕はアベリアお姉さまの相手もあの方でいいのか不安ではありますが。」
1度会ったことのあるハリスの様子を思い出し、キャメルは愚痴を言う。
「なぁに、寂しいのお姉さまを取られて。」
アリーはそんな弟をからかう。
「なっ。違いますよ。純粋に僕は…。」
もにょもにょと言い訳をするキャメルをフローラやオギー先生は、ほっこりした顔で見つめる。
「あっ。」
キャメルは急に声を出す。
「あの人が言っていましたよね。」
ハリスが学園の上級生に自分の親族がいるという話をしていたことを。
「ああ、そういえば。」
「確かに。」
2人も思い出した。
「ハリス様の親族…。気になるわね。」
「どんな人なのかしら。」
「オギー先生ご存じではないですか?」
キャメルはオギー先生に質問する。オギー先生はそう言われ、目を上にあげ考え込む。
「えーと、ハリス君の親族で彼の上級生、ということは、今は大学部だよね…。」
しばし考え込んだ後、先生は拳でポンと膝を叩き思い出した。
「アルバート君だね。」
「アルバート様。」
「どんな方か教えてください。」
2人はオギー先生に詰め寄る。
「そうだな~成績は優秀、人望も厚くクラスでも人気者というイメージだったかな。」
アリー達の詰め寄りにもオギー先生はそのスタイルを崩さずのんびりとした口調で答える。
「あの人とはキャラが違いますね。」
キャメルがそれを聞き感想を漏らす。
「そうねぇ、真逆というか。」
「ハリス様と仲が良いのが意外だわ。」
よく会いに行っていると言っていたハリス。フローラ達はそれを思い出し想像するがイメージがつかなかった。
「でもフロミスお姉さまには合っているかもしれないわ。」
フローラは妹としてみてきた姉のことを考え、頭の中で想像する。
「そう?そしたらぜひ引き合わせてみたいわね。」
アリーはフローラの意見を聞き、乗り気になる。
「「じゃあ。」」
フロートとアリーは次にすることが決まりキャッキャとする。
「いや~若いっていいねえ。」
オギー先生はそんな楽し気な2人を見てつい漏らす。
「先生もまだ若いんですから。」
キャメルに注意されてしまうのだった。




